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感想「ドラゴンボール超 15巻」

今月2日、「ドラゴンボール超」最新刊が発売されました。

ちょっとだけ語ります。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

・前巻の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

・地球人 孫悟空

前巻でこのまま何も出来ずにフェードアウトしそうなクリリンに再びスポットが当たったのは個人的に良かったです。どういうかたちであれ。

さて悟空、駆け付けたクリリンから仙豆を勝手に掠め取ってモロに与えます。セルの時と同じムーブですが……なかなかに身勝手で笑えます。あの時とは状況が違うとはいえ、詰めの甘さが原因で何度もしてやられた相手に対してこの後に及んで情けを掛けるというのは、身勝手を会得した事による慢心が成せる業でしょうか。

というかセルの時と違って、ここでモロの体力を回復させる意味は全くありません。刑務所送りにするという相手の体力なんて全快だろうが瀕死だろうが関係ありませんしね。

そもそもことこの期に及んでは、モロを刑務所に戻すという選択などあってないようなものです。これまでモロが甘んじて刑務所内にいたのは、魔力が封印されていたからであって、いくら痛めつけていたとしても魔力が健在である今、銀河パトロールにモロを拘束する力は無いのですから。

モロより強い悟空の存在も、数百万年も生きているモロにとっては何の抑止力にもなりません。サイヤ人の寿命についてはっきりとした事は分かりませんが、モロより長寿という事はまずないでしょうし。

もしかすると悟空は、裏切られるのを承知で情けを与えたのでしょうか。追い詰められたモロがさらなる力を会得して、もう一度互角の戦いをしてみたい……とか。

いや、そんなわけないんですけどね。モロの説得をする悟空の表情がそれを物語っています。でもそんな邪推をしてしまいたくなるくらい、ここの悟空は身勝手だと思いました。

でもその慢心も分からないでもないです。セルの時と違って、悟空は自らの力でモロをはるかに上回っています。少々エネルギーを吸収されたところでその力関係は逆転しない……そういう確信があったのでしょう。

しかしメルスのコピーで状況が一転します。あの時メルスがモロの魔力を封じたみたいな感じになっていたので勘違いしていましたが、コピーそのものは成功していたようです。

結論、モロは天使の力を使いこなせず自滅してしまったわけですが……ここまでの一連の流れにおいて、悟空が非常に落ち着いていたのが印象的でした。これまで慢心→敵の思わぬパワーアップという流れは何度もあり、悟空はその度に狼狽えていた印象でしたが……今回の様子はまるでモロの自滅が初めから分かっていたかのようでした。

こういう悟空のある種悟ったような態度は、フリーザ編におけるナメック星到着時やセル編におけるセルとの初顔合わせの際にも見られました。

同じく神の気である「超サイヤ人ゴッド」や「ブルー」の力を吸収してもモロの身体に異変は起こりませんでしたが……天使の力はそこからさらに逸脱した何かがあるのでしょうか。あるいは単なるキャパシティーオーバーというだけかもしれませんが……いずれにしてもモロの身体は限界のようです。

しかし地球と同化する事で、その限界を突破しようとしました。

なんだか「YAIBA」を想起させるような状況ですが……

・星喰いのモロ

どうやら地球と同化したところで、天使の力は抑え込められなかったようです。

まあそれはそうですよね。星を喰って力に変えているモロが、今更星一つと同化したところで劇的な変化が起こるとは思えません。延命目的の苦肉の策といったところでしょう。こういう展開、好きです。

あと冒頭のベジータのセリフ、好きです。「『また』しくじった」と言う辺り、なかなか皮肉が効いています。

さて、銀河を巻き込んで自爆しようとするモロに対し、遂に破壊神のビルス様が動き……

ません。

ビルス様、無能。

毎巻同じような事を言っているような気がしますが、何回だって言います。なまじ何かしそうな雰囲気を見せただけに、一層無能さが際立ちます。これから先、ビルス様の株が上がる展開は果たして訪れるのでしょうか。

まあビルス様の事は置いておいて、ここから先の展開は王道をなぞっていて面白かったです。

ベジータの強制分離で悟空をサポートし、仲間の力で再度変身という流れ。加えて一度は失敗して「みんなすまねぇ」するという、もはや本編のオマージュなのか超のセルフオマージュなのか分からない鉄板ネタ。

そして最終的にウーブの神の力で再び身勝手になって勝利……と、納得のいく決着方法でした。

そこに至るまでの演出は、原作では見られないとよたろう先生独特のものでした。思えば原作は見開きが全然ありませんでしたね。それも相まって、新鮮なシーンでした。

・大団円 そして…

モロを倒した後は、間髪入れずに次の章です。テンポが良くて嬉しいですね。

モロとの戦いの前座として登場したセブンスリーが、量産機である事が判明しました。そしてピッコロや御飯、モロといった戦士の力を吸収し強化されたそのデータがコピーされ、他の量産機にも反映されてしまったようです。

さらっとやっていますが、何気にメタルクウラ並みの絶望じゃないでしょうか。

しかし新登場の「グラノラ」は、あっさり量産機を倒してしまいました。という事はこの新キャラ、滅茶苦茶強いんじゃないでしょうか。その強さのバックボーンに説明を求めたくなるレベルです。

っていうか下手するとこいつ、既にゴールデンフリーザより強いんじゃないですか?

・生残者グラノラ

どうやらグラノラは、かつてサイヤ人に故郷を滅ぼされたようです。

よってサイヤ人を使役していたフリーザに恨みを持っているというわけですね。

この場合悟空やベジータもサイヤ人なので、そちらに牙が剥く可能性もありますが……ブロリーみたいなものだと思うと分かりやすいですね。

さらに新勢力として登場した四人兄弟の一人は、現時点でグラノラよりも強いみたいです。

……

もはやパワーバランスがわけわかんないですね。

とりあえず指標となるセブンスリーが御飯やモロの力をそのままコピーしているので、少なくともご飯より強いという事ですが……

それよりも強いグラノラは、現在のフリーザはともかくとして、修行前のフリーザよりは絶対に強いですよね。

もっと前から遡って事実関係を正すと、以前のフリーザよりも強い人物が第七宇宙にゴロゴロいるような計算です。よくこれで宇宙の帝王と名乗れたものです。界王神の存在を加味すると、そもそも原作時点でもそうなのですが。長期連載におけるインフレの弊害ですね。これは仕方が無いです。

さて予言魚が第七宇宙最強の戦士の誕生を予言しましたが……流れからするとグラノラの事でしょう。

セブンスリーの存在さえ加味しなければ鼻で笑うレベルの話ですが……そう考えるとなるほど面白い演出だと思いました。

総評

新章、面白そうです。

ここからフリーザも交えてどういう風に話が転がっていくか楽しみです。

15巻の満足度:62/100

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