記憶の改ざん

自己愛のことを調べていると、彼らが自分の都合の良いように過去の記憶を捏造する、改ざんするということが散々書いてある。これは彼らに共通してよくあることらしい。

うちの夫も自分に都合よく、自分がキレイなイメージになるように、ほとんど無意識のうちの改ざんをしている。本人は「本物の記憶」と思い込んでいて、どんなにこちらがそうではないと言っても断固として譲らない。

もしかすると、お勉強は優秀な夫なので、自分の記憶力に絶対の自信を持っているのかもしれないが、本当に厄介だ。

私が主人に提案したことや注意したことを、そっくりそのまま立場を逆転させて、「嫁にこう言ってやったよ」と、あたかも自分が私に注意した立場のように、共通の友人に話していたことがあった。その友人が心配して私にそのことを伝えてくれたことがきっかけで、わかったことだ。

「嫁のお金の使い方が不透明だし、それぞれ毎月どれくらいもらっているかよくわからないから、突然お金が必要と言われると困るんだよね。こっちも、可視化されている状態なら、ああそろそろお金足りなくなりそうだな、ってわかるけどさ。ある日突然、お金足りなくなったからちょうだいって言われて、大変なんだよね」

友人は、夫がこんな風に話していたと伝えてきた。

でも実際は、夫が私にお金のことを注意したわけではなくて、私が夫に言ったことなのだ。

つっこんでいろいろ話を聞いてみると、なんと夫は私が夫に向けていった言葉のひとつひとつ、一言一句をたがえずそのまんま自分の発言として伝えていた。

「それ、私が夫にいったことだ」と説明すると、冗談でもなんでもなく友人は震えていた・・・。そりゃあそうだ。その話を友人にする意味がまずわからないし、自分が言われたことを自分が言ったことにして話す意味もわからない。したり顔してそれを話して彼は何を得たかったのか?

ダメな妻を持つ立派な夫を演じたかったのか?

共通の友人にそれを話して私の株がダウンするかもしれないということを、彼は一瞬でも考えただろうか? へたをすれば私と友人の間に、見えない壁が生まれた可能性もあるということを理解していただろうか?

思考のボリュームがない、と同じAS配偶者持ちのTさんがおっしゃっていたが、まさにその通りで、彼の言動には必然性とか前後の脈絡とか、流れというものがない。思い付きで話すし、他人の話も自分の話のように話す。自分の発言をごくごく自然な流れで相手に責任転嫁するのも、そのあたりの区別がつかないからなのではないかとも感じる。

さて、ごく最近の出来事だが、記憶改ざんの瞬間を見た、と感じたことがある。

私たち家族は、それまで住んでいた関東から、夫婦の出身地である地元に戻った。理由は夫が「仕事をやめたい。もう何もかもイヤだ。ここから離れたい」と言ったことだ。
上司とうまくいかず、仕事辞めたい病を発症したのだ。これが初めてではない。辞める原因は常に人間関係。主に上司である。
言ってしまったらどんなに説得しても話し合っても覆さない夫なので、「だったら辞めるついでに地元に戻ろう」と提案した。

ずっと私は地元に戻りたかったのだが、夫が頑として突っぱね続けていたのだ。仕事がないからと。でもどうだろう、このとき夫は、嬉々としてその条件を飲んだのだ。しかも翌日私の母に電話をし、地元に戻ると報告したのである。翌々日にはすでに家を売る手続きを始めていた。

私が、どんなに不便で大変だからといっても、ちょっと治安の悪いところだったので、子供のためにもと懇願しても、あんなに嫌がって突っぱねていたのに、自分のためには即時即決の行動力を見せるのだ。

そして、退職理由に、「妻の母が年老いてきて心配なので地元に帰ることになった」と、こちらも大層自分のイメージをきれいにする理由を仕立て上げたのだった・・・・・・・・

いや、さすがに上司とうまくいかないからと正直に言えといってるわけではない。角を立てずにうまいこと理由付けしたと思う。問題はここから。

「妻の母が心配だからって会社に話したら、同僚や後輩たちから、なかなか奥さんの実家のためにそこまでできる人っていないですよ!って絶賛されてさー」

そして、共通の友人たちにまでその理由で説明し始め、私は多くの友人たちから、「ほんとにいい旦那さんをもったね」と言われる羽目になったのである。ふざけんな、の一言である。

「〇〇さんにも、▲▲さんにも褒められたよー」

夫は終始ニコニコ顔で、「奥さんは幸せ者だなあって言ってたよ」


(^ω^)・・・そうだよね。
(^ω^)・・・幸せ者だよね。
(  ゚Д゚  )・・・その理由が真実ならな。

忘れてらっしゃるかもしれませんがそれはあくまで表向きの理由であって、ウソですよ?


夫はこの時点で、その理由が自分の退職の本当の理由だと思い込んでいる状態。子供もいるのに自分勝手な理由で辞めたいといって、さらには妻の母が心配というきれいな理由を掲げて周りに称賛され、お別れパーティまで開いてもらい、大っ嫌いといっていた上司からサプライズのプレゼントまでされているんだから、ほんと幸せ者だよ、お前がな!

ウソも言い続けていれば真になるってさ・・・
自己愛のやつが言い始めたことじゃねーの?って思ってしまう今日この頃・・・





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