平成X年競馬――平成3年有馬記念②
(前編) ・・・同級生から頼まれた馬券を呑んだ結果、大穴ダイユウサクが激走。自腹を切って13万円を払う必要が生じたのだが、中学生の私とヤンはそんな大金を持っていない。平成3年有馬記念がゴールした後の話。
「13万円なんてない……。いま2300円しかない……」
私の“金持ってるか?”という質問に、ヤンが心細そうに答えた。
「心配すんな! オレは700円しか持ってない!」
私は植木等の “だまって俺について来い” ばりに返す。
「説明は後や。あと10分ちょっとしかないからウ