卒業研究レポート2〜「知る」「考える」演劇事前情報Webメディアを作るためのコンセプトまとめ〜
私は現在都内女子大4年生です。
4年生ということは卒業研究。
例にも漏れず奮闘中です。
予想より超大変!
ここから変わったことや進んだことを書いていきます。
長いです。長いです。(二回)
【追記】
4500字超えてます。お時間あるときに。是非。
タイトルが変わりました
タイトルが
「知る」「考える」ための演劇事前情報メディア
になりました。
もともとネタバレについてやりたかったんですけど
「ネタバレの定義」について考えていたらお腹が痛くなってしまいました。
そもそも人によって違うし、それ全部には対応できない。
そもそも私がしたいことってネタバレなの?
と、悶々と1週間くらい考えた私の結論が
「事前に面白いと確証を持てる情報が欲しい」
ということに辿りつきました。
当日パンフレットに挟まっているフライヤーとか、Twitterを見て
「これを観て自分が絶対に楽しめる保証がないしお金ないからやーめよっ」
ってなっちゃうんですよね、私は。
私は極端かもしれないけれど、
でも楽しめる保証があるならお金って出すよね、とも思うのです。
だって仲良しとの飲み会ならお金なくても行こうと思うもん。絶対楽しいから。
現在の演劇は(コアなファンをのぞいて)
演劇よりも確実に楽しめるものを知っている人にリーチが届かない状況。
そして「演劇って楽しいの?」みたいな雰囲気が、なんとなく、フワーッとあると思うんです。
これを「この演劇は面白そう!観てみたい!」と思えるコンテンツがあることが
私の願う演劇の発展につながるのではないか、と思いました。
ここからは、卒業制作趣旨説明会で使ったスライドを元にやっていきます。
演劇の起源ってよくわかってない
演劇の起源について調べました。
結論からいうと、はっきりわかってないみたいです。
有力な説は、宗教の祭事から発展したのではないかというものですが
遊戯の中から生まれた可能性もあるらしいです。
確立したのは、おそらくギリシア悲劇なのではないか、と思いました。
いやこれも色々あるし、もう正直よくわかんないんですけど
形になったのはここ、なのかな……?という感じ。
詳しい文献とかサイトがあったら教えてください。
中世になるとヨーロッパでは、演劇の批判性や娯楽性が教会からの弾圧の対象になったそうです。これが500年も続いた。
しかし一転、10世紀になるとローマカトリック教会が布教のために演劇を取り入れた、らしい。
ここからちゃんと演劇って発展してきたんじゃない?という推測を立てました。
となると、演劇の本来の需要って
人々にわかりやすく思想を伝えるためのものだったんじゃない!?
もちろん、演劇の娯楽性というのは中世ヨーロッパで認められています(弾圧されたけど)
なので、私の卒業研究では
娯楽と思想を融合させた、
「伝えたい思想」と「考えたい物語」というのを軸に
「想い」を伝える演劇メディアというものを作ろう!という思いに至ったのです。
タイトルは「知る」「考える」演劇Webメディアですが、
それは、思想を知りそこから自分の中で伝えたい思想を受け取り考える
という意味でつけました。
でもタイトルはきっと変わります。ちょっとしっくりきてない。
アンケートからの分析
これは卒業研究レポート1にも載せた資料です。
そこから考えたことがちょっと変わったのでまたまとめます。
ご協力いただいた方、本当にありがとうございました!!!!!!
上段の「演劇を観に行くきっかけを教えてください」では、
圧倒的に役者という回答が多かったです。
続いて団体・脚本・演出。
これって全て、事前に自分が知っている情報じゃん!?
まぁそうだよね、知らないと楽しめる保証ないもんね。私もそうだし。
これは調査したわけではなく私が劇団を運営していて感じたことなのですが
お客さんって役者が呼びますよね……?
