チャンスは水玉の服を着てやってくる
イラストレーター&文筆家&漫画家の陽菜ひよ子です。
このnoteでは、今までしてきたお仕事をご紹介しています。
主な内容は、お仕事の詳細や感想、依頼されたきっかけなど。
イラストをご依頼される方にとってのサンプルとなるだけでなく、イラストレーターを目指す人が参考にできるような内容を目指しています。
今までの記事は、コチラからご覧になれます。
お仕事内容
今日ご紹介のお仕事は、ぴあ発行の有名女優さんの名古屋本の挿絵です。有名女優さんとは、私のプロフにも記載がありますが、アンパンマンの声などの声優さんとしても有名な戸田恵子さんです。
戸田さんは、名古屋市出身で愛知県親善大使でもあります。
しかし、中学生の頃から芸能活動をされていたので、あまり名古屋のことをよく知らないまま上京されてしまったのだそう。
2009年~2013年頃戸田さんは名古屋で情報番組の司会を担当しておられました。(中京テレビ「幸せの黄色い仔犬」(日本テレビ系))
ちょくちょく名古屋に通ううちに、改めて名古屋を深く知るようになり
「一度外に出た名古屋出身の女優から見た名古屋」
という切り口で描かれた本がこちら。
最初は本の中のカットイラストのみというご依頼でしたが、編集さんも戸田さんも私のイラストを気に入って下さり、表紙(カバーイラスト)にも使っていただけることになりました。
戸田さんは、この本の発売に合わせて来名されて(愛知県親善大使を務めているご縁で)愛知県知事に表敬訪問されたり、名古屋駅の星野書店でサイン会をされたりしました。
サイン会では私も控室にお邪魔して、編集さんに戸田さんをご紹介いただきました。
美しかったーーーー!
あまりに美しいので、編集さんと一緒に
「次は是非戸田さんの美容本を!」
と企画しようと考えたんですが、ご本人曰く
「本当に何もしてないのよー」
だそうで。。。ボツに(残念!)
記念写真は。。。緊張のあまり私があまりにブサイクで、載せるようなものではないので、ちっちゃな画像を。
戸田さんは、サイン会のスポンサー・スガキヤのキャラクター「スーちゃん」コスプレをされてました。なんて小顔!!
スーちゃんはこちら。
この記事のTOP画像は、スーちゃんコスプレをされた戸田さんを囲んで名古屋イラスト。このうちお城のイラストだけは本書に登場していません。
真ん中下あたりにある「クリスタル広場」は、名古屋随一の繁華街・栄の地下街にあり、名古屋有数の待ち合わせスポットとして君臨した場所。
しかしなんと、この本が出た2年半後の2016年10月末、クリスタルオブジェが撤去されてしまったのです。
昨年11月にはサカエチカが開業して50周年を迎え、約2年半の工事を終えたクリスタル広場がリニューアルオープンしました。
こうやってあったものがなくなったり、変わって行くことを思うと、本の形で残すって大切なことだなぁと思います。頑張って描いてよかったです。
お仕事をしていた頃のこと
このお仕事を受けた頃のことは、拙著にも詳しいのですが、オットが重症のアトピーで倒れてしまいました。
(言葉のアヤではなく、重症だと本当に寝込んでしまう)
私も思うようにイラストの仕事がなく、もう外に出て働くしかない!と派遣の仕事を決めた途端、仕事が入ってくるようになったのです。
会社でも残業までこなし、家でも深夜まで仕事し、家事もこなしてヘトヘトになりながら、それでも先が見えない不安の中、必死にもがいていた頃でした。
そこに届いたぴあの編集さんのメールが、私の運命を変えたと言っても過言ではありません。
そのメールの内容は「私がインスタに載せている食べ物イラストが、今度出る戸田恵子さんの名古屋本にピッタリだと感じている」「戸田さんも気に入っておられるので、ぜひお願いしたい」というものでした。
私は東京住まいの頃から、名古屋をネタに漫画を描いていて「いつか、名古屋に関する本に関わりたい」と漠然と思っていました。
同時に、食べ物のイラストが周りに評判が良かったこともあり、食べ物の仕事がもっと来ればいいのに、と歯がゆい気持ちでもいました。
「名古屋めし=名古屋ネタ+食べ物イラストが描ける!」
それは一気に夢がかなったような、本当に自分の目の前に光が差すような感覚でした。
その半年後、サイン会会場の星野書店にて。
会場から去る時、戸田さんは私の前をわざわざ通りかかって、私の手をぎゅっと握ってくださいました。「ありがとうね」という戸田さんの温かい声と手を、生涯忘れることはないでしょう。。。
イラスト料金のしくみ=使用料という考え方
さて、イラストレーターを目指している方や、まだ新人の方にはちょっと役立つかな?という話をします。
あ、一般の方でイラストレーターに仕事を頼んでみたいという方にも、できれば読んでいただきたいです(笑)
上記に書いた「カバーにイラストが使われる」ということは、イラストレーターにとってはとても名誉でうれしいことなんです。
同じイラストでも、中面と表紙とでは、扱いが全く違うからです。
私自身は当初の通り中面用にイラストを描きおろしただけですが、カバーにイラストをたくさんに使っていただいたおかげで、報酬が1.5倍くらいになったんですよ。
これは「二次使用料」と呼ばれます。
イラストは制作費ではなく「使用料」という考え方をするので、最初に請け負った用途以外に使用される場合は、別途使用料がかかるということになります。
「使用料」という考え方は、イラスト料金の基本的なとらえ方としてすごく大事なことです。どんな簡単なイラストでも使われる媒体によっては数十万や百万単位になることもあるのが、イラスト料金というものです。
逆にどんなに時間をかけて描いても、雑誌や書籍の中面やWebの小さなカットでは、そんなにたくさんの料金をもらうことはできません。
イラストを時給換算で請け負うのは非常にナンセンスであると、覚えておきましょう。