死に損ないのブルース⑨
2020年5月23日の0時過ぎに自殺未遂をし、警察に保護され、精神病院に入院した。
2東病棟から2西病棟に移り、そのストレスか知らぬが、最高で39.2度の熱を出した。
原因は扁桃腺炎。
今まで優しくなかった看護師が急に態度を変えて優しくしてくれた。
次の日熱は下がったが、メンタル面で限界で作業療法の時に座り込んで泣いてしまった。
それから看護師が話しかけてくれた。
F本という男が私に告白してきてしつこい事を話したら看護師を通じて言ってくれることになったので少し肩の荷がおりた。
それからその看護師が同じ歳でもしかしたら同じ高校かもと言ってきたので当時の先生の名を言ったら本当に高校の同級生だった。
科は違ったので接点は無かったが、高校時代の話で盛り上がった。
初めて看護師に心を許せた瞬間だった。
だが、それと同時にその看護師は看護師という安定した仕事に就いていて、結婚していて子供が二人いてリア充で幸せなのに、私はそんな人に患者として診てもらって何してるんだろうみっともないって思ってしまった。
それからF本は主任に注意されたので話しかけてこなくなったが、2東病棟は皆仲間意識があったのに2西病棟は協調性がないし、重症患者が多くていつも誰かが奇声を発していたりイライラしていたりしたのでメンタルが安定しなかった。
そんな時に手紙で告白してくれた社長さんの手紙や電話がとても励みになっていき、いつしか私も好きだな。付き合いたいなって思うようになった。
そして退院の2日前。
もうすぐ退院だから頑張ろう頑張ろうって思うあまりに逆にパンクして社長さんに泣きながら電話した。
そんな私を優しく励ましてくれてめちゃくちゃ心配してくれた。
迷惑かけたよなって思って次の日にごめんねの電話をしたけれど、度々電話して迷惑かけたかな、嫌われたかなって思った。
ん?
嫌われたかなって感情って何?
私、社長さんのこと好きかもしれない。
いや、好きだ。
そこで本当に社長さんのことが好きだって気づいた。
そしてついに死に損ない野郎の私の退院日になる。
続く。