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レビュー「ポケットモンスター"ブリリアントダイヤモンド"」

11月19日、ポケモン最新作"ブリリアントダイヤモンド"および"シャイニングパール"が発売されました。

発売からはや半月。図鑑コンプとまではいかないまでも、サブアカで楽しむ程度にはやりこんだので、レビューをしようと思います。

ゲームタイトル自体は有名すぎて語るまでもないとは存じますが、だからこそ詳細に語ります。

ちなみにわたしがプレイしたのはブリリアントダイヤモンド(以下BD)です。シャイニングパール(以下SP)との違いはパッケージの伝説含む一部出現ポケモンくらいで、ストーリーに違いはありません。購入するなら好きな方を選びましょう。ガチ勢は両方買いましょう。

・大まかな紹介

ハード   :Nintendo Switch

販売元   :株式会社ポケモン

ジャンル  :RPG

シリーズ  :ポケットモンスターシリーズ

立ち位置としては、ナンバリング第4作品、DS版"ダイヤモンド・パール"のリメイクという事になります。大まかなストーリーは公式サイトをご参照ください。

さて、それでは次項からゲームの内容について語っていきたいと思います。。

・原作との相違点

リメイク版なので、大筋は当然原作"ダイヤモンド・パール"と同様ですが、いくつか変更点があります。それを箇条書きにして以下に示します。

1.主人公の着せ替え

"XY"辺りからはおなじみですが、BD・SPでもその機能が実装されています。

元々ダイヤモンド・パールの主人公といえばこんな格好↓でしたが……

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服を購入し着替える事でこんな格好↓にもなれちゃいます。

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これは原作版には無かった機能です。もちろん立ち絵だけではなくフィールド上のアバターの姿も変化します。なかなか新鮮で楽しいです。

ちなみに主人公は男の子と女の子を選択でき、服装も性別で種類が変わります。画像は男の子のものですが、個人的に女の子の服装も可愛くて良いと思いました。

十分魅力的ではありますが、敢えて不満な点を挙げるなら、パーツごとの着せ替えができないというくらいでしょう。"XY"や"サン・ムーン"よりも"ピカブイ"準拠といった感じで、例えば「いつものスタイル」のマフラーだけを他のスタイルと組み合わせる事ができないという事です。そこだけは残念です。

しかしそもそも着せ替えのバリエーションそのものが、通常プレイで手に入るものだけでも10種類近くあるので、十分すぎるくらいではあります。

あ、ちなみに今なら「早期購入特典」として、原作"ダイヤモンド・パール"のマイナーチェンジ版、"プラチナ"バージョンの服装を貰えます。

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暖かそうですね。北海道モチーフの舞台なので、主人公には暖かい格好をさせたいものです。

この特典は2022年2月21日までだそうです。課金要素というわけでもないので、嬉しいですね。

2.手持ちポケモンの連れ歩き

このゲームで手持ちポケモンとは、すなわち相棒。旅路を共にする仲間であり友人であり、主人公の次に感情移入する事になるであろうメインコンテンツ。

そんな彼らは通常ボールの中に入っていて基本的にはバトルの時しか出てきてくれないのですが……

なんと今作、フィールド上で手持ちポケモンのうちの一体を自由に連れ歩く事ができます。

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振り返って話しかけるとリアクションも取ってくれます。画像はわたしの相棒です。可愛すぎませんか?

見ての通り、わたしが連れ歩いているのはジラーチです。ジラーチはシンオウ地方のポケモンではないどころか、野生で出てくる事の無い幻のポケモンです。そんなポケモンすらもこうして連れ歩きができているという事は、どういう事か分かりますでしょうか。

このいみがわかるか?

……わかった!おしえてやる!

つまりBD・SPではデータが存在する493匹のポケモン全てを連れ歩く事が可能って事だよ!

