西尾維新『屋根裏の美少年』その2 ステルスリアクション・エクストラ103
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『屋根裏の美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・満を持してこの美術室を完成させる、そのときが来た
まぁ、大きく前進したかな、くらいは思うけど、なかなか劇的に表現されてますわね、こちら。
向こうで盛り上がってんのかなぁ、僕抜きで。あーあ。
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・なぜ小学五年生が名だたる中学生たちを統べているのかこそがもっとも解明すべき謎
・その謎は放置
中等部に上がっていない(プロになってない)っていう話なら、表に出ないまま正体も分からず采配を振るっている(という扱いに何故かなっている)僕の一側面をよくもまあしれっと紛れ込ませたもんだな、と。僕にとっては全く不思議でも何でもない僕自身の事が外から見たら関心の対象、ってのはちょっと考えてなかったかな、うん。
そら作中でもほっぽらかしですわなー。わかりようがないもん。
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・なぜ今なのかきっかけがわからない
僕が「西尾・忍殺」を始めた事なら、批評篇に書いたんじゃなかった? (主に西尾さんと翻訳チームのせいだよ)
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・教えてくれないので察して動くしかない
ベータロンの忖度させていざって時には責任転嫁する為の調教手法もそうだけど、ネット経由させるとパクる奴が出てくるから僕も言わない事は言わないしなー。
奴隷化や保身の手口と筋合いの有無ってのは違うけど、まぁ結果受け手は似たような境遇に陥るものなのかもね。
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・辛い
「幸」の類似形。いつものやつ。
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・(無理もないことで)はやし立てる
事情が分からなければ無理もない、分かっていても不利益になるなら印象操作にかかる、となるのでまぁそういう事なのかと(対策も予防策も損害の程度に応じてコストが見合わないケースがあるしなぁ{許す許さないとは別で})。
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・元々そうなるはずのもの
という見解になると思うんですよ最初から仕掛けを全部知ってたらね。なのにそういう手口でくるとか対策取られると考えてないとかおかしいし、話聞くにも警戒してないってちょっと僕には懇切丁寧にご説明する段階にはなかなか入れませんでね、さすがに。
……不自由さえなければなあ!
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・助手(僕が助けてもらっていたかも?)
歴史寓話論にしろ(『少女不十分』くらいの頃とか)ステルスリアクションにしろ、批評と創作がそれぞれ動機づけられながら互いにシグナルを発し合う交信状態を生じさせている状況が継続しているから、互助的になってるんですよね、そもそもそういう関係を生む可能性を孕むものなのだとしても、批評する者としてこの貴重さを忘れてはならないかな、と。
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・異世界に繋がる入り口(JF・SR)
作品外的な文脈・参照項が存在するという意味では歴史寓話もステルスリアクションも同じ、って何度か言ったっけ?
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・だからってわたしの疲れがなくなるわけじゃないけどね!
僕の徒労感だって負けてないぞ! 「いい勉強になった」なんて思うには授業料が法外に高過ぎるしな! ベータロンがコケたとしても僕のせいじゃない!
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・さすがに後方は観測できない(真のニンジャの世界)
「眼が背中についている人間はいない!」(「レイジ・アゲンスト・トーフ」 エピソード6 「ナラク・ウィズイン」 #2 」より)。「美観のマユミ」にちなんでニンジャスレイヤーネタを入れている(こういうの、僕は僕好みだからいいんだけど、それでいいのか、と思わなくもないアクセント使いというか)。
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「「レイジ・アゲンスト・トーフ」 エピソード1 『スシ・バー』」
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・下界の民(内心)
実際でも気分だけでも「エリート街道まっしぐら」みたいな人は本当にこういう絵に描いた様な罠に嵌るもんなのだろうか。
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・保存状態はほぼ最悪
よくわからん、という点では「西尾・忍殺」の隠し方もそうだし、戦時、前後の歴史資料なんかもそういうのはあるだろうね(そもそも消されたものもあるんだし)。
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・慣れないことをしちゃ駄目
・より一層自分のことだけ考えるぞ
その後の対応合わせてベータロンそのままでもあるものの、僕にそう見える点が全くないかと言うとそうでもなさそうなのでキャラ上でごっちゃにされてしまうこの何とも言えない不条理感。まあでもベータロンにとっちゃあそこそここなしてきた事だろうし、僕はそこまで身勝手ばかりしてきたつもりはないけどもさ。
(続く)
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関連リンク
西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
西尾維新篇
第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)
第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)
☆
ニンジャスレイヤー篇
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)
☆
策謀篇
第6話「過渡期の人」(約1,900文字)
第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)
第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)
第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)
第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)
第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)
第12話「物語の終わり」(約1,800文字)
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)
☆
昇華篇
第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)
☆
批評篇
第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)
第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)
第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)
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