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西尾維新『屋根裏の美少年』その4 ステルスリアクション・エクストラ105

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新『屋根裏の美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回(リンク)はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


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・どんどん性格の地金が出てきてる

僕にしろベータロンにしろ、情報量が増えてるからねぇ。僕が書いてなきゃあそこまで増えなかったかなぁ、やっぱり。

直接の当事者じゃないと入手できない範囲の情報だからね。


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・知らない部分を把握している
・知識がマニアック

活動上の対比。僕のスタンスがど真ん中のトレンドから離れたところにあるものを志向しているせいで業界のベーシックとも最先端とも異なるものになっている事。僕はコンセプトを実現出来ればそれでいいからあんまり気にしてないんだけど……(将来的な展開は措いて)。


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・カンバスという密室からの脱出(未来図からの逃走)

ベータロンのお膳立てに乗ってたら今頃どうなってたんだろうね。自分で稽古してバク宙するような猿回しのサルみたいになってたのかな。こう書くとやらない以外の選択肢がなさそうに見えるから不思議だわー。


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・原作からの改悪

どっちの見通しを原作と見るかだけど、ベータロン側に沿ってたらろくでもない方に行ったろうなーという感想。

僕自身はマルチシナリオ・マルチエンディングで考えてたから、まぁそれなり。しかしさて、向こう側の皆さんはどうだったのか。


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・描かれなかった絵を軸に考える

そりゃ先に聞かされてりゃあベータロンの青写真を前提にするって発想になるよなぁ、当然(そして僕にとっては予想出来ても知った事ではない)。


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・我らが反論者

いやそもそも歪曲されたらしき部分の訂正と理解の促進を試してみてたのであって、異論のあるポイントだけに絞って言及してるからそう言われるとなー(だって合ってるところは正す必要ないもん。こういうところは立場や都合の違いが出てるよね実際)。


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・素晴らしい作品の誕生に立ち会えるというのは、そしてその完成に関われるというのは、わたしのようなひねくれた人間にとっても喜びとなる

僕も作品に関してこう思うんだけど、これは西尾さんが僕の取り組みを作品に移してこう考えてくれてるんだったら、光栄な事だし、素直に嬉しく思う(しかし小説家という存在は批評理論の完成を歓迎したりするものなのだろうか。ちょっとイメージと違うというか……{それを言うなら僕は常々「評論家になるな」と言われるその職に就かんとする事そのものに屈託がない訳ではないのだが})。


ところで、その「ひねくれた人間」というのは一体何処の誰の事なのだね?


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・娘が夢見がちに存在しない星を追い求めていた頃と、娘が男装して色とりどりの美少年達とつるんでいる現在と、とんとん

その前後はあまり変わらんもんかも知れないが、僕の前後は何かもうちょっと違う気がするぞ。つるんでる仲間はいないし……。そんなに違わない、といえば確かにまぁその通りなんだが、前進してるっちゃしてるしねえ(あんま表に出てねーけど、初っ端はそんなもんか)。


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・カンバスからの誘拐

そりゃあまあ犯人扱いされてたんだろうなー的な。


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・真面目な話、いつまでもお客さん気分でいてもらっちゃ困る
・さっさとメンバーとしての自覚を持て

ならすべてのメンバーの名前と連絡先のリストを寄越せ。美味い紅茶と上等な肉もだ。

無理か。だよなー、別に僕透視力持ってないし夢破れた訳でもないし招集かかったりしないし組織の名前も知らないし数に入ってるはずないしー。ないしないしー。




(続く)

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関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

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#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

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比那北幸@批評
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