ついグリーンが出てしまいましたが、つまりはそういう事です。

ディアルガだろうがホエルオーだろうが、誰でも連れ歩けます。大好きなポケモンを各々自由に連れ歩いて楽しみましょう。

3.ハマナスパークの追加

原作版"ダイヤモンド・パール"では、前作である"ルビー・サファイア"からポケモンを連れてくる「パルパーク」という施設がありました。

ちなみに方法はDSによるダブルスロットでした。3DSやDSLL、DSiでは不可能で、DSLiteもしくは初代DSのみでしか行えない太古の技術です。当然リメイク版ではそのような事はできません。まあ"ポケモンバンク"や"ポケモンホーム"を駆使すれば本当に"ルビー・サファイア"から連れてくる事は可能といえば可能ですが(小声)。

ともあれ、今作ではパルパークはありません。その代わり、新たに「ハマナスパーク」という施設が登場します。

地形はパルパークと同様で、そこかしこに遺跡があります。

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遺跡の中で特定のアイテムを使用する事で……

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なんと過去パッケージの伝説ポケモンに会えるのです!

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当然バトルも捕獲も可能です。

過去パッケージの伝説ポケモンを捕獲できるというのは、"オメガルビー・アルファサファイア"以降の"サン・ムーン"、"ピカブイ"を除く全てのバージョンで可能なので特別感という意味では薄いかもしれませんが、やっぱり伝説ポケモンがたくさんでてくるのは豪華でよいですね。

さて、ここまでは新要素のお話です。他にもいろいろ細かい点はあるのですが、それはこれ以降に語る事にしましょう。

・評価点

次に語るのは評価点です。

つまりこのゲームの良かった点です。

既に新要素の部分でいくつか触れていますが、良かった要素はたくさんあります。この項ではそのうち三つほど挙げる事にします。

1.地下通路にポケモンが登場する

地下通路そのものは原作"ダイヤモンド・パール"にも登場したので新要素とは違いますが、その仕様が大きく変わっています。

地下に潜って壁を掘り、お宝を探す場所というのは変わりません。ただし原作はDS黎明期だったためローカル通信のみでの遊び方しかなかったのに対し、今作ではWi-Fiによりインターネット接続で遠く離れた相手と通信しながら遊べるという点は非常に大きいですが。

それより何より変わったのは、地下にポケモンが登場するという事です。

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見てください、これ。

地下通路ですよ。

チルットとガバイトとビッパがいますね。見ての通り、シンオウ地方の地下には地上に登場しないポケモンが登場するのです。

つまり原作には登場しなかったポケモンとも出会えるという事です。

そしてあわよくば連れ歩く事だってできます。最高ですね。

しかも出てくるポケモンのバリエーションは大変に多いです。ヨーギラスやダンバルといったレアポケモン、ヘルガーやサマヨールといった進化済みの強いポケモン、果てはヒノアラシやミズゴロウといった野生で出てこない通称御三家ポケモンさえも登場します。

シンオウの地下は魔境ですねえ。

2.ジムリーダーとの再戦

今作、ストーリークリア後にはジムリーダーの面々と再戦できます。

"ハートゴールド・ソウルシルバー"で登場したジムリーダーとの再戦、当然再戦時にはクリアレベル以上のポケモンを使ってきて、ストーリー中では弱かった相手との歯ごたえのある戦いができます。だてにジムリーダーを名乗っていないというのがよく分かって楽しいです。

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画像はノモセジムのマキシさんことマキシマム仮面。ニョロトノを出してくるとは恐れ入ります。

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ギャラドスも出します。相手のレベルを見ればお分かりでしょうが、こちらがレベルを上げてのごり押し戦法は難しいです。

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最後の一匹にはカットインも。マキシマム仮面、かっこいい!

あ、ちなみにわたしは別にマキシさんのファンというわけではありません。単に撮影しやすいジムリーダーだったので選出したまでです。

そういえばにこのマキシさんと再戦する際、もう一回ジムの仕掛けを解きに行くのは結構面倒でした。どうせ道中のジムトレーナーは相手してくれませんし、こちとらチャンピオンなんですから、出入口でお出迎えしてほしいものです。