いやもちろん「そんなことない!」という声があるのも知ってます。
小劇場に限って、きっかけの話です。
下段のアンケートを見てわかるように
圧倒的役者。
これって、自分が絶対に満足できるという保証があるものが、
現状役者が圧倒的なのではないか。
脚本や演出は一度見なければわからないですよね。
けど役者は他の作品を見ていれば知ることができる。
団体も、あらすじも知らなくても
その役者を知っていれば「絶対に満足できる要因」になり得る。
ここで、ちょっと引っかかったのは
演劇って役者を観に行ってるの……?
「そうだよ!」という声も「違うよ!」という声も聞こえてきそうですが
アンケート的にはそう推測するのが自然だと思います。
でも、演劇の歴史にもあるように
もともと演劇とは人々にわかりやすく思想を伝えるためのものなんじゃないの……?
もっと思想やテーマ、物語にフォーカスした楽しみ方ができるようにするにはどうしたらいいんだろう???
そこで、演劇を観に劇場まで行く動線に必要なものはなんなのか、アンケートをとって観ました。
こちらにもご協力いただいた方々、ありがとうございました!!!!!!
上段の「演劇の事前情報で、知りたいものを教えてください。」では
物語のテーマについて知りたいという意見が圧倒的でした。
これって裏を返せば
テーマもわからないで観てるってこと……?
いや、みなさんなんとなくはわかると思うのです。
だってフライヤーには画像があることが多いし、あらすじだって乗っている。
けれど、確かに「テーマ」という題で発信している人は少ないな、とも思いました。
いや私の見てる範囲なんてたかがしれているけれど。
これは私の持論なのですが
演劇の中には必ず思想があると思うのです。
「こういうテーマについて表現した」というのも
「ただ笑わせたい、頭空っぽにしてほしい」というのも
その団体の思想じゃないですか。
そこ、もっと、知りたいかも。
下段の方は「演劇の事前情報で、知りたくないものを教えてください。」というアンケートです。
こちらは演出が圧倒的で、多分思想じゃなくて表現に関わることは知りたくないんだろうな、と思いました。(衣装とかってどっちに入るんだろ)
観劇までの動線
これはインスタの共有フローを参考にしています。
まぁ大体の流れは同じなんじゃない?とは思うのですが、ちょっと違うかも。要検討ですね。
私はこの中の
情報収集について考えました。
これかなり賛否両論なスライドだと思うのですが載せますね。
炎上しませんように。。。
既存の演劇メディアってたくさんありますよね。
しばいのまちさんは私もお世話になったし、他のサイトも魅力的。
けれど、私の求める事前情報が載っている記事は、ほとんどありませんでした。
現在の情報は
あらすじ、日時、場所、出演者、役者Twitterがメインかと思います。
団体によってはHPもありますよね。
そこに、
物語のテーマ、制作側の想い、あとこれは余談かもだけど人物相関図があれば
役者や団体を知らなくても観劇へのハードルが下がるのではないか、と考えました。
イメージして欲しいのは、「情熱大陸」や「ゲンバビト」など、人の心や思想に迫った番組のようなもの。
卒制では一応メディアということになっているので
インタビュー動画とかなんかも作りたいと思ってます。
メインは記事メディアだけど、5Gの時代もくるし。
ご協力いただける方、絶賛募集中です。
神奈川東京ならどこでも行きます。
イメージしている内容は
例えば照明さんなら
「舞台の空間をつくることにどんな価値を見出して、何を美学にしてるのか」
みたいなことが聞きたいです。
脚本家さんなら
「この脚本を書くにあたって、何を感じて何を思い、それに対する考えは何なのか」
とか。
「人の想い」にフォーカスしたいのです。
娯楽と思想をもっと融合できないの?
