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いいお産とは?

「いいお産」

この言葉を聞いて、あなたはどんなお産が頭に浮かびますか?

陣痛促進剤などの薬を使わない出産。
経膣での出産。
自宅出産。
短時間で苦痛が少ない出産。
産後に傷が少なく精神が安定している出産。

産む人、ご主人、ご家族、助産師、医師などそれぞれの立場によって、感ずるところは多様だし、これが正解だ!ってことはないのかもしれません。

現に、私は自宅出産を3人経験して
どんどんその価値観がかわってきています。

産ませてもらうのではなくて、自分で産む。
赤ちゃんとわたしのペースが一番大切にされる。

その根底はず~っと一緒ですが。

最初の頃は
自然出産がいい。
自宅がいい。
短時間でスルッと産むのがいい。
傷がない、出血が少ないのがいい。

ぱっと思いつくだけでも
こうして文字にしてみてみると

自然派思考が強かった頃は
形にこだわってるな~!!

とわかりますね。笑

そう。
めちゃくちゃストイックに形にこだわり、形から入る人でした。


1日200回はスクワットして
食事は完全にオーガニック。
添加物なんてもってのほか!!悪よ、悪!笑
病院には頼らない!
産むときは電気を真っ暗にして、呼吸法も習わない!


そうやって、理想の出産のために身体づくりも情報収集も徹底していました。

こんなにも拘りでガチガチな頭のわたしでも
お産は最高に気持ちが良くて、特別なものだけども、日常の中の当たり前の流れの中でのリラックスした出産が出来ました。

その経験がたまらなく、忘れられなくて
子育ては結構しんどいことも大変なこともあるのに、あの出産がしたくて4人目も妊娠しているっていうね。

きっと自分の理想通り100%のお産ができたから、いいお産だった〜って言えるのかな?

じゃー
帝王切開だったらいいお産じゃないの?

陣痛が3日もかかったら?

会陰も裂傷して、痔が爆発したら?

もちろん、薬も使わずに、一番自分が慣れ親しんでリラックスできる場(大体は自宅かな?)で傷もなくスムーズに出産ができて、産後も穏やかな育児がスタートできたことに越したことはないのかもしれません。

だけど、理想に拘りや、これが正解だ!これがなければ失敗なんだ!ってものを持ちすぎると
知識や正解に囚われすぎて、心がしんどくなることもありました。

何がいいお産なんだろう?

って考えているときに

4人目で初めてお世話になっている
医療従事者の助産師さんに聞いてみました。

豊中市でつくし助産院を開設しているこの方がまた素敵で!

①「自分の持っている本来の産む能力を最大限に発揮できること」

②「産む本人も家族もお産の後に幸せだと感じれること」

とおっしゃっていました。

それをわたしなりの解釈を付け加えて持論を述べてみようと思います。


女性は本来“自分“で命を産む能力が誰にでも当たり前に備わっています。
特別な医療介入や補助がなくても
お母さん主体の赤ちゃんとお母さんのペースでお産ができれば、産む能力を最大限に発揮したお産ができます。

それを引き出すのに大切なことは
自分の感覚、本能を大切にした生き方をすることだと、経験から感じています。

だけど現代はそれが難しい。
科学的データに基づいた根拠が重要視される傾向にあり
妊娠中から、私たちの耳に入る情報は目で見てわかる数字のデータや基準値ばかりではないですか?

