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西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その4 ステルスリアクション・エクストラ060
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・(そうとは見えない誘い出し方)
「お前が勝手に『誘われた』と思っただけ」と言いたければそう言ってそういう事にされちゃうような状況だったからねぇ。
今思えば「何様だ」ってやり方だけども。
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・排他的経済水域
坂上秋成さんにパクられた内容に隣接する記事で使ったかなぁ。前やってたブログ記事参照(締め切りが近いのでリンクは省略する)。
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・(夜中 本格的なカジノ)
夜遅くまで付き合わされたよ。終電終わってたしねぇ……。稼げるか無駄足かって意味じゃあ営業も賭け事みたいなもんか。
の割に当たるまで時間かかりそうな上にその頃にはどっぷりで抜けられない危険がありありと見えていたのはなんだったのか……。
それで誘いに乗り続けるとでも思っていたのなら、さすがに目論見が甘過ぎる。
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・年齢が総じて若い
ああいう施設にしては年配というか重鎮的なお歴々はその時はいなかったか(この辺は別にどうでもいいかもしれない)。
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・別世界
ああいう場は独特なムードがあって、だから特殊な行為が為されるっていうのもある。
それが良い事かどうかは知らんけどな。ただ、ベータロンの思惑通りに物事を進めるには舞台装置だけでは足りなかったんだろうね。
その事に気付いていたかも知らないしどうでもいい。ていうか、あそこも長くなさそうな感じしないか? どうかなぁ。
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・匿名性
うーん、色々考えさせられますねぇこの言葉。あの場では一応の匿名性(何か今日来た奴、みたいな扱い)があったようで、その実ばっちりあれこれ把握されているにもかかわらずそういった事はその場の共通認識にはなく、アイデンティファイされているのに表面上公式には無名・匿名扱いというなーんか納得いかない微妙な位置に僕を置けばフックになって引き付け続けられるはず、みたいなプランがあったかなぁ。
あってもなくても、相手の実力を見定める前に手を打ち過ぎたのは失敗だったんじゃないかなぁ。
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・将来を夢見ることを諦めた身
諦めてないって、戦略とプロセス変えるから打ち筋が変わってるだけで……。まあ、キャラ設定的にそういう表現になったんだろうけど。
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・費用対効果
・あとで取り戻せるかどうかもわからない五千円
・ぺてん
公平なジャッジがそもそもいないプレイヤーオンリーのゲームで、向こうのルールに乗せられ続けるのってリスキー過ぎて離脱が最善手になるしかないと思う。
そういう不完全情報による非対称性を前提とした行為って、優位に立ってる時くらいしか仕掛けられないし(仕掛けて相手に「アンフェアだ」って言われても「乗ったのはお前だ」って返すぞ僕なら)。
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・『相手』がいるかも定かではない
この水準から不確定っていうのは要警戒だし極めて慎重にならざるを得ないんだよね実際。ここまで怪しいのに何でベータロンはあんなに自信満々に針むき出しでろくにエサもついてない釣り針に向こうから食いついてくるはずだ的な確信を持っていたんだろう……。
変わったセンスの持ち主なのだろうけれど、だからって必ずしも成功者たりえないし、適所を見出せるとも限らないんだなー。
(続く)
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関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
からの「西尾維新篇」。
☆
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
☆
第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「策謀篇」。
☆
第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
☆
第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「批評篇」。
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