ジェンガについて
懐かしいと思う方も多いのではないでしょうか?シンプルかつ、小集団で楽しめるジェンガ。興奮と抑制を楽しめるので何歳になっても楽しめますね。
【用意するもの】
クラシックで木のそのままの素材感を味わうタイプとカラーのタイプが販売されています。
【下準備】
1.順番を決めます。チーム制でも構いません。
2.順番どおりに時計回りに並ぶと間違えにくいです。
3.テーブルのぐらつきを確認、改善します。
※意外とココが重要です。トラブル回避になります。
【ルール】
1.準備で決めた順番通りにゲームを行います。順が回ってきた人だけが、テーブルに肘や手を乗せられます。息を吹きかけることも足をテーブルにつけるのもNGです。
2.カラータイプはサイコロでどの色を取るか決めてとっていきます。クラシックタイプもカラータイプも上から4段以下をとることをルールとすると良いでしょう。1本でも3本でも乗っている部分は1段と数えます。
3.勝敗は崩してしまった人が負けです。使える指は2本までです。3本の指を許可するとその1本で主柱を押さえながら引く可能性があるためです。
4.抜いたピースは必ず上の段に同じように組んでおきます。おいてから3秒数えましょう。これまでで自分の番が終わりです。3秒以内に倒れたら負けと判定します。
【遊びのねらい】
緊張感の高いゲーム中、自己コントロールする力を養います。
衝動性の高い子は楽しさのあまり、ジェンガの柱を崩してしまったり、ドキドキを押さえられずに走り回ってしまうなどの姿も考えられます。
緊張感をうまくコントロールできないと周りへストレスを与えてしまい楽しめない無くなってしまいます。緊張感があるゲームは周りの子も心の器が小さくなってしまいます。勝負なのでなおさらです。
自分がいるべき場所の提示・可視化が必要な場合には座布団やタイルマットでお知らせしましょう。
手指操作を巧みにします
運動協調性がうまくコントロールできない子の中には緊張が過度に出てしまい、そんなに力を入れなくてもいいことにも全力で取り組んでしまという事例があります。
ジェンガも緊張はしますが、筋肉の緊張はむしろ不利で「優しい力」「ゆっくり」が求められる遊びです。呼吸を上手に整え、意識を指先に集中させて行いますが、なかなかそれがうまく行かない子も遊びの中で取り組んでいくことが出来ます。もしも、集団で遊ぶのには少しまだ手指操作が不安であれば一人で楽しむことや、大人と行うところから始めると良いでしょう。
どれをとるかという判断を養います。
正面から見たり、横から見たりしながらどこがとりやすいかを目で見て判断する力。物理学的に押した感触で判断する力。自分が物体に対して行った相互的な反応の経験を学習して判断する力を養います。
「指の力具合を最初は優しく押してみて試す」というこの行為はジェンガがどんな反応を自分にしてい来るかを試しているわけです。それに指先のわずかな力の感触を皮膚が察知し、脳が判断するに加えて、結果を起こす。これをトータルして経験値を増やして、ジェンガを上達させていきます。
カラータイプだとこれにさらに制限がかかり、1色の中で選ばなければなりません。もちろんサイコロと同じ色だという判断も先にしなければなりません。
【あとがき】
皆さんおなじみの遊びではありましたが、あえて毎回ルールを細かく記載するかという理由を述べたいと思います。ルールには「暗黙の了解」というものが存在し、あたりまえにあるもので存在しているのに表に出ないものがあります。
それをあえて表に出すことで意識というものが変わります。コミュニケーション力の低下が叫ばれる近代の子どもたちですが、具体的にどの部分のコミュニケーションなのかというのが相談支援をする中ではっきりと答えられる支援者・指導員・養育者(以下省略)が経験上ではありますが」、実はあまりいません。
「なんかイライラする」というワードに表現されてしまいます。
改めてどんなルールでどんな視野を設けるかを可視化することで、そのイライラの原因を引き出すことができたりするので、そんなルールわかってるよ!と思うことでも記載させてもらっています。
また、イライラするということはその支援者たちが、そこにイライラしやすいという表れでもあります。よく言うと「その部分を大切にしている」とも言えましょう。もしかするとイライラすべき所でもないかもしれません、逆にきちんと教えなければならない所かもしれません。
自分がその感情が揺れてしまう場面の背景をもう一度考えるという意味でも、ルールをきちんと表に出すことが必要と考えます。
「1人しか見れないから大変でイライラする」という原因でイライラするのあれば、子どもを少人数化するか、職員をもう一人就けて遊ぶかと環境を変えて取り組むことが出来ます。もしかすると同じ気持ちで遊んでいる子がいたらなおさら改善が必要です。
ルールを守るバックグラウンドにどんな危険性を回避する意味が含まれているか、今子どもたちが遊んでいる遊びも見直してみると、それだけで職員研修にもなりますよ。
遊びはソーシャルスキルになります。