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【留学】ギャップターム、自分を見つめ直すのに最適な期間。

こんにちは!

純ジャパトロント大学生のひなです。

今回は、海外大学に進学する子がほとんど経験する「ギャップイヤー」についての記事です。

この期間は、高校生という枠組みから外れるものの大学生にもなりきれない、いわゆる“学生”ではなくなる期間。

この期間って、自分を見つめ直すのに最適な時間なんじゃないかなって思うんです。

一般的な選択肢(海外)vs 浪人、休学(日本)

日本で、「ギャップイヤー」という概念を知ってる人はまだまだ少ないと思います。

そのため、高校卒業後にすぐに大学に行かずに1年間自由に過ごしたいと言ったら、当然親に反対されるでしょうし、周りの人からは浪人していると思われることがほとんどではないでしょうか。

しかし、海外、特にアメリカなどでは、ギャップイヤーは、大学入学前や大学卒業後の選択肢の1つとして広く知られています。

ギャップイヤーとは、学生が、卒業と入学をする間に生じる、学生でない「空白」期間のこと。

例えば、高校卒業して大学入学する前や、大学卒業後の就職前に、1年間のギャップイヤーを取ったりします。

イギリスの大学では、ギャップイヤーを使って様々な経験をすることが推奨されていて、そのために入学までの期間はあえて長めに設定されているほどです。

この期間を使ってアルバイトなどで学費を稼ぐだけでなく、語学留学やボランティア活動、ワーキングホリデー、一人旅をする人も多いそうです。

もちろん、在学中にギャップイヤーを取る学生もいます。

この場合、日本で言う、休学みたいな感じになります。

最近は日本でも休学留学などが注目を集め、日本における休学に関するイメージは少しずつ改善している気がします。

しかし、休学するというと、やはり両親に止められる方も多いと思いますし、それなりの正当な理由がないと認めてもらえない気がします。

現に私の兄が休学して留学しているのですが、両親の説得にはかなり時間がかかっていました。

実際に、日本で休学する学生は全学生のうちの約2、3%とかなり少ない現状です。

一方で、海外、例えばドイツでは、全学生の4割もの人がギャップイヤーを利用していて、かなり一般的な選択肢の1つになっていることがわかります。

このように、ギャップイヤーは、日本では浪人などのネガティブなイメージを抱かれがちですが、海外では学生が様々な社会経験をするための一般的な選択肢の一つとしてポジティブに捉えられています。

大学に入る前に、一息つける期間。

日本の一般受験の場合、2、3月にかけて入試が行われますよね。

入試が終わって安堵する間もなく3月には卒業式。

そして、高校を卒業すると、4月に今度はすぐ大学の入学式。

考えてみると、すごくタイトなスケジュールになっています。

効率的といえばその通りですが、海外のギャップイヤーという選択肢と比べると、日本の学生はベルトコンベヤーに乗せられている部品のように、流れ作業的に大学に行かされているようにも個人的には感じます。

