西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その8 ステルスリアクション・エクストラ064
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・勝ちを譲られた
・もてなされた?
花を持たせるというか、接待プレイだよね。初対面でいきなり顔に泥塗るのはナシだからねぇ。
ホームとはいえ新入り(?)に探りも入れてこないっていうのはちょっと酷い。
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・自分が小さく見えてくる
相手がデカければねー。場数と慣れかなーって気もするけど、それも毎回工夫した上での事だからねぇ。
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・有り金を全部スってしまった者の姿(FX顔)
『あいまいみー』を有名にするのに一役買った、キャッチーなエピソードが元ネタかなー、と。
賭けるなら賭けるで周到に、状況を見てやるべきですよ。手元に当てになるものが残っているかどうかくらいは勘定に入れないと。
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・熱くなりやすい人間には、ギャンブルは向かない
引き際が分からないってのも確かに向かない要素だけど、攻めきれない、好機を見逃すってのもまた向かない要素で。勝負事、それも数字で失敗が分かっちゃう分野って怖いよねぇ。
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・なにしてくれてんねん
確かに僕もちょいちょい危うい関西弁を使う事があるけれど、方言を使うような来歴があるかとかいう次元とは異なる、リズムやイントネーションのニュアンスが欲しい時もある。
中途半端な関西弁を嫌う人達もいるんだけど、決して正しい用法にこだわったり居住者かどうか(正統性)を気にしたりというのとは別の点で、相応しさとか評価があるんだよなー。こっちの勝手な考えに思えるかもしれんが……。
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・目立つ
ま、目立たないとは思わない。でも外見の話はやめて欲しい。他にもあれこれやめて欲しい話題はあるけど、こまごま書いてもどうせ作家は書くのをやめないからなぁ……。
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・『綺麗に負ける』は持ち合わせてない?
ベータロンは自分が格下だとみなした相手(実力や真実とは関係ない)にはマウンティングしないと気が済まないし、気が済まないと威嚇してプレッシャーかけてねじ伏せて従わせようとするし、それも効かないとなると悪口・揚げ足取り・嫌がらせに走ってとにかく貶しにかかり、それでもまだ気が済まない時には流言飛語やでっちあげまで始めてとにかく自分が正しい、相手が間違ってる、という図式にしようと躍起になるからなぁ。
自分の認識が事実と異なるから修正してやり直す、という選択肢だけは絶対に選ばない人。正直、情報が多くて判断が複雑になりがちな現代社会システムには向いてないと思うし、そもそも人間は間違いを回避できないんだから人生のプレイスタイルとしてはウルトラハードモードだと思う。
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・勝ち負けにこだわる支配人
こだわってもいいけど、どうせなら目先の気分的な勝ちでなく10年20年先まで続く世の中を変えるくらいの勝ちにこだわってもらいたいものだ。
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・育てねばならない幼女でもいるとしか思えないチップの山だ
他人事ながら、こういうのあんまり言わないでおいてあげなよー、と思わなくもないんだけど、向こうは向こうで散々何かあったりするのかもしれないから、ベータロンの扱いに関してはなかなか言い辛い(僕は書かれてても気付いても反応は書かないって選択肢あるしね)。
(続く)
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関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
からの「西尾維新篇」。
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第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
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第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「批評篇」。
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