そういう意味で再戦が楽なのはヒョウタくんとナタネさんでした。"ハートゴールド・ソウルシルバー"の時みたく、こちらから呼び出す方式なら楽でいいんですけどね。

ただしその面倒に時間を割いてでもジムリーダー達と再戦する価値はあります。キャラが好きなら尚更です。

3.魅力的な特典

これは若干好みに依った評価点かもしれませんが……特典が魅力的なのです。

まずは早期購入特典。

着せ替えの項でもちょっと触れましたが、2021年2月21日までに受け取れる特典があります。それがプラチナスタイルの衣装と、マナフィの卵です。

もう一度言います。

マナフィの卵です。

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幻のポケモン、マナフィが貰えちゃうんです。画像はわたしの旅パマナフィ。可愛いですよね。

本来マナフィは映画特典や"ポケモンレンジャー"との連動でしか手に入らない幻のポケモンです。それが早期購入するだけで手に入るなんてお得ですよね。

そして連動特典。

プレイするswitch内に"ピカブイ"のデータがあると、ミュウを貰えます。

もう一度言います。

ミュウです。

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初代幻ポケモン、ミュウが貰えちゃうんです! 画像はわたしの旅パのミュウ。すごく可愛いですよね。

ミュウはあらゆる技マシンを使う事が出来るオールマイティーな幻ポケモンです。旅パ、ガチパ、両刀変態なんでもござれの強ポケ、それが"ピカブイ"を買っているだけで貰えるなんて、お得ですよね。

そしてもう一つの連動得点。

プレイするswitch内に"ソード・シールド"のデータがあると、ジラーチが貰えます。

何度でも言います。

ジラーチが貰えるんですよ!!!!

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この歴代さいかわポケモン、ジラーチが貰えちゃうんです!!!!! 画像はわたしの旅パのジラーチ。五体投地したくなるほどかわいいですよね。

ジラーチははがね・エスパーという優秀なタイプの幻ポケモンです。特性の"てんのめぐみ"で追加効果の確率二倍なので、アイアンヘッドやしねんのずつきで延々怯ませるもよし、ねんりきで混乱させまくるのもよし、非常に頼れるポケモンです。それが"ソード・シールド"をプレイするだけで貰えるなんて、感涙モノですよね。

まあ多少言い過ぎかもしれませんが、これらの特典は非常に魅力的です。ポケモン好きなら連動特典も自然と貰える事があるでしょうし、お得ですね。

さて、ここまで全て評価点でしたが、褒めるだけのレビューは信用ならないもの。きちんと否定的な意見も書きます。

・賛否両論点

好みや裁量が分かれる点を挙げます。いろんな人がプレイするわけですし、ここはひとついろんな視点から賛否両論な点を探し、その結果見つかった3つの項を挙げる事にします。

1.四天王が強すぎる

文字通りです。今作、四天王が非常に強いです。

繰り出してくるポケモンの種類とレベルは原作版と相違ありません。ただし技構成がえげつないです。

元々、四天王に限らず今作のトレーナーは原作よりもAIが賢く、搦め手を多用してくる傾向が強いのですが、四天王は凶悪度が段違いです。弱点を突かれる対策にサブウエポンを搭載しているのは当たり前、特性や持たせるアイテムをフル活用して攻撃力や耐久力を底上げし、補助技でステータスを上げ続けるいわゆる積み戦法、果てはステルスロック+ふきとばし等のテクニカルなコンボまで使ってくる徹底っぷり。

しかも使っているポケモンの個体や努力値(熟練度みたいなもの)もかなり高めに設定されているのか、レベル以上に強さを感じます。

ましてチャンピオンは……それはもう鬼のように強いです。わたしも画像を撮っていないのが残念なくらい苦戦しました。

なお、今作は原作版と異なり、経験値にレベル補正が掛かります。簡単に言うとレベルが高いポケモンほど貰える経験値が低く、レベルが低いポケモンほど貰える経験値が高くなるシステムです。

つまりレベルでのごり押しが効きづらいという事です。

もちろんその分歯ごたえがある戦闘が楽しめるという事でもあります。事実、四天王戦は非常に面白く、手に汗を握る戦いになりました。やっぱりリーグ制覇なんて偉業を達成するくらいですし、苦戦するくらいが丁度いいんですよね。それでこそ、勝った時の喜びもひとしおというもの。

