それは本当に必要か?疑うところからコストダウンははじまる
イラストレーター&インタビューライターの陽菜ひよ子です。
今回は、仕事で日常的に使っているプリンタが故障したことから考えさせられた、プリンタの必要性、さらにコスト意識の大切さについてお話します。
壊れるまでの経緯
はじめに、状況をザックリ書きます。(興味ない方は飛ばしてください)
淡いピンク(LM)を交換してモノクロの文書を印刷しようとしたら、紙が白いまま排出されました。
印刷できない?!
そこでクリーニングをしようとすると、今度は淡い水色(LC)がないのでクリーニングできないと警告。
(インクを2度変えて2回クリーニングして、3回ノズルチェックしたら、ほぼ満タンだったインクが、ほとんどなくなってしまい、泣きそうに)
3回目のノズルチェックの結果。
カラーはきれいに出るのですが、淡い水色(LC)とピンク(M)の間が空白。黒がすっぽり抜けてます。
黒が出ないから文書が印刷できないのか!と納得。
黒が印刷できない!プリンタ不調への一時的な解決策
プリンタ自体は壊れていないものの、黒が印刷できない。そこでどうしたか?
プリンタの設定で「黒がない場合、カラーインクで黒を表現する」という仕様があります。これを使って印刷しました!
これは、モノクロ文書しか印刷しないとカラーインクが余るので、救済措置としてある設定だと思います。
ただ、黒というには微妙な仕上がりです。
一応、黒?といえなくはないけど、ところどころに色が入った表になりました。
メモ程度にはいいですが、公式文書にはおすすめできないかも。
プリンタのランニングコストは高すぎる
文書印刷はこれで乗り切れましたが、実はこのあと絵本の原画展が控えています。いつもならすぐにプリンタを買いに走るのですが、ちょっと考え込んでしまったわたし。
ノズルチェックだけでインクがなくなる現実を前に、しみじみプリンタはコスパが悪いと感じました。
プリンタは本体と比較して現状のインク価格は高く、頻繁に使うユーザーにとって非常に負担が重いのです。そのため、本体価格を高く設定しインクを低価格にすることで、ヘビーユーザーの負担を軽減できるのではと思います。
上記のA4スキャナ付きプリンタ(白)は本体は2万円台、6色インクがセットで6千円くらい。
1年で少なくとも4回はインク交換するので、年間2万円以上はランニングコストがかかります。毎年のインク代で本体買えちゃうってことですね…
しかし、持ち込み営業全盛だった2010年前後には、作品ファイルを年間30冊(1,200枚)ほど印刷していたので、プリンタが5年以上持つと考えれば、十分元が取れていたのです(たぶん)。
宝の持ち腐れと化したA3ノビ
我が家には実はもう一台、同じエプソンのA3ノビサイズがあります。
こちらは本体が8万で、インクはセット(8色?)で2万くらい。
壊れてはいないものの、もう何年も使っていません。
たまにしか使わないので、毎回調整をおこなう必要があります。この調整には1回あたりインクが数千円分消費されます(涙)
このA3プリンタは、夫(写真家)が展示でA3印刷することが多かったので、購入したのです。
でも結局いざというときは、お店(画材屋さんなど)に出すんですよね。
それにこのプリンタを買った当時と比較すると、今はコンビニ印刷でもそこそこきれい。もはやこの金額をかけるなら、外に出した方が早いしきれいだよねと結論したのです。
プリンタの使用頻度が下がった理由
プリンタは、いつも動かしていれば調子がよいのですが、たまにしか使わないとノズルが詰まり、不調が増えます。
実はここ数年の我が家、プリンタを使用する頻度は下がるばかり。ヘビーユーザーとはいえないかも。たまにしか使わなくなったが故の、今回の不調、なのですよねぇ。
いつ頃からプリンタをあまり使わなくなったのか?
7~8年前から営業ツールである作品ファイルを作る機会が減り、5~6年前から年賀状を書かなくなりました。全部、Web上でおこなうようになったのです。
わたし個人でいえば、仕事がイラストから文章にシフトして、展示にもほとんど参加しなくなりました。
その結果、現在では年間100枚も印刷しないのでは?という結論に。
コンビニ・コピーショップ・アートプリントで比較、印刷のコスト
今回壊れたのを機に、印刷のコストを考えてみました。
いくつかの印刷サービスの価格を比較してみます。
意外にもコンビニよりキンコーズの方が安い!
セントラル画材は名古屋の画材屋さん。価格の違いはそのままクオリティの違いです。超本気なときはここに出したい!
プリンタを持つ持たないでコストはどう変化する?
現状我が家で何枚印刷するかをザックリ考えてみると、年間でモノクロ10枚とカラー20~40枚程度の計算に。
全部コンビニプリントに出すと、モノクロ10枚はたったの200円。カラー40枚は全部A3でも4,000円です。
年間4,200円。しかしプリンタを買うと最低年間2万円以上かかるのです。
展示の分だけアートプリント(1枚2,585円)に出すといくらになるか?
2019年の展示。A3プリント5枚とダミー2冊。
コンビニプリントだと、500円+60円×18枚×2=2,660円。
アートプリントを含めると、12,925円+60円×18枚×2=15,085円
さらにここで考えてみたのが、2008年ごろのように作品ファイル30冊(年間)をコンビニで出すと
一見元がとれていそうですが、この頃のランニングコストは2万円ではありません。月に1~2回はインク(6千円)を購入していたので、インク代だけで7~8万超。ほかにプリント本体の減価償却、紙代などを含めれば…
プリンタ、本当に必要…?
いざ展示~コンビニ印刷は通用するか?
今回の展示のA3、本当にコンビニプリントで済ませました。仕上がりが不安でしたが、自宅プリンタと比較して、悪くなかったです。
仲間に話すと「ウソ!そんな風に見えない!」と驚かれましたし、多くの方から「色がきれい」と褒められました。
なお真ん中の絵は、デジタルだとこんな感じ。
後日談~まさかのプリンタ復活?
この白いエプソン機、インクがなくなったら、プリンタとしての使用は諦めて、スキャナのみにしようと考えていたのです。
しかし、その後意外な展開が。
なんと、展示用のダミーを印刷するうちに、復活したのです。
ダミーってこれです。ちなみに左2冊は作品ファイル(ライター用とイラストレーター用)。
やっぱりたくさん印刷するほど、プリンタの調子は良くなるのですね!
でもまたしばらく使わなくなるなので、次の印刷時が心配(笑)
コスパが悪くても、常に快適に使えるなら持つ価値はありますが、調子が悪いと、時間も無駄だしストレスです。
それなら大枚はたいて持つ価値ないかなぁと。壊れてもプリンタを購入しない可能性は高いです。以前だったら、プリンタを買わない選択肢などなかったけど。
そんなわけで、長々と書きましたが、普通に購入していたものを「本当に必要か?」と疑うことは大事、という話でした!