見出し画像

“Wry”って何?「Wry Wonders」の名に込めたイメージ

 「Wry Wonders(リィ・ワンダース)」の名前を初めて聞いたとき、どんなイメージを抱くだろうか。

 少し風変わりな響きかもしれないし、何か深いストーリーが隠されていそうな予感がするかもしれない。

 前回までの記事では、私が感じてきた課題や問題意識、そして「Wry Wonders」が目指すアプローチを紹介してきた。

 ではサイト名はなぜ「Wry Wonders」になったのか。そこには意外なアイデアと想いが詰まっている。



ネーミングのプロセス

 サイト名をどうするか、最初の大きな悩みだった。

 単に“クリスチャン”や“ファンタジー”といったキーワードを組み合わせるだけでは、どうしても安直に聞こえてしまうし、サイトが目指す世界観や価値観を十分に表現できないと感じていた。

 たとえば“Faith Tales” “Vine & Branch” “Gospel Narratives” “Holy Scriptures”といった、いかにもクリスチャン×文学な雰囲気の名前も出てきたが、どれも平易すぎたり説明的だったりして、しっくりこなかった。

 なにより大体のクリスチャンワードは、ドメインとして出し尽くされている。

 ほかにも造語っぽい候補をいくつか書き出したが、言語的な響きや意味合いに納得できなかった。

 下品にならないシニカルな雰囲気の表現を探していくうちに、目に止まった言葉が“Wry”だった。

 英語圏では、どこか皮肉めいたユーモアを表すことが多い単語だ。

 いわゆる“ひねり”や“意外性”を示すニュアンスであり、信仰や古典文学の世界にひと味違う風を吹き込むような感覚を表現できると感じた。



「Wry Wonders」の言葉が持つ意味

 “Wry”という言葉についてもう少し説明したい。“Wry”は、皮肉やユーモアの要素を含む言葉で、同時に「単なる常識や型通りでは終わらない、ひねった発想」というニュアンスも持っている。

 ある種の逆説を受け入れたり、新しい視点に出合ったときの面白さを感じさせるものだ。

 一方の“Wonders”は、「驚き」「不思議さ」「畏敬の念」といった意味を持つ。

 古典文学や聖書の壮大な物語は、私たちに大きな感嘆や没入感をもたらし、信仰を深めたり想像力をかき立てたりする力を秘めている。

 つまり“Wry”が「常識へのひねりや発想の転換」を象徴するなら、“Wonders”は「驚嘆すべき体験や気づき」を表す言葉だと言える。

 そしてなにより、日本の漫画カルチャーに詳しい方なら、Wry「ウリィ」は荒木飛呂彦作『ジョジョの奇妙な冒険』の宿敵ディオ・ブランド―が発するセリフであることはピンときてもらえるだろう。

 私自身「Wry」は単語として意味があることを知らなかった。荒木先生がどこまで想定してたかもわからないが。(単語としての発音は「ウリィ」ではなく「ゥライ」という。サイトの日本語読みはライ・ワンダースではなくリィ・ワンダースである)

 「Wry Wonders」という組み合わせは自然にマッチする。信仰と文学、それにファンタジー的な要素を掛け合わせることで生まれる“予想外の感動”を、この二つの単語が象徴している。



ネーミングから感じてほしいメッセージ

 では、この名前を聞いた人にどんな価値や感情を抱いてほしいのか。大きく分けて二つのメッセージを込めている。

 一つ目は、「信仰を持つ人も持たない人も、ともに楽しめる場である」ということだ。

 一般的にクリスチャンが運営するサイトというと、教条的な雰囲気や改心を求めるコンテンツを想像されることがあるかもしれない。

 「Wry Wonders」では、古典文学やファンタジーという共通の話題を入口として、幅広い読者が気軽に入り込める世界を作りたいと考えている。

 私にとっての信仰とは、知識を積み重ねた先にある深い平安の体験だからである。

 二つ目は、「既存の価値観にとらわれず、新たな発見を共有し合えるコミュニティを目指す」ということだ。

 教会やスモールグループには神への礼拝と賛美、信徒たちの一致がある。その価値は疑いようもない。だからこそと言っていいかもしれないが、自己表現や創造性について自由に語る余地が少ないと感じることもある。

 そんなとき、少し“ひねり”を効かせたWry Wondersを訪れ、新鮮なワクワク感を感じてもらえたら嬉しい。



ネーミングがサービス全体のブランディングに与える影響

 「Wry Wonders」という名前を正式に決めたあと、ロゴやビジュアルデザインを考える過程で、自分がイメージしていた世界観が明確になっていくのを感じた。

 たとえば、アンティークな雰囲気の装飾と、幻想的かつユーモラスなモチーフを組み合わせることで、“古典”と“新しい驚き”の両立を表現しやすくなった。

 また、この名前を掲げることで、「どんなコンテンツを扱うか」「どのような語り口で発信するか」という方向性も整理されたと思う。

 単に神学的な解説や教理を伝えるだけではなく、読者に物語体験をしてもらうことを重視しよう――そういったビジョンがいっそうはっきりしてきたのだ。

 さらに、将来的に多言語展開を視野に入れるうえでも、短く覚えやすい単語の組み合わせは有利だと感じている。

 英語圏の人が見ても「Wry」は珍しい響きだろうし、国や文化が違っても“Wonders”という言葉が与えるイメージは比較的伝わりやすいのではないかと思う。



読んでみたいコンテンツのアイデア、いつでも募集中

 以上が、「Wry Wonders」というネーミングに込めた想いと、そこへ至るまでのプロセスだ。

 意外性と神秘性をかけ合わせることで、既存の枠組みにとらわれないクリスチャンミニストリーを実現したい。

 古典文学の深みやファンタジーの魅力を通じて、多くの人々と新しい価値や物語を紡いでいきたい。その一歩として、この名前は欠かせない旗印になっている。

 次回の記事では、「Wry Wonders」がこれから描いていく未来像、つまりどんなビジョンをもってサイトを運営していきたいのかをもう少し掘り下げていく予定だ。

 サイト名についての感想や、読んでみたいコンテンツのアイデアがあれば、ぜひコメントで聞かせてください。


▼サイト立ち上げ日記 その1

▼サイト立ち上げ日記 その2

▼マガジン

#クリスチャン
#コンテンツマーケティング
#新規事業開発
#Webメディア
#ファンタニクル
#幻想古典
#WryWonders
#リィ・ワンダース


いいなと思ったら応援しよう!