ただしそれは、ポケモンシリーズ常連だから言える事かもしれません。

四天王達はそれまでの冒険で見た事無いようなポケモンばかり使います。普通の新規参入プレイヤーは、相手ポケモンの特性や能力値の傾向はおろか、タイプ相性すらも把握しきれないでしょう。そういう層には少し厳しすぎる難易度なのではないかと思いました。

2.原作に近いゲームグラフィック

今作のフィールド上でのグラフィックは、かなり原作寄りになっています。もちろん無理にグラフィックをリアル寄りにする必要は全く無いのですが、15年前の2Dゲームに寄せてしまうと、どうしても"ソード・シールド"とのギャップを感じずにはいられません。

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上はBD・SP。原作の雰囲気がよく出ています。

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上は"ソード・シールド"。純粋なグラフィックの満足度はこっちの方が高めですかね。

一番気になるのは主人公の等身です。原作はドット絵だったので気になりませんでしたが、二等身で頭が大きすぎるので、違和感が強いです。これはこれで可愛いですし、慣れれば大して気になりませんでしたが……もうちょっと等身が高かったら嬉しかったです。

3.がくしゅうそうちの撤廃

ポケモンシリーズではおなじみのアイテムとして、「がくしゅうそうち」というものがあります。所持していたりポケモンに持たせていたりすると、戦闘に出ていなくても経験値を与える事ができる物です。

原作版"ダイヤモンド・パール"には持たせる方式のがくしゅうそうちがありましたが、今作にはありません。

ではどうなっているのかというと、がくしゅうそうち無しで手持ちのポケモン全員に勝手に経験値が入るシステムとなっています。

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こんな感じです。戦ったのはジラーチだけですが、手持ちのミュウとマナフィにも経験値が入っています。これはジラーチの経験値が分配されているわけではないので、ジラーチは全く損をしていません。

経験値が入ったら、ポケモンは強くなります。このシステムにより、手持ちのポケモンがパワーインフレに飲み込まれる事が無くなるので、育成難易度がかなり易しい仕様となっています。

しかしこの仕様、特殊なプレイをしている時はちょっと困ります。

別に卑猥な意味ではなく、例えば「レベル縛り」みたいな事をしている時に控えのレベルが上がっちゃうという意味です。

他にも努力値も経験値と一緒に分配されてしまうので、尖った性能のポケモンを育成する時は多少面倒だったりします。

あと、特殊な条件下での戦闘とかもですね。例えばレジギガスとの戦闘の場合、戦闘を行う条件が「レジアイス・レジロック・レジスチルの三体を手持ちに入れる事」というものであるため、その場合レジアイス・レジロック・レジスチルの三体は戦闘に参加しようがしまいが、努力値を得る事になってしまうのです。相手ポケモンを捕まえても経験値・努力値は入るのでなかなかに厄介です。一応ひんしのポケモンには経験値・努力値は入らないという救済措置はあるのですが、面倒です。

まあかなり特殊なケースを挙げているので、多少極端な意見かもしれません。ただ原作通りのシステムだったらこの辺は楽だったとは思います。

もっとも、このシステムは最新作"ソード・シールド"辺りと同様なので、今作だけの話ではありませんが。

さて、賛否両論な点はこのくらいです。次はいよいよヘイトを溜めそうな項です。先にお詫びしておきます。

・問題点

この項では、問題だと感じた点を三つほど語ります。

良くなかった点を挙げるので、多少口が悪くなる事をお許しください。

1.バグが多い

このゲームはバグが多い事で有名です。

バグと一口に言ってもいくつか種類があると思うので、ここでは大きく三つに大別してみたいと思います。

①無害かつ無意味なバグ

ゲームシステム上あり得ない挙動をするが、別にゲーム進行に支障は無く、プレイヤーの利益にもならないようなささやかなバグとかありますよね。

例えば、原作"ダイヤモンド・パール"でナギサシティを疾走していると、時々NPCのおばさんが近くの柵にめり込んでしまう事がありました。

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リメイク版で言うところの、この人。この人が右の柵に重なっちゃうというバグでした。もちろんこのおばさんが柵に重なっても、何一ついい事はありません。絵面が面白いだけです。