先程お話した歴史から考えてます。
最初は宗教の布教から始まり、
中世になると貧富を問わない娯楽、そして作品が共通言語になっていきます。
現代は完全に娯楽寄り。
考察ツイートって少ないですよね……。
これは友達と話していたのですが
ドラマの後の感想ツイートがめっちゃ楽しい、と。
「あなたの番です」がやばいらしいです。
伏線のオンパレード。考察の嵐。
そういうことを発信してる方もいっぱいいるし、それをフォローして見てる人はめちゃくちゃいる。何万という単位のフォロワー。
別にドラマみたいに考察の嵐にしたいわけではないのですが
そういう場所があってもいいよね!とは思います。
その作品を観てどう思ったのか
何を感じたのか
どう自分の中で受け止めたのか。
なんか、そういう語れる場所があってもいいじゃない?
劇団ごとにタグつくって、
それに関連する演劇従事者の記事つけて
その下に感想考察を掲示板のように載せていく。
そうやって、自分が安心できる楽しみの保証の手助けができないかなぁ。
模索中です。
社会に還元する表現
私は、これらの一連の想いを
「社会に還元する表現」
というビジョンにしました。
社会に還元するって言葉が大きいですが、
ビジョンというのは私の学科では
「なりたい未来を言語化する」
みたいなニュアンスです。
だから主語がでかい。
意味としては、
演劇従事者が発信する表現が
従事者本人や観劇者がどう受け止めて
自分が何を思って
そこから心の中だけでも、もしかしたら行動としてアクションがあれば
それは社会に何かちょっとだけ刺激を与えることになるのではないか。
そんな社会に生きる私たちが、誰かの想いを受け止めることによって
ちょっとだけ見える方向が変わったり
ちょっとだけ踏み出せるような
そんな「ほんのちょっとのアクション」が結果的に社会になんらかの利益として還元されるんじゃないか。
そんな未来を目指したいと思います。
目指したいメディア
この図は、メディアに載せたいことを表したものです。
本当は技術も入れたかったのだけれど
演劇にあまり関わりがない人が見たら混乱させてしまったのでここでは省いています。本当はやりたいよ!
それぞれの立場から聞きたいことはたくさんあるのですが
「プロフェッショナル 仕事の流儀」の最後に
「あなたにとってプロフェッショナルとは」という質問が毎回されるように
このメディアでは
「私にとって演劇とは」
「これから、私はどう生きていきたいんだろう」
という質問をしたいと思っています。
どう生きていきたいんだろうって、全ての人に関わることだと思うのです。
どんなに些細なことでもいい。
「こうありたい」と願うことが
私達の思想を作っていると思うのです。
その「ありかた」を、
演劇というフィルターを通して伝えることができるのならば
思想であり娯楽であり、観劇のきっかけであり生きる意味でもあることを
ほんのちょっとでも、誰かの何かが変わって
社会にちょっとだけ還元されるのではないか。
そんな願いも込めて、このメディアを作っていきたいと思います。
おわりに
ながーーーーい記事を読んで頂きありがとうございました。
「こんなもの作ってなんのためになるんだクソ!」
という意見もあるかと思いますが、
それは申し訳ないけど私はやりたいのでやろうと思います。
助言アドバイス大歓迎。
ぜひぜひコメントでもTwitterでも!!
【追記】
フィードバックをくれた教授からは、
「演劇は複合的要素から成り立っている
切っても切り離せない関係にあるものがあるのではないか(実際演劇は総合芸術と呼ばれている)
問題提起が「娯楽と思想を伝えるメディア」と言っているので、
音楽とかアートとかも似たような文脈に入るよね、まぁその辺よくわかんないけど。
メディアとしての文脈としてどこをどう繋げていくのかは楽しいけれど難しいと思う。」
というお言葉をいただきました。
【追記終わり】
実際に20人くらいに取材したいので
協力してくださる方も絶賛募集中です。
8〜9月の間を予定してます。
都内と神奈川なら出ていきます。呼び出してください。
顔出しokなのと、あくまでも研究なので成果発表のような形で出して良い方という限定ですが……。
近いうちに公演がある方、宣伝も兼ねて是非!!!
お礼は……どうしよう……。
また進んだら報告します!!!
ありがとうございました!!