丁寧な線がキレイな線
イラストレーター&ライターの陽菜ひよ子です。
少し前にこんな記事を書きまして、たくさんの「スキ」をいただきました。
スキだけでなく、なぜか結婚祝いにギフトカードまでいただきました。
↑この記事は婚活ネタですが、イエモン吉井さんへの愛からはじまります。その後、吉井さんの歌詞から考えた記事を書いてみたのですが、これもう少し書けそうなので続けてみます。
本日の曲は「点描のしくみ」(2012)。映画『鍵泥棒のメソッド』の主題歌です。
ざっと歌詞はこんな感じ。
丁寧な点がキレイな線
わたしはイラストの仕事で気合を入れて線を描いているときに「丁寧な線がキレイな線」と頭の中に浮かびます。で、今日この記事を書くために改めて歌詞を見て、「丁寧な点」だということに気づいたというお粗末さ。
丁寧な「点」を置いて行けば、それがつながってキレイな「線(人生)」になる、という意味合いなのだと思いますが、でもこれ、イラストを描くときにも言えてるなと。
スクールではよく「線が大事」だと言われました。線画ではなく面で絵を描く人もいますが、それでもその「切り口」は大事です。
くわしくはこの記事に書きましたが、ミッフィーで著名なオランダの絵本作家、ディック・ブルーナさんの線はまさに「丁寧な点がキレイな線」を体現しています。
一見、一本の線に見えるブルーナさんの線は、細かな点をつなぐようにして描かれているのです。実際に描くブルーナさんの動画を見ると、本当にゆっくり丁寧に描かれていて驚きます。
丁寧な線がキレイな線
さて、あながち間違いではないと考えた「丁寧な線がキレイな線」。
元の意味が「丁寧な点がキレイな線になる」という意味で、こちらは「キレイな線とは丁寧に描いた線だ」という意味になるでしょうか。
「仕事で絵を描く」というのは、本当に難しいものなのです。
絵を好きな人には共感してもらえる「あるある」のひとつが、自分でも会心の出来栄えだと思う絵は、たとえば「テストの答案用紙」や「教科書の余白」に書いた落書きだったりすること。
不思議なことに、消さなくてはいけなかったり、人に見せるだけではないものの方が「力の抜けたいい絵」になったりするのです。
仕事で絵を描くと、どうしても気負ったり緊張したりして線が硬くなります。おっかなびっくり描いた線には魅力はありません。
ここ数日話題に出ている和田誠さんは、どんな絵もだいたい1時間~1時間半くらいで仕上げたと聞いたことがあります。(時間はあやふや。2時間だったかもしれません)
A4サイズを絵具でキレイに塗りつぶすのは、結構時間がかかることを思えば、これはかなり速いスピードです。和田さんがたくさんの仕事をこなせたのも、描くスピードが速かったことは理由の一つでしょう。
そして、たくさん描くことで「手が慣れて」緊張しなくなります。慣れたからと言って雑に描いてはいけません。「丁寧に」は基本です。
わたしは線を描くとき、「丁寧な線がキレイな線」と同じくらい「たくさん描いて慣れるしかない」ともつぶやきます。
雑な線なら早く描けて当然ですが、「丁寧な線」を早く描けるようになること。それが、イラストレーターに求められるもの、なのでしょう。
鍵泥棒のメソッド
さて、この曲が主題歌となっている、内田けんじ監督の「鍵泥棒のメソッド」、大好きな映画なんです。
主演は堺雅人さんと香川照之さん。あの半沢コンビがドラマの前に共演していたとして、少し話題になったそうです。ヒロインに広末涼子さん。令和5年の今ではちょっと物議をかもすキャスティングですが、映画は本当におもしろい。
映画のエンディングで流れる吉井さんの歌声まで、ぜひお楽しみくださいませ。
追記:感想書いていました!(2021/5/10)
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