こういうバグは面白いですよね。わたしは好きです。

②やや有害かつ有益なバグ

ゲーム上あり得ない事が起こるが、そのあり得ない事がプレイヤーにとって有益に働くバグとかありますよね。

具体的には、原作版"ダイヤモンド・パール"で言う「なぞのばしょ」を利用した座標ずらしとか。四天王の部屋の壁になみのりを使うと壁を貫通して真っ暗な空間に出られ、そこから通常プレイでは行く事が出来ない「しんげつじま」や「うみわれのみち」に行き、ダークライやシェイミと戦う事ができるというものでした。

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リメイク版で言うとここ。入室して早々壁になみのりをして消えていく挑戦者を目の当たりにして、リョウさんは何を思うのか。

ちなみにこの座標移動、失敗すると真っ暗な空間に閉じ込められてしまいます。その状態では「そらをとぶ」も「あなぬけのヒモ」も使えないので、万事休すです。そういう意味では危険極まりないですが、通常プレイをしているうちはここに来る事は無いので、それほど理不尽ではありません。

理不尽なのはこの次。

③有害かつ無意味なバグ

これが最悪です。

通常プレイの最中突然起こり、ゲームの進行そのものが不可能になってしまう類のもの。

初代ポケモンを例に挙げると、とある場所でレポートを書いた時、たまたまNPCと障害物の間に挟まれていた場合、再開後NPCが一切動かなくなり、主人公も動けなくなってしまうという恐ろしいバグがあったそうです。

画像が無いのでイメージしづらいかもしれませんが……通称「ハマり」と呼ばれる詰み現象です。こうなるともうデータを消してやり直すしかありません。

こればっかりは擁護のしようもない、最悪のバグです。

さて、これら三つのバグのうち、"BD・SP"ではどのバグが起こるのかというと……

全部だそうです。

面白いバグも、有用なバグも、進行不能となり得るバグも、全て存在するそうです。

幸いわたしはプレイ中いずれのバグにも出会う事はありませんでしたので具体例を挙げる事はできないのですが、ちょっと調べるだけで山のようなバグ報告が見つかります。所詮ネットの情報なので全てを鵜呑みにすべきではないとは思っていますが、進行不能バグがあるという情報が蔓延しているだけで、問題点として挙げるに足る事でしょう。「わたしは大丈夫だったので問題ありません」とはなりません。とにかくレポートは周囲の安全を確保した上で行うようにしましょう。

なお、12/2にバグの修正に関するアップデートがあったらしく、以前ほどの危険は無いそうです。

2.ポケッチの使い勝手の悪さ

今作、フィールド上では架空のアプリ「ポケッチ」を使う事が出来るのですが……操作性が非常に悪いです。

元々原作版はDSだったため、画面が二つありました。なので上画面はフィールド、下画面は常にポケッチの画面を映しており、下画面のポケッチはタッチ機能で直接操作できたので操作性が非常に良かったのです。

が、リメイク版のswitchは一画面だけなので、こうなります。

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まずフィールド上。ここでRボタンを押すと、

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右上にポケッチの画面が表示されます。ただしこのままでは操作できず、もう一度Rを押す事でポケッチの画面が拡大され、操作可能になります。

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操作は画像上の白い指のカーソルを方向キーで動かし、Aボタンで行えます。アプリの切り替えは右の赤いボタンを押すとできます。

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もう一度Rボタンを押すと、ポケッチが再び右上に。この状態からRを長押しする事で、ポケッチの画面が消えます。再び呼び出すにはもう一度Rを押す必要が。

……とまあこんな感じです。

説明を聞く限り「悪くないじゃん」と思われるかもしれませんが……そうでもありません。

まずこの右上の画面、めっちゃ小さいです。デジタル時計を表示している時くらいはまだ良いのですが、マーキングマップなどはほとんど見えません。点滅しているのが野生ポケモンなのか自分なのかすら怪しくなるくらいです。

なのでしっかり画面を見るためにはもう一度Rを押して拡大しなければならないのですが……ここでも一つ問題が。ポケッチ画面を拡大中、主人公は動く事が出来ません。カーソルがタッチではなく方向キーになった弊害で、ポケッチを操作する時はいちいち立ち止まらなければならなくなったのです。

