見出し画像

ひねり(Wry)から始まる物語──「Wry Wonders」が目指すビジョン

 「Wry Wonders」というウェブメディアを立ち上げようと決めたときから、「これが広がった先に、どんな未来が待っているのだろう?」というイメージ(妄想)を描き続けてきた。

 今回は、第4回として、そのビジョン、ミッション、目指す世界観について語ってみたい。

 前回まではサイト名に込めた想いや課題の背景などを話してきたが、実際に「Wry Wonders」がもたらす未来はどういうものなのか。

 できるだけ具体的にイメージしてみたい。




ビジョンの概要

 「Wry Wonders」で目指しているのは、信仰を持つ人も持たない人も、さまざまな読者が“古典文学”と“ファンタジー”を媒介として深い学びや交流を楽しむ空間をつくることだ。

 そのど真ん中には「神の栄光」というゴールがある。以前も触れたが、このゴール自体には新奇性はない。

 少なくともプロテスタント福音派クリスチャンがミニストリーを展開するとき、普遍的に設定されるゴールだと解釈している。クリスチャンにとっては、神の御心でない事業がどんなに成功したとしても無意味だからだ。

 具体的なミッションステートメントを設定するとしたら、「聖書の世界観を前提とすることで、想像と知性に新しく深いインスピレーションを与え続ける」になる。

 聖書の世界線で未来を描き、過去を解釈し、現在の信仰の実践に新しい選択肢を作りたい。

 古典文学やファンタジーという切り口を通して、自然に聖書やキリスト教思想の本質に触れられる仕掛けを作りたいと思っている。

 スローガンのようなものを挙げるとすれば、**「ひねり(Wry)から生まれる驚き(Wonders)を共有する」**という一言に尽きる。

 奇想天外なアイデアやストーリーに触れることで、人間の想像力や創造性は刺激を受け、勇気づけられ、わずかでも生きる希望を持つことができるのではないだろうか。

 世界への純粋な驚きこそ、私をここまで連れてきた原動力だからだ。

 ゴールとかビジョンとか、ミッションとかスローガンとか、この辺りがまだ洗練されていないので冗長に感じられるかもしれないが、いかんせん立ち上がりたてなのでご容赦されたい。



ビジョンに至った理由


 前回までの記事で書いてきたように、私はクリスチャン生活における創作面での閉塞感や、古典文学が抱える敷居の高さ、多言語メディアプラットフォームの不足など、いくつかの問題意識を持ってきた。

 一方で、それらの課題を逆手に取ることで、意外なコラボレーションや新たな価値が生まれるのではないか、と感じ始めてもいた。

 たとえば、聖書には想像力を掻き立てられるエピソードやモチーフが多々ある。

 人間の罪や弱さ、救いの希望、神との関わりのみならず、ちょっと聞いただけでは奇妙に思える慣習や事象、アイテム、言葉づかいなどなど……。

 そこに「ファンタジー」という新たなプリズムを差し込めば、聖書の本質や無謬性は遵守しつつ、より多くの人が物語として自然に入り込めるようになるのではないかと考えたのだ。

 「Wry Wonders」を単なる情報・コンテンツ発信の媒体としてだけでなく、将来的には「聖書を軸にした創造的なコミュニティ」へと発展させたいと思っている。

 多言語展開や、ファンタニクル《幻想古典》というオリジナルジャンルによって、クリスチャンのみならず、神話や哲学、文学に興味のある人々が集える場所を目指したい。



実現できた時のユーザー体験・社会的インパクト

 このビジョンが形になったとき、ユーザーはどんな体験を得られるのだろうか。具体的に想像すると、次のようなシーンが浮かんでくる。

1.読者同士の対話が活発になる
古典文学の解釈や作品の背景、さらには聖書の価値観など、読者同士がオンラインで意見を交換し合う。聖書という世界共通のコンテンツをもちつつ、日本語圏と英語圏、アジア、あるいはスペイン語圏やポルトガル語圏など、多文化のコミュニケーションが飛び交い、互いの文化背景や思想観を尊重し合いながら学び合う姿が想像できる。

 イメージとしては、ジブリファンが作品のセリフだけで会話を成立させようとするファンダムを、聖書(古典)の世界線でも起こしたいと思っている。

2.創作意欲や学びのモチベーションが高まる
ファンタニクル《幻想古典》を題材に、二次創作やイラスト、音楽など、さまざまなクリエイティブ活動が広がる可能性がある。古典文学をベースに新しいストーリーが紡がれることで、読者それぞれの洞察や才能が引き出されることを期待している。

3.社会的なインパクトや文化交流への寄与
クリスチャン向けのコンテンツが中心ではあっても、それを入口に古典作品や世界文学の意義を再発見する人が増えるかもしれない。そうした幅広い興味が交差する場所が増えると、結果的に文化や信仰に対する理解も深まり、社会全体に対して新しい寛容や対話の機会を提供できるだろう。

 これらはまだ抽象的なイメージに過ぎないが、少しずつ具体的な仕組みを整え、ユーザーとの対話を重ねることで実現に近づいていくはずだ。



“ひねり(Wry)”から生まれる“驚き(Wonders)”を、より多くの人へ

 私ひとりの力では、このビジョンを完成させることはできない。

 だからこそ、「Wry Wonders」に共感し、未来をともに形作ってくれる仲間を、少しずつ募りたいと思っている。

 読者としてコンテンツを盛り上げてくれる人、コメントやメッセージで意見を交換してくれる人、さらには物語やエッセイ、記事執筆や翻訳、イラスト制作などの才能を分かち合ってくれる人、Youtube動画やポッドキャストの企画をしてくれる人。さまざまな関わり方があっていいはずだ。

「古典の魅力や、聖書の不思議を語り合いたい」──そんな気持ちを持っている人であれば、誰でも「Wry Wonders」の世界を一緒に育んでいけると信じている。

 今後は、具体的なプロダクトの設計やデザイン面、Wry Wondersの企画に至った背景、技術面や事業面での展望についても少しずつ記事にしていく予定だ。連載を通じて読者の皆さんのフィードバックを得ながら、ビジョンをさらに鮮明にしていければと思う。


 最後に、改めて「Wry Wonders(リィ・ワンダース)」という名前が示すように、“ひねり(Wry)”から生まれる“驚き(Wonders)”を、より多くの人と共有したいというのが私の願いだ。

 驚きとは、ときに知的刺激であり、ときに信仰の喜びでもあるだろう。私が描く未来図は壮大すぎるかもしれないが、ここで得られる新しい発見や出会いが、ほんのわずかの時間でも、読む人に神との対話を促すものになることを願っている。


▼サイト立ち上げ日記 その1

▼サイト立ち上げ日記 その2

▼サイト立ち上げ日記 その3

▼マガジン

#クリスチャン
#コンテンツマーケティング
#新規事業開発
#Webメディア
#ファンタニクル
#幻想古典
#WryWonders
#リィ・ワンダース


いいなと思ったら応援しよう!