10m歩行テストって?
いきなりですが、皆さん10m歩行テストってどうですか?
評価として行なっていますか?
特に病院勤務の方は行なっている方も多いのではないでしょうか?
実際、私は職場の規定で毎月行っています。
ただ、私はその中でなんとな〜く職場のルールだから10mのタイムを測って、
患者様に「あ、先月よりも早くなりましたね〜」とか「あ、少し落ちましたね」
などの軽いフィードバックで終わらせていました。
しかし、患者様からしたら「だから、なんなの?」って感じですよね。
基準や目標を示さないと患者様のモチベも上がらないってもんです。
小学生や中学生だって50m走のタイムを周りと比べて盛り上がるじゃないですか。
それと一緒だと思っています。
さて、前置きが長くなってしまいましたが今日はそんな10m歩行を詳しく説明していこうと思います。
10m歩行テスト(10 Metre Walk Test)って?
10m歩行テストは評価の信頼性が高く,評価を行う毎に歩行がどのくらい良くなったかを客観的な数値として把握することができ,それを患者様にフィードバック,
共有をして次のリハビリに繋げていくことができる.
評価方法
歩行距離
まず助走距離として3mをとる.
そこから計測区間の10mの距離を取り,
減速区間としてさらに3m距離をとる.
合計16mで行う.¹⁾
歩行回数
歩行回数は【快適歩行】と【最速歩行】の計2回行う.
また,歩数を計測することで歩幅や歩調を簡易的に把握できる.
その際の注意点として,最速歩行から行なってしまうと運動残効における筋運動感覚の知覚の歪みが発生し,その後の快適歩行に影響が出てしまう.²⁾
指示
歩行を行う際の指示は
快適歩行は「いつも歩 いている速さで歩いてください」
最速歩行は「できる だけ速く歩いて下さい」
に統一する.²⁾
スタートとゴール基準
先行の足が10mの開始線を踏むか越えた時点で計測を開始し,
先行の足が10mの線を踏むか越えた時点で終了とする.²⁾
必要な道具
・計測用のストップウォッチ
カットオフ値
0.4m/s未満:10mを歩行するのに25秒以上かかる.
→屋内歩行自立レベルになる可能性がある.
(屋内歩行未自立)
0.4〜0.8m/s:10mを12.5秒~25秒の間で歩行可能.
→限られた範囲なら屋外歩行自立レベル.
(屋内歩行が自立可能な速度)
0.8 m/s以上:10mを12.5秒以内で歩行可能.
→屋外歩行自立レベル.
(屋外歩行が自立可能な速度)³⁾⁴⁾
回復期リハビリテーションにおけるカットオフ値⁵⁾
11.6秒
横断歩道を渡り切るのに必要なカットオフ値⁶⁾
10~79歳の健康被験者が通常歩行したときの歩行速度(平均値).
男性:1.182~1.351m/s
女性:1.086~1.285m/s
※日本の横断歩道の青信号は歩行者の速度を1秒間に1mを基準として
設定されている.
年代別健常成人の快適歩行速度⁷⁾
終わりに
いかがでしたか?
10m歩行を行うにあったて,上記の内容を理解したうえで行うと
患者様への説明やADLup時のカンファレンスやチームへの説明もより中身のあるものになるのではないでしょうか?
※最後までご拝読ありがとうございました。
これは一個人としての知見であり、内容全てが臨床の現場で必ず当てはまるものではありません。
ただ、これからの皆様の臨床のヒントに、少しでもお役に立てば幸いです。