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9月10日は世界自殺予防デー

「自殺に対する注意・関心を喚起し、自殺予防のための行動を促進すること」を目的に制定された国際デーです。

日本はそれほど自殺が多い国ではありませんが、それでも死亡原因別の統計によると、国内の死者全体のうちの1.5%ほどは自殺による死亡である事が明らかになっています。

さて、自殺というのは言うまでもなく自ら生命を絶つ行為です。それに対する注意喚起の国際デーが存在するという事は、自殺が国際的に忌避されるべき行為であるという事です。

なんだか当たり前の事を言っているようですが、大事な事です。自殺がよくない事だという認識を持つ事で、一歩踏みとどまる機会が得られるかもしれません。

希死念慮をはじめとする自殺願望は、いつどんな人に襲い掛かって来るか分かったものではありません。昨日まで健康そのものだった人が突然うつ病に罹るように、自殺願望もある日突然抱くようになるかもしれません。他人事ではありません。もしかすると明日、自分が自殺したくなるかもしれません。当事者意識を持ちましょう。

自殺の理由は人それぞれでしょうが、「何となく」で死ぬのだけはやめましょう。そういう気持ちで抱いた自殺願望は、同じく「何となく」で捨てられるもののはずです。

なんだか堅苦しい文章になりましたが、そういうのを考える記念日という事です。

さて、自殺を取り扱ったフィクションはたくさんありますが……その中でもネタバレ度が低く、かつ有名なものを一つ紹介します。

国語の教科書でよく見る夏目漱石の著書「こころ」は非常に文学的な物語です。主人公が出会った「先生」なる人物の、親友「K」との間で起こった横恋慕のお話は、紛れもなく名作だと思います。

が、実はこの小説、未完である事はあまり知られていません。

教科書で読んでいる分には気にならないのかもしれませんが、実際に一冊通して読むと投げっぱなしな部分が多く、どうしても物足りなさが浮き彫りになってしまいます。物語そのものの純度が高いゆえに、非常に残念なところです。

ただし未完と言っても大事な部分は〆てあるので、本筋を咀嚼するには十分です。読む価値がないとは絶対に言いません。紛れもなく名作ですので。

「こころ」では、二人の人物の自殺を巡った心情描写が展開されます。とても興味深い内容なので、是非とも購読をオススメします。

そういうわけで、明日は世界自殺予防デー。自殺を希っているのなら、一度立ち止まって考えなおす時間を確保してみましょう。

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