転生提言
今までの自分を讚称しよう
そして生まれ変わろう
己が己を産み落とすのである
以下書き殴り
人生
他人に生殺与奪の権を握られ、自身の意思なく思春期を過ごした
死に物狂いで抜け出したものの、現実社会を生きるための術など持っていなかった
生きるために身体を売って心を殺した
そんな生活に耐えられず自身で死を選んだ
為し得なかった
そこでかつての自分は死んだ
新たにこの世に生まれ落ちた
転生
・転生とは
ここでいう転生とは過去の自分を捨て、新たな人生を始めることをいう
人生
詳しい出来事は割愛する
虐待されていたので進学を許されなかった
生きる術もなかった
金もない
順当に風俗に堕ちた
金は稼げていた
生きていくこともできた
たまの贅沢もできた
心は常に死んでいた
出勤前に薬を一瓶飲み込んで、正気を失わなければ働けなかった
死んだ
家中の薬何もかもを気合で2-300錠ほど全て飲んだ
死んだ
死んで生まれ変わった
世界がすべて輝いて見えた
廻る世界に窓の結露が、陽の光が煌めいて綺麗だった
大学に行こうと思った
人生やり直そうと思った
大学受験
そこからは風俗も辞めた
夜勤の仕事と日勤を同日に入れ、毎日働き、死に物狂いで進学費用を稼いだ
300万ほど貯まったので予備校へ通った
1年我武者羅に勉強した
目標は理系学部だった
潰しの利く工学部、電気分野
仕事がなくなることもなく、強い技術者は珍重される
共通利用+一般の日程で受験した
4月、数学なんて因数分解すら危うかった
三単現のSもわからなかった
1年で数Ⅲまで極められないので物理と英語と現代文を選択した
大学進学
入学後は手を動かし、自分のできることを増やすことに尽力した
技術は裏切らない
B1から自由研究や制作を個人で行い続けた
手を動かすことによって、今まで無であった自身の価値が世界に同定されていくような感覚だった
技術に対する知識が増すほど、一朝一夕では手に入らないものに対する解像度が上がっていく
油絵を描き込む時のように、少しづつ少しづつ
もう一つ、大学で意識していたことがある
対人能力である
人は一人では生きていけない
生まれたばかりの自分を支えてくれるような存在を増やすと一気に生きやすくなる
これらを在学中に徹底することによって、就職活動はかなり楽だった
自身の経験に裏打ちされた成功や失敗談はB3の頃には掃いて棄てるほどあった
こういう話を楽しそうに生き生きと話せるように仕上げる
面接官の信用を一発で得ることができる
ここで間違ってはいけないのは、就活のために手を動かしていたわけではないということ
自身の存在を世界に同定するため、生きていていい理由を作るため、他人に認められるため、他人を助けるため
自分ができることが増えていくと助けてくれる人や助けられる人が増えていく
世界における自分の居場所を作るために手を動かしていた
〆
現実に絶望して失敗し続けている人へ
己が手で転生しよう
何も死ぬ必要はない
水面から顔を出すように、少し勇気を出して行動してみる
それだけで生まれ変われる
何かになる為に手を動かすんじゃない
手を動かすからこそ何かになれる
一歩踏み出して生きよう
終わりを体験したすべての人に幸あれ