トパーズの話
11月もそろそろ射手座へと移り変わるこの時期。
今回も姫嶋の好きな石をご紹介していきます。
トパーズといえば、アクセサリーとしても青い石のものを見かけることが多いですよね。メジャーどころだと「ロンドンブルートパーズ」とか。
和名は「黄玉」ですが、イエロー寄りの石はお高いクラシックなジュエリーでしか既製品で見られないイメージ。
何がどう違うのか?
その謎にせまってみようと思います。
トパーズの色を決めるもの
宝石業界では 天然 という表記ひとつとっても、
「掘り出したまま、あるがままの状態」を指しているわけではありません。
「石そのものは、人工的な環境ではなく自然発生したものですよ」
という程度の意味合いをさしているにすぎないんです。
多くの石が人の手によって美しく研磨されていく中、その延長線上でお化粧のような処理を施されることも多々あります。
宝石のお化粧とはつまり、加熱 や 放射線照射 などのこと。
そうしたお化粧によってはじめて市場価値がつく――その最たる石がトパーズなのです。
ブルートパーズ(Fタイプ)
トパーズには2種類あって、青く発色するのは主成分がフッ素のタイプ。
それも、もとは無色透明なトパーズに放射線を照射してうまれることが多いんです。
もちろん、元から青い天然もののトパーズもなくはないけれど。
自然界で放射線を出すものがそこら中にあったら大変ですよね。
そのため天然未処理のブルートパーズは、存在自体がめちゃくちゃレア。
冒頭の「ロンドンブルートパーズ」は、ブルートパーズの中ではもっとも濃い色のグループ。
照射してもどんな色になるかは個体差があるため、色が濃いほど高く評価されます。
ところで、「ロンドン」と冠するからにはイギリスで採れる
……というわけではなく、ロンドンの空の青さを連想させる色から名付けられたそうな。
トパーズは様々な大陸で採れますが、宝石品質がとれる主要な産地はブラジルになります。
インペリアルトパーズ(OHタイプ)
天然未処理の元の色でも、美しいものが割合的に増えるのがこちら。
「この色!」と一言で表現するのは難しいですが、赤~ピンク~オレンジ~イエローの暖色系に発色します。
Fタイプと比べると、トパーズの中で主成分に水酸基(OH2)が含まれるのは少数派。
アクセサリーよりもジュエリーとして用いられるのは、貴重な石だからなんですね。
品数が豊富なのが、オレンジとピンクが混ざり合ったシェリーカラー。
この記事のカバー画像にも設置してあるので、ご参考までに。
イエベ肌には肌なじみが良すぎるので、脇石ダイヤがついたメリハリのあるデザインで身につけたいところ。
単独で身につけてもひときわ目を引く青みピンクの石は、OHタイプのイエロー or 褐色トパーズに加熱処理を施したものが多いです。
シェリーカラーよりは処理石が多いだろう、とふんでいるのですが……
意外とこの青みピンクをなかなか見かけないんだな。
処理を施しても、狙った通りの色が出るとは限らないのかもしれません。
Fタイプのトパーズと比べて、シュッとした細長い結晶で採れることが多いOHタイプ。
研磨でカラット数(重さ)が減ると職人の報酬も減るため、なるべく目減りを最小限にできる長方形や楕円形などにカットされます。
占い的に見たトパーズ
その昔、トパーズがよく取れたとされる島が紅海にあったそうで。
いつも深い霧に覆われたその島を見つけるのが困難だったことから、
ギリシャ語の「探し求める」がトパーズの語源になったとのこと。
冒険好きで未知のジャンルにも好奇心旺盛な、射手座さんにお似合いの石。
ときどきスケールのでかい知性を発揮されるのは、ロンドンブルートパーズの深い青がサポートしてくれるからなのかもしれません。
日本から最も遠い、南米ブラジルとのご縁が深い石。
より遠くへ行きたい時にはきっと、力を貸してくれるはずです。
トパーズを持つ貴方が、行きたいところへ自由に向かえますように。
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