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マルク・シャガール 「結婚」

マルク・シャガール展を観てきました。

寓話『ダフニスとクロエ』の挿絵をメインに
20色以上を使っているリトグラフは圧巻で
「美しいの一語に尽きる」という感じでした。

エーゲ海の牧歌的な雰囲気と
シャガールの絵にフワリと浸っていると
日常の喧騒を離れて、心はやわらかく宙を舞い
ひとも動物も等しく
「ただ生きる」という姿が
まるで天使のように崇高なものに思えてきます。

色彩の魔術師、シャガールの眼球のレンズに
この世はいったいどんなふうに映っていたのでしょうか。

わたしが特に好きなのは
「牧場の春」という絵です。
シャガールは動物の描き方も独特のタッチで
馬の顔なども、とても可愛い。
そこに、あの色彩がのりますので
寓話にピッタリの世界観だなぁ、とあらためて感じました。

「結婚」という作品も、愛情あふれる絵でした。
ベッドの上に恋人たちが寝ていて
その部屋の扉の向こう側には
結婚のお祝いに駆け付けた村人たちが並んでいます。

無意識のうちに
わたしの心の中にあるルールや常識が
ふいに解き放たれて
風に吹かれてただ大地に立っているような気持ちになりました。
「自由ってこんな香りなのかしら?」
と感じるような
素敵な作品をいっぱい見てきました。


恥ずかしながら
『ダフニスとクロエ』はまだ読んだことがなく
こんど図書館で借りてみようと思っています。

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