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西尾維新「あせろらボナペティ」『業物語』その3 ステルスリアクション・エクストラ084

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新「あせろらボナペティ」『業物語』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


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・向かってくる手下のほうが好き

ベータロンはそういう相手をいちいちねじ伏せるのが好きそうだけどね。力の誇示にもなるし、気分もいいんだろうし。


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・死んだときにシチュエーションを覚えていない

「忘れた」とでも言ったんだろうけど、都合の悪い事だけは忘れっぽくなる設定なんじゃないかな。使えるネタはちゃんと覚えてるんだから。


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・ことあるごとに食べられようとする(捧げる)

結局捧げられなかったところを見ると、言行不一致の表現かなぁ。ことあるごとに「うまくやるから」みたいなことを言っていたのだろうか。


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・ただそこにいるだけで一国を滅ぼす怪物
・ただ通り過ぎるだけで

今度は怪物扱いかー。というか僕の場合は「違う対応も出来るのに何故か自滅される」って形だからなー。決して例外がない訳じゃないだろうし……(むしろ自滅した方が少数派なのではないかという疑惑が)。


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・(食習慣はなかなか変えられない)

癖というか、ひとつのスタイルを確立してしまうとなかなか変えるのは難しいのは分かるけど、それで失敗するリスクくらいは引き受けないといけない。

それから、別に相手がダメになって席が空いたりコミュニティが寄る辺を失ったりしたとしても、僕が穴埋めになるとは限らない。


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・食うのは自分で殺した人間だけ

殺したからって食わなきゃならんってのは僕のルールって訳じゃないしなぁ。

食い物にされそうにはなったけど食われずに済んだから、そういうことかも。


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・圧政を敷いた王
・国の内外に死体の山を築いた死体王

わがまま勝手にやりたい放題、結果失敗の山を築いた、とは思ってないだろうねえ本人は。

売上や利益から見るとそうでもないんだろうけど、さて功績となると難しいだろうね(僕がセンセーショナリズムを注意深く扱うのはこれのせい)。


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・次代の王は築城し引っ越し
・家族や家来ごと

次から次へと拠点を変えて、辛い過去をなかったことにしようとする癖は変わっていない、とか? 一方で長く付き合う間柄だと抱え込むと。

良し悪しは扱いによるよねえ。


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・いわくつきの伝説 

まぁまぁベータロンの履歴を見ればねぇ、というところだけど……、こうも確実におぞましいと知っていれば無駄な事はしなかったのだが。


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・童話(JF)

「うつくし姫」の方ね。童話という形式は寓話を語るのに都合がよくて、昔からよく使われてもいるみたい。舞城王太郎『阿修羅ガール』にも童話パートみたいなのがある。

形式から意図と内容が掘り下げられる、という一例。


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・増殖する死

まったく求めていないんだけどなぜこうなってしまったのか。

ともあれ片はつけなくちゃならん。


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・料理する姿

もてなしというか、世話というか。

相互関係にしてはアンバランスだったな。


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・度胸

なぜそこまで従順か意志薄弱かに思われていたのか正直わからない。


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・殺そうとして自殺

手に入れようとして返り討ち、みたいな目に遭った人は先行例があるのだから、同じことを繰り返すことはなかったと思う。

それでもやらかしてしまった点にこのタイプの思考をする人物共通の傾向を見出せるのかもしれないが、修正不可能なら迷惑でしかない。

僕の状況を変えるには別の方策がいるのですよねぇ。




(続く)

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関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

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#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

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