感想「ドラゴンボール超 14巻」
今月4日、「ドラゴンボール超」の最新刊が発売されました。
なんだかんだ面白いので、語ります。
・漫画紹介
紹介記事をリンクします。
・前巻の感想
感想記事をリンクします。
以下、最新刊のネタバレ注意!
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・新生ベジータ
前回、身勝手の極意「兆」をものにした悟空でさえ敵わなかったモロに対し、ヤードラット星で修業したベジータが新技を引っ提げて登場します。
スピリットの強制分離だとか。
……
なんとまあ、局所的なメタ能力もあったものです。まさにモロと戦うためだけの能力……
と思いましたが、よくよく考えると別にそんな事もありませんでした。合体・吸収を分離させるとなると、これまで戦ってきた多くの相手のメタになります。セルや魔人ブウ……特にセルなんぞに使えた日には、簡単にお話が終わっちゃいますね。「超」に入ってからも「ゴクウブラック」や「ケフラ」なんかが合体をしていますし、実は相当優秀な技なのでは……?
悟空は覚えられなかったとか言ってますが、悟空がヤードラット星に行っていたのはフリーザ編後でしたね。そこから先がセル編→魔人ブウ編と繋がっていくので、覚えてたらえらい事でしたね。こういうニアミス、ちょっと好きです。
でも……
こういう搦め手っぽい技といい、身勝手の極意といい、別に悟空やベジータの専売特許ってわけじゃないですよね?
なんなら超サイヤ人だって「神の気」とかいう概念が出てきたせいもあって別に必須ではないですし、戦闘力のインフレが崩壊しまくっている現状、だからこそ悟空やベジータ以外の、これまで副戦力に甘んじていたクリリンやピッコロなんかをもっと前面に押し出してほしいものです。
まあ「超」は悟空とベジータ以外はあまり活躍しない方針みたいですし、そこはそういうスタンスの漫画だと割り切るしかないのでしょう。ともあれ、ベジータ強化です。
しかしそんなベジータの天下も束の間、まんまとモロにしてやられ、逃げられてしまいました。完全に油断フェイスのベジータが悪いですね、これ。ちょっとでも優位に立つとすぐこれなんですから。
モロの気って読みづらいんでしたっけ? ジャコが目視で姿を捉えるまで、ベジータは反応できませんでしたね。
そして逃げたモロは、セブンスリーを吸収。思ったより物理的な吸収の仕方でちょっと笑いました。散々魔法使いキャラで通していたのに、頭からがぶりといっちゃうなんて……いやまあ、インパクトはありますけどね。
・絶体絶命
で、セブンスリーを吸収したモロは元通り。しかもセブンスリーのコピー能力まで手に入れて、しかも制限時間もなし。パーフェクトセルみたいな理不尽パワーアップですね。これぞドラゴンボールといえばそうなのですが。
この辺りからモロも、あんまり魔力使わなくなってきましたね。もはや使う必要さえなくなってきたというべきか……戦い方が普通の敵と同じになりつつあります。やっぱり最後はパワーがモノを言うんですね。
ベジータがやられ、悟空がやられ、他の面々も満身創痍。絶体絶命のピンチに、デンデとクリリンが救出に向かう……のですが。
ウイスによって便宜を図られ、皆の下に辿り着けたのはデンデのみ。途中でモロが張ったバリアに阻まれ、クリリンは蚊帳の外になってしまいました。
その後、本編でも何のフォローも無しというのはさすがにあんまりなんじゃありませんかねえ……クリリン、一体何のために登場したんです? 余計な描写過ぎないですか?
あ、でもモロ編はまだ途中ですし、ここから思わぬタイミングでクリリン到着に意味が出てくるとしたら、結構おいしいですね。こういうかたちの伏線の巻き方、わたし好みです。
そして、満を持してメルス登場です。
・メルスの覚悟
天使は修行目的以外で戦闘を行うと消えてしまう。
だからこそメルスはこれまで、天使としての自分の力を使わず、武器や道具を使っての立ち回りに徹していました。ですがモロのコピー能力を封じるため、消滅覚悟で天使の力を使い始めました。
消えた天使がどうなるのか、そもそも天使はどうやって生まれるのか、という辺りがはっきりしていない以上、彼の消滅が物語上でどういう扱いになるのかはまだ分かりません。彼の消滅により別の天使が生まれたりするんでしょうか。それとも消滅はドラゴンボールで無かった事になるんですかね。普通のドラゴンボールでは不可能でも、超ドラゴンボールならいける気がしますが……
天使が他の生物と同様の成り立ちなら、どうしてあんなに強いんでしょう。その強さの理由によっては、今後天使の力を利用して強くなる悪役なんかも出てきちゃうんでしょうか。いろいろと話の幅が広がりそうな設定ですね。
さて、メルスの消滅に悟空、何か思うところがあったようです。戦況に変化が訪れそうですが……
とりあえずビルス様、無能。
どうしてビルス様は保身でしか動かないんでしょうか。モロの事も「自分の代わりに星を破壊してくれる存在」みたいな捉え方していますし、破壊神ってそういう自然災害みたいな存在じゃないでしょうに。サボってばっかだからレベルの低い宇宙だとか言われて宇宙サバイバルに巻き込まれたというのに、反省の色が全く無いの、どういう設定なんでしょうね。面倒な舞台装置もあったものです。
・銀河パトロール孫悟空
身勝手の極意を制御するには、感情のコントロールが必須なようです。
……このシステム、やっぱサイヤ人に向いてないんじゃないですか? 超サイヤ人の発現条件と真逆ですし、スキルツリーが完全に別物の気がしてならないです。いや、そんな事言ったってしょうがないですけどね。
でも悟空は感情をきっちり制御しました。ある程度は自らの意思で抑えたようですが、決め手はジャコとの会話でしょう。ジャコのような小狡い、いい加減な隊員でも、銀河パトロールとしての志は崇高で、そこにメルスの意思を見出した悟空。その崇高さに触れ、何かを悟ったように冷静になれたのでしょう。
そしてついに、悟空が身勝手の極意を完全に会得します。銀髪がちょっとかっこいいですね。
そういえば身勝手の極意を使っている間の悟空が銀髪になるのって、一体どういう理屈なんですかね? ウイスやメルスが身勝手の極意を使ってそうなタイミングでも別に変化は……
あ、あの人達みんな元々銀髪でしたね……
やっぱ何でもないです。考えるだけ無駄な気がしてきました。サイヤ人は髪の色が変わりやすい体質だ、みたいな考察でいいんでしょうね。
さて身勝手の極意を使った悟空、圧倒的な立ち回りでモロを追い詰めます。なんだか身勝手の極意の最中は、戦闘力も向上しているように見えます。殴っても蹴ってもびくともしなかったモロが簡単にやられてしまいました。
そんなモロの命乞いに、銀河パトロールのマークが入った服を脱ぎ捨てる悟空。嫌な予感がすると口にするビルス様……余計な事言わないで下さい。
ビルス様が変なフラグを立てるから、不穏な雰囲気になってしまいました。責任取って戦ってほしいところです。
総評
やっぱり戦闘描写は卓越しています。戦闘の多いこの巻、見どころは満載でした。
モロ編、まだ続くようですね。本誌ではもう完結したとの噂も聞きますが、どう〆るのでしょう。ちょっとだけ楽しみです。
14巻の満足度:67/100