ピーナッツ
わたしは千葉県の生まれで
子どもの頃はオヤツにピーナッツをよく食べていた。
シングルマザーの家庭で育ったこともあって
常に節約をしていたので
ピーナッツは安価で美味しいオヤツだった。
当時、わたしの住んでいた地域では
ピーナツは、お米の袋のようなガサガサした分厚い紙袋に
5㎏とか3㎏とか、殻付きでたっぷり入ったものを売っていた。
農家の人が、道にゴザを広げて売っていたような気もするし
母がどこかから買ってきたような気もするし
あんまり覚えていない。
ただ、廊下の一番涼しい場所にそのピーナッツの大袋が置いてあり
通るたびに手を突っ込んで
殻を割って、ポリポリ食べていた記憶がある。
殻を見るだけで
これが美味しそうだ
大きい実が入っていそうだ
なんてこともわかるようになり
良さげなものは妹に手渡したり
上手に割れると嬉しかったり、懐かしい想い出になっている。
ピーナッツもハズレると、硬かったり小さかったりするので
殻を指で押すようにして、ふたつに割って
中からコロンと大きなものが出てくると
\(^_^)/小さくガッツポーズ!という気分になる。
数年前に、東京でも紙袋に大量に入った落花生を販売している店があると知った。
たまたま通りかかった店に「千葉の落花生あります」と張り紙があった。
興味深く、懐かしく感じたものの
大きな袋に入った落花生を食べきる自信もなく
購入には至らなかった。
子どもの頃でさえ
「食べすぎると鼻血が出るよ!」
と母に注意されていたのに
今、ピーナッツを食べ過ぎたら
確実に健康診断で要検査の星印が付いてしまうような気がする。
食べる気もないくせに
殻付きのピーナッツを見ると
どうもノスタルジックな気持ちになってしまって
「買おうかな、どうしようかな」と迷ってしまう。
たまには買おうか?
当たりハズレのある、殻付きの落花生を。