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出産まであと12日。わたしの今の心境。

妊娠38週を迎えた。
わたしは計画無痛分娩で出産予定のため、入院予定日まではあと6日。

今のこの貴重な時間を忘れないためにも、妊娠期間の振り返りと、今の気持ちを書き残しておこうと思う。

妊娠初期

つわりが始まって、どんどん悪化する体調と変化していく自分の体に、不安で怖くてたまらなかった妊娠初期。

妊娠中のこと、出産のこと、育児のこと、お金のこと、これからの生活のこと。
そして何よりも、お腹の中にいる小さな小さな命が、順調に育ってくれるのかということ。

とにかく全部が不安で、毎日検索しまくり、いろんな情報に振り回されていた。

そして仕事が本当にキツかった。ただただ早く時間が過ぎるのを祈ってやり過ごす日々だったな…
そんな気持ちで働いていることに罪悪感を感じて、帰り道は涙が止まらなかった。

妊娠中期

5ヶ月のとき、夫とふたりで行った胎児ドッグで、初めて時間をかけて赤ちゃんの様子をじっくり見せてもらうことができた。
多分、その日に初めて実感が湧いたと思う。
普段の検診は、いつも流れ作業のような感じであっという間に終わっていたし、毎回すごく緊張していて、ゆっくり赤ちゃんと向き合えていなかった。
でも、その日初めてゆっくり赤ちゃんと向き合えた気がして、元気に成長していると知って、ただただ安心して涙が止まらなかった。

6ヶ月ごろから、妊娠前に落ち着いていた鬱の症状が悪化し、大学病院に転院することになった。

やっと大丈夫になったのに、母親になるんだから、大丈夫じゃないといけないのに。
夫にもお腹の子にも申し訳なくて、弱い自分が情けなかった。
でも、自分のために、そして産まれてくる子のために、仕事を休職し、治療に専念することを決めた。

産休に入るまでどうしても仕事を続けたいと頑なになっていた気がする。
他の人は産休期間までちゃんと働いているのに、同じように頑張れない自分が許せなかったけど、今は心を整えるために必要な時間なんだと少しずつ思えるようになったいった。

妊娠後期

後期になって、やっと穏やかに日々を過ごせている。
気分の波はあるし、朝起きたときに今日ダメかも…と思う日もあるけど、薬とうまく付き合いながら、コントロールできるようにもなってきた。

自分のために使える時間も限られているので、行きたいところに行って、たくさん寝て、好きな本を読んで、体重管理に気をつけつつ食べたいものを食べて。

あとはとにかく運動しまくっている。
マタニティヨガ、マタニティビクス、ウォーキング、スクワット。
無理し過ぎない程度にはしているけど、体を動かしていると余計なことを考えずに済むので、それも助かっている。

今の心境

振り返ると、SNSでいっぱい流れてくるキラキラマタニティライフとは程遠く、どんどん変わる自分の体調や体型に心が追いつかず、泣いている日の方が圧倒的に多かった。
でも、親になるために自分にとって必要な期間だったんだと思う。

そして、妊娠期間中ずっと傍で支えてくれた夫には感謝しかない。
毎日ただ訳もわからず泣き続けるわたしに寄り添ってくれたこと。
絶対に忘れないでいようと思う。その気持ちをこれからもずっとずっと持ち続けていたい。

いろいろな人たちの出産レポや出産動画を見て思うのは、妊娠できたこと、そして、無事に出産できることが本当に奇跡だということ。
赤ちゃんがわたしたちの元へ来てくれたことに、心から感謝するべきだと思う。
でも、正直なところ出産を目前にして、不安で不安でたまらない。
楽しみだと思うべきなのに、心待ちにするべきなのに、圧倒的に不安の方が大きい。

自分に子どもを育てられるのか、という不安。
夫婦ふたりの関係も大きく変わり、何かが壊れてしまうんじゃないか、という不安。
自分が自分じゃなくなるのではないか、という不安。
産後にまた鬱の症状が悪化するのではないか、という不安。

「産後は妊娠中よりしんどい」という言葉をいろんなところで目にし過ぎて、とても怖い。というのが本音。

お腹の子に会えた瞬間、一体自分はどんな感情になるのかな…

きっと産後は慣れない育児でいっぱいいっぱいになって、弱音を吐く日も泣いてしまう日もたくさんあるかもしれない。
でも、肩の力を抜いて、周りに頼って、完璧主義を捨てて、「今」を大切にしたい。

妊娠してから育児・子育てに関するエッセイを読んでいて、特に心に残った言葉たち。

この子はきっと、すぐに大きくなってしまうだろう。こんなふうにわたしに抱かれているのも、あっという間に過去のことになってしまうだろう。
誰にも伝えられないけれど、でもわたしはいま、きっと想像もできないほどかけがえのない時間の中にいて、かけがえのないものを見つめているのだ。
そして、夜中を赤ちゃんとふたりきりで過ごしたこの時間のことを、いつか懐かしく思い出す日が来るのだと思う。

『きみは赤ちゃん/川上 未映子 著』より

長い人生からすると、とても短い期間なのに、育児の最中は、永遠に続くしんどい時間のように感じることもあった。
必ず終わってしまう時間なんだよ、もっと楽しみなさいよ、とあのときの若い自分に耳打ちしたい。

『一緒に生きる/東 直子 著』より

先日検診のとき、助産師さんに「もうすぐだね。これまでよく頑張ってきたね。」と言われた。

そっか、わたし頑張ったんだ。今日までお腹の子を守ってきたんだ。そう思えて、少しだけ自信が持てた。

常に情緒不安定だったし、たくさん泣いたし、弱音ばかりのダメなわたしだけど、でも、今日を迎えられた自分を少しは褒めてあげてもいいのかな。

今はただただ、無事に元気に産まれてきてほしい。
一緒に出産がんばろうね。待ってるからね。


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