一方で、海外の大学は9月からのスタート。

海外の高校は5、6月に卒業式が行われます。

そのため、3ヶ月ほどはギャップタームという、いわゆる“学生“という肩書きから解放される期間があります。

学生のうちって、自分が学生だった時には気づかなかったですが、本当に狭い世界で生きていますよね。

学校という大きな枠組みがあって、人間関係も学校が中心に形成されています。

学生のうちは、自分はあくまで、「○○高校○年○組の誰々」というアイデンティティーになります。

しかし、ギャップイヤーが始まると、“学生“という最強の肩書きを一旦脱ぐことになります。

その時にはじめて、自分は「何者」なのかということを考えざるを得なくなります。

学生でもなく、社会人でもない。

自分は世の中の肩書きの中の一体どこに分類されるのだろうか。

ギャップターム中はよくこの不思議な感覚に襲われて、ふとした瞬間に考えたりしていました。

何より、ギャップイヤーは一旦立ち止まって自分の人生について考える機会になります。

古代に学問が発達したのは、奴隷に労働を押し付けることで、知識人が学問に費やす時間ができたから。

人間は、暇だと色々なことに思考を巡らしてしまう生き物です。

ギャップイヤーで、学生のように決まった時間割で生活しなくていいようになると、哲学的な思考に耽る時間も自然と増えます。

そこで、今までの人生を振り返り、大学に入ったらやりたいことや、これからどんな人生にしていきたいかなどをじっくりと考える期間になります。

実際に私も、高校卒業した3月からトロント大学に入学する9月までの間、大学生活でしたいこと、自分とはどういう人間なのかなどを色々考えさせられました。

大学に入ってからも当時立てた目標や計画を振り返り、自分にとってのマイルストーンとなっているので、一度立ち止まって今後の人生について考えられる時間ができて本当によかったと思っています。

その一方、日本の学生は、ずっと走り続けている印象です。

高校まではずっと受験のために全力で勉強し、いざ大学に入学してもサークル・バイトとずっと忙しく過ごしている人が多いのではないでしょうか。

そして気づいたら、3年生。周りが就活を始めだして焦って自分も就活を始める。

巷で言われている日本の大学生はこんなイメージです。

ずっと走り続けてると、昔立てた夢や目標があっても、自分は本当に正しい方向に向かっているのか分からなくなります。

「一度立ち止まって、今まで走ってきた道を振り返り、どちらの道に行くのかを選択する。」

そんな期間があってもいいんじゃないかなと思うんです。

そのために、ギャップイヤーは絶好の機会なのではないかなと感じます。

認知はされてもいいのでは。

ギャップイヤーは先述した通り、一度立ち止まって自分の人生について考える機会を与えてくれるというメリットがあります。

さらに、人脈を広げたり、自分のしたことに挑戦できるなどの多彩なメリットが存在するため、一部ではギャップタームを制度化すべきという議論も存在します。

制度化の議論は一旦置いといて、個人的にはギャップイヤーの「認知度」が高くなるといいなと思います。

2022年の4月、絶賛ギャップターム中だった私は、映画館に行って学割を使いたかったのですが、トロント大学の学生証がまだ発行されておらず、学割が認められませんでした。

また新宿御苑に行った際も、学生証がないという理由で、一緒にいた日本の大学に通う友達だけ学割料金で良く、私には学割が適用されませんでした。

学割の役割は、お金が無く価格に敏感な学生に商品を買ってもらうため。

ギャップターム生も、学生証が無いだけで、あと数ヶ月後に学生になるのですし、学生と同様、お金の制限もあります。

そのため、ギャップターム生にも学割は提供されるべきだと思います。

そのためには、ギャップイヤーという存在があることをもっと多くの人に知ってもらうことが必要です。

また、学生の選択肢が広がるという点でも、ギャップイヤーの認知度が上がってほしいなと思います。

先ほども述べたように、日本だと、高校卒業後すぐに大学に入学しない人がいると、自然と浪人しているんだと考えます。

基本的に浪人は、希望の大学に行けなかった人がするので、ネガティブなイメージと結びついています。

しかし、ギャップイヤーは浪人とは全く違います。

自分の今後の人生について考えたり、社会経験ができる貴重な機会です。

この選択肢の存在を知らないことで、この機会を逃してしまうのは本当にもったいないです。

そのため、ギャップイヤーの認知度が日本でも上がってくれるといいなと思っています。

まとめ

今回の記事では、学生でいることを一旦ストップして、自分のやりたいことをやれる“ギャップイヤー“という制度についてご紹介しました。

先述した通り、ギャップイヤーは、自分の人生について考えたり、社会経験を得ることができるすごく貴重な機会です。

日本では、浪人や休学と否定的なイメージで捉えられがちですが、海外では自分の人生をさらに豊かにして成長するための一般的な選択肢の一つになっています。

自分のやりたいことが分からない、今後の人生に悩んでいる。

そんな方がいらっしゃったら、ギャップイヤーを考えてみてもいいのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

皆さんにとって、今日が素敵な一日になりますように…!🌻


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