天秤座新月に思うこと
鑑定では占星術を使っていませんが、せっかく学んだことは使わないと忘れてしまうもの。
頭の体操もかねて、今月もチャートを見てみることにしましょう。
ここが気になる、天秤座新月
2ハウス天秤座で起きる新月の近くには、
言葉や思考の星・水星☿と、過去との強い縁を示すドラゴンテイルがある。
アセンダントが乙女座であるこのチャートにおいて、水星はチャートを代表するルーラー(支配星)というわけです。
新月の場所、天体の数、チャートルーラーの場所……
とにかく強調されている2ハウスとは何ぞや?という話から始めるとしましょう。
2ハウスの反対側にある8ハウスは、他者からの相続や継承などの形で後天的に手に入れるものを指すこともあります。
その反対ということは、2ハウスが示すのは「物心ついた頃から既に持っていたもの」。
物質的な豊かさ(お金や不動産など)を持つ実家や、あるいは親から遺伝した才能かもしれません。
天秤座のルーラーは美と調和の星・金星。生まれた時に親から遺伝するものの一つである「容姿」も関心事の一つになりそうです。
豊かさや美しさを決めるもの、って?
物事の価値は、どんな基準で決まると思いますか?
ある絵を「美しい」と評価するために必要なことは、何なのだろう。
おそらくですが、まずは他の絵と比べるしかないと思います。
「この絵は美しい」と言えるだけの、客観的な根拠が必要だからです。
天秤座の考える美しさは、決して独りよがりであってはならない。
二つのものを天秤にかけて比べて、また別のものを比べて、とことん比べぬいた結果の総合芸術。
多くの人を納得させられる 客観性 が、天秤座の強みです。
ただ、比べ続けているとたまに、足りないものにばかり目が行くことがあります。
謙虚は美徳ですが、
「あの人に比べたら大したことない、全然ダメ」
とせっかく持って生まれたものを過小評価しちゃうのはどうなんでしょう。
誰かよりもすごいと言えるものでなければ、無価値なのでしょうか?
「持っている」ということ
2ハウスと縁が深い星座(ナチュラルサイン)は牡牛座。
天秤座とは対照的に、たとえ独りよがりに映ったとしても、自分の絶対的な感覚を信頼している星座です。
誰かと比べると大したことない才能だったとしても、客観的に見ると
「持ってない人よりは確実に持っている」
と言えることがあります。
息をするかのように苦労せずできることなら、なおさらです。
「客観的にあるかないかで言えば ある んだから才能ありってことで……!」
自分の能力を信頼する根拠は、その程度でもいいのではないかしら。
「すごいものを持った人でないと認めてもらえない、幸せになれない」
……そんな価値観で世の中が回っているのだとしたら、とっくに大多数の人が淘汰されて息苦しい世界になっているはず。
運よく幸せになれる側に残れたとして、残された人間の中でまた序列を争うことになります。そんな世界は嫌すぎる……!!
生まれ持ったものがすごいかどうかにこだわるよりも、
自分を生かせる場所や、逆に何が苦手かを分かっている人の方が、
のぞむ未来をしたたかに引き寄せているように見えます。
運さえも味方につける「持っている」人。こっち目指した方がいいのかも。
過去との因縁にお別れを
新月のそばにある、過去との強い縁を示すドラゴンテイル。
やりたいことをやって自分の能力を開発するより、周囲の期待に応えることを長く優先せざるを得なかった人には、風向きが変わる出来事がありそう。
自分の能力をどう生かしていけるかは、新月の近くにあるチャートルーラーの水星が握っています。
天秤座は交渉ごとには強いサイン。言語や思考の星・水星をうまく使って自分の意見を伝えられるなら、タフな場面も乗り切れるはず。
天秤座の対向サインである牡羊座は、あまり人の顔色を伺いません。
他の誰にも替えがきかない「自分」という存在
――その尊さを生きている星座、なのだと思います。
つい「周りがどう思うか」