検診に行っても
尿検査、血液検査、お腹の大きさ測定(腹囲、子宮底長)、体重、赤ちゃんの大きさ確認

食事を取るにしても
葉酸が何グラム、カルシウムがどれくらい

お産の素人向けの雑誌には
妊娠何週だったら大体お腹の大きさは〜
産後は1ヶ月で悪露が消失します。
赤ちゃんが一回で飲むミルクの量は〜

と基準値ばかりの数字が並びますよね。

わたしの大好きな自然出産の第一提唱者?的な
素敵な産科医の吉村正先生は
バリバリの最先端の医療介入をした出産とそれを全部辞めてしまった自然出産をサポートした体験から

「データだけをみてみて異常があるかどうかを判断する検診は第一義的な意味はあまりないと思うようになった。データを捨ててリラックスした先にお産の美しさが見えてくる。科学的知識を読めば読むほどビクビクしてしまう。科学に囚われた生命に輝きはない。なぜならお産は科学では追究することのできない、大いなる自然の営みなのだから」

とおっしゃっている。

自分の本能に従う生活を送るためには
現代人には少々の練習や、ライフスタイルの変革が必要です。(この辺の具体的なお話は、セミナーでお話しさせていただいています)

自分の本能に従う妊娠・出産は
とても楽で楽しくて安心したものです。

妊娠中の食べ物は
体の状態に合わせてその時その時の食べ物が勝手に体が欲してくれるし
運動量も赤ちゃんと対話しながら決めていける。
出産ではいきむタイミングや呼吸の方法まで自分でわかるし、お産の進み具合までわかってしまう。
その延長で育児がスタートするので
体重が増えてないのでは?母乳がたりてないのでは?とビクビクおどおどする必要も全くなく

安心して自分と赤ちゃんらしい妊娠・出産・子育てができます。

こうやって誰もが持っている能力を発揮させるだけで、とっても満足のあるお産ができます。
また、お産は本来の自分の能力を発揮させるための絶好のチャンスでもあるんです。

例えば、日頃から人評価を気にして、夫や周りの人に合わせる性格だった人が
いいお産をすることによって
自分もできるかも!と独立して自分をどんどん表現する仕事をやり始める人も少なくないそうです。

②産む本人も家族もお産の後に幸せだと感じれること

は、お産の時には誰もが体から
脳内モルヒネ、快楽ホルモンと呼ばれる物質が放出されています。

オキシトシン
というホルモンなのですが
それを十分に分泌させるお産をすると
痛みどころか最高のオーガズムを感じる出産が可能になります。
日頃も簡単にその効果を感じることができる方法は、自分や相手の肌に触れて優しくさすることです。

わたしは特に背中なのですが
夫にさすってもらうと
嫌なことや不安なネガティブな感情が
スーッとなくなって安心します。

それが出産中には何百倍も分泌されています。

このホルモンの分泌を妨げるものに
慣れ親しまない人や場所などの環境
陣痛促進剤や無痛分娩時に使用する薬物
明るい照明
頭を使ってしまう呼吸法や知識
必要以上に多い言葉
不安と恐怖
産後直後の母子分離

もっと簡単に言うと
夫とのセックスやウンチをする環境を考えてもらうとわかりやすいです。

人に見られながら声をかけられながらウンチできますか!?ってことです。笑

オキシトシンいっぱいの出産をすると
私の出産はこれでよかったのかな?
もう2度と産みたくない!
夫にも家族にも面会に来てほしくない!
産後の育児が辛い。
子供を可愛いと思えない。
などのノイローゼとは無縁の
幸せ度満帆の産後がスタートします。

実際わたしは妊娠中
全くトラブルがない!というわけではありません。
それこそ病院で検診はもちろん、エコーも受けないので
順調に育っているかどうかは目で見てわかることではないので
手足や脳みそのない赤ちゃんを産む夢を見たり、予定日から10日以上も遅れて(本当は予定日なんて当てにならないのですが)陣痛がないとか。
何度か危機を感じる体験をしています。

けれど
その時々に赤ちゃんと一緒に乗り越えてきた経験が、わたしを一つ一つ強くし、母としての強さや、能力が開花されていきました。
それまでは自分の母に依存をした自分だったのですが、そこから脱却し、わたしが産むんだ!と最後にものすごいパワーが発揮されたことを10年たった今も忘れない感覚です。

いいお産。
自分と赤ちゃんを信じて
産む能力を最大限に発揮できた出産。
みんなが幸せに感じるお産。

そんなお産をこれからも
共有していきたいです。

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