涙月花の裏話〜衣装について〜
劇団Яeality第8回公演
「七月の涙夕月夜の花束」
無事全公演が終了しました。
こんな御時世にご来場頂いた方、
応援してくださった方に感謝申し上げます。
今回は衣装について。
とはいっても今までに比べて私がやったことは少ないです。
鬼のマント
オープニングだけに登場する鬼が着ているマント。
「グリザベラ」と呼ばれていました。
イメージがCATSのグリザベラだったからです。
オープニングでは鬼と京は別で描かれます。
鬼のマントを羽織っているのは京役の役者ですが
その時点で鬼とは直結しない。
あのマントの背中側には、五色の紐が縫い付けられています。
七夕物語は五行説という中国のものが深く関わっており、芦屋の鈴のリボンにも使われています。
芦屋の想いを背中に背負う鬼、ということを表現したくて作りました。
あの紐、三つ編みが複雑に絡み合っているんです。
1本5mとかあって、それを結んで、話して、また絡まって。
まるで登場人物たちの運命のようにしました。
そして、ちょっとだけ流れ星に見えるように。
「鬼の涙」は、天の川に流れる流れ星だと思っていたからです。
オープニング以外でも最初は使おうと思っていたのですが、さまざまな事情により断念。
あのマント凄くいい匂いなんですよね。布の匂いが。
何かで再利用したいです。
それと、あのマントは見た目だけではなく収納も出来る様になってます。
マントを三つ折りにしてくるくる巻くと丁度フードに収まるようになってるんです。
京役の役者たちに褒められたのめっちゃ嬉しかった。
月組の過去衣装
月組のみ登場する千年前の物語。
Яealityお得意(?)の、ZARAの服にアメ横で買った羽織りを合わせました。
柄があって単色だと、なんか和服に見えるんですよね。
Яealityはファンタジー団体なので、洋物と合わせてもなんとなく様になります。
村娘たちのワンピースは元々の衣装の上から被るだけですが
過去の一樹の袴は月組芦屋/さり役の菅井菜穂さんに加工をお願いしました。
もともと月組一樹役の橋本翼さんは袴を着れることもあって、袴の紐の部分にゴムをくくりつけてズボンのように履けるようにしたのですが、翼は着こなしてくれた。嬉しい。
過去一樹の上着も実は羽織りなのですが、マジックテープで留めて和服のように見えるようにしてました。
月組の過去場面の前は、舞台袖で大慌ての早着替え。
ほぼ全員早着替えだったり小道具の着脱があってバタバタだったと思います。
でも、あの場面が綺麗だったので嬉しい。
頑張ってくれてありがとう。
和物って、いいよね。
個人的に、ZARA×羽織りの組み合わせが好きです。
普段着にしたいくらい。
Яealityは何故か和がモチーフの作品の評価が良いので、これからも和モチーフの作品をやりたいな、と思います。
衣装まで買い付けに行って仕事しすぎ!と怒られましたが
私は私の衣装センスを疑っていないので私以上のセンスの持ち主が現れるまでは私がやろうと思います。