途方もなく大きな白が、それはもう雄大で勇ましい絶対的な白が隣で光っている。
絶対的な白。
少しでもたじろげば自分の手足、そして心臓までもが砂になってしまいそうなほど絶対的な白。
一周回って見ても、黒いところはない。ましてや青や赤はない。
まるでブラックホールの逆のように、中心から広がっている。
決して発光している訳ではない。
ただ白。
クリーム色でもオフホワイトでもない白が、深く目の前にある。
苦しい。きっと汚れが背中にあるのだろう。
眩しい。きっと暗いところにいたのだろう。
頼もしい。きっとまだら模様に目をやられたのだろう。
白は変わらない。
強くて優しくて、残酷な色をしている。
背筋がキリリと音をたてる。