さらに言うと右上の小さいポケッチ画面、意外と邪魔です。画面の10%も満たない程度のサイズですが、この四角にトレーナーが隠れていると結構面倒だったりするので、基本的に消しておきたいオブジェクトとなってしまっています。常時見えるのが強みだったポケッチを常時閉じておく事になると、非常に味気ないですね。

あとカーソルの動きが妙に遅いのもイラっとします。せっかくゲームの処理速度は速いのですから、ここもきびきび動いてほしいものです。

……とはいえ、これは仕方のない事でもあるでしょう。元々ポケッチは二画面が前提の機能だったのでしょうから、無理に一画面で表現するとなるとインターフェースが劣るのもやむなしと言えましょう。

3.原作に忠実すぎる

リメイクゲーなので原作要素が強いのは良い事なのですが、原作に近すぎるとそれは単なる移植版です。今作が移植版相当とまでは言いませんが、良くも悪くも原作に忠実すぎて、真新しさに欠けます。せっかくのリメイクなので、もっと新しいイベントや追加ストーリーなんかがあってもいいじゃないですか。

例えば"ハートゴールド・ソウルシルバー"では、原作版の"金・銀"のストーリーをなぞりつつ、サブイベントがたくさん追加されています。横暴な悪人のライバルが旅を通じて改心してウツギ博士の下に盗んだポケモンを返すイベントがあったり、セレビィと一緒に特定の場所に行くとストーリー中には語られなかった裏エピソードが展開されたりと、盛り沢山です。

原作同様のストーリーでも、例えばラジオ塔襲撃時にはロケット団の恰好になれたりと、原作になかった小ネタを随所に挟んできてくれした。

しかし今作ではそういうのが無く、ただただ原作に忠実な作りとなっていました。追加エピソードが嬉しい施設はたくさんあるのですが……

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ご存じホラー施設、もりのようかん。せっかく意味深な幽霊が出てくるのに、ロトムだけの施設というのはもったいないです。

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ヨスガシティの教会。BGMは無く異様な雰囲気の割にストーリーに何一つ絡まない謎施設。

こういうところを拾ってくれたら嬉しかったです。

また、"ダイヤモンド・パール"であまり良くなかったイベントがマイナーチェンジ版"プラチナ"で改善された点が今回のリメイクで元に戻っているところも気になりました。

代表的なのはコトブキシティでのギンガ団との戦闘イベント。クロガネでジムバッヂを得た後にここを訪れた時、ナナカマド博士がギンガ団に絡まれている場面に遭遇します。

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この辺だったと思います。ここでのナナカマド博士の言動が大事。

"ダイヤモンド・パール"では、意味不明な事を口走るギンガ団に戸惑っているところに主人公が通りかかったのを見て、「ちょうどいい、困っているから助けてくれ」という旨の事を言ってきます。子どもの威を借る大人という構図がちょっと情けないシーンでした。

しかし"プラチナ"では難癖をつけてくるギンガ団を一喝し、彼らの難癖なんて何でもないかのように振舞って主人公に話しかけ、バッヂを手にした事を褒めてくれます。ギンガ団という変態集団を相手に泰然とした態度を崩さない余裕さと、主人公の成長を見守る大人としての温かさを感じる、個人的な名シーンに変わりました。

この良改変は、リメイク版で"ダイヤモンド・パール"準拠になったために無くなってしまいました。元に戻す意味が無いであろうシーンだっただけに残念でした。中には"ダイヤモンド・パール"版の方が好きだったという方もいるでしょうし、その辺は好みの問題かもしれませんが。

でも原作通りという点が多すぎるのは、やはり問題点だとかんじました。

総評

ストーリーやイベントは良くも悪くも原作通りでやや肩透かしではありましたが、ゲームの難易度向上や魅力的な新要素のおかげで歯ごたえのある面白いゲームだと感じられました。

バグに遭わなかったのは幸いでした。でもアップデートもあるでしょうから、このいずれ問題は無くなる事でしょう。その辺も含めて、現在はもうオススメできるゲームです。


私的満足度:80/100、オススメ度:72/100

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