ドイツのこと〜恋バナ④
その素敵な彼とその仲間たちは陽気で弾けていた。
皆で踊りに繰り出そうと小さな軽自動車に6人くらい相乗りして
(ぎゅうぎゅうっ!)コロナビールにライムを入れてラッパ飲みしたり
隣の人の声が全く聞こえないくらい騒がしいクラブで音に呑まれて
いるかと思いきやチークを決めてみたり。こういう「遊び」とは
日本にいた頃は無縁だった。せいぜい飲み屋さんにいったりドライブや
スポーツ、カラオケに行くくらいが私たちの遊びで面食らってばかりだった。
彼らは遊ぶは遊ぶけれどハードにお勉強していたことも私は知っていたから
違う世界を垣間見たからといって危険なことにはならないだろうという
安心感は持っていた。まあ、みんな若かったのね。
とにかくファっシングのバルでミヒャエルはとにかく紳士で私のそばで
しきりと、自分が現在フリーであること、日本に親近感を持っているから
日本人の恋人が欲しいこと、私がとても可愛いと思っていること、を囁いた。
そして夜はとっぷりと暮れ、シンデレラの舞踏会は過ぎ行き私は一人
自分の部屋に戻ってきた。