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きょうの日記:紙のブックカバー

文庫本を読むときはいつも必ず布製のブックカバーを使用している。
だから、本屋さんでは「ブックカバーは結構です」と言っている。
ちなみに、わたしが一番愛用しているのは自分で作った文庫本用のブックカバーだ。

きょうは、長い電車の旅で、気分が落ち込まずにサクッと読める、ストーリーが面白い本を読みたかった。だから、伊坂幸太郎の本を買った。

今からよく考えたら、カバンの中に読みかけの本が入っていて、そこについているブックカバーを使えばよかったのだが、無意識に紙のブックカバーをかけてもらってしまった。

紙のブックカバーは思いのほか良かった。
当たり前だが、本を持っている感触が布のそれとは全く違ってとても気持ちがいい。

あと、布のブックカバーはすぐに手垢がついてしまい、手垢がついた布特有の感触になってしまうのがなんとも気持ちが悪い。

もちろんそれもなく、ずっとサラサラすべすべしてくれて嬉しい。

ブックカバーとして「サラサラすべすべ」であることが必ずしもいいとは限らない。滑りやすいということだ。
でもそれでも、読みながら本をずらすその感覚がとても新鮮で良かった。

日常的に使うものにおいて「触り心地がいい」ということの大切さを知った。私は「触り心地がいいもの」が好きな人生を送ってきたつもりだが、その感覚はだんだん失っているような気がする。


こんな時代に使い捨てのものを称賛するなんて、ちょっと違うような気もするけれど、そういう小さい幸せはちゃんと拾い集めておきたい。

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。