ひぃたぁ
暖かくなったらなにをしよう。
くたくたになったコートを脱いで、
少し薄手の上着を着て、
外に飛び出すのだ。
洗濯ものは日光いっぱいポカポカの日差しの下に並べ、
窓もいっぱいに開けて部屋に深呼吸をさせる。
桜が咲きそうな雰囲気だけを感じて、
モゾモゾとする木々を横目に散歩をする。
新玉ねぎと新じゃがを直売所で買い、
春とは何かを考える。
暖かくなったらなにをしよう。
強張った身体を太陽の光で溶かしていき、
頭の中までゆるゆるとなったまま、布団へと飛び込む。
走るのもいいかもしれない。
心残り程の肌寒さをまとった風に負けじと颯爽と川沿いを走り抜くのだ。
街も公園も、人が動き始め、
大きな空気が活動を始める。
暖かくなったらなにをしよう。
寒さを理由にしてできなかったことを思い出そうとしても、大して出てこない。
なんだったのだ。寒さとは。
暖かくなったらなにをしよう。
地球に溶け込むように、草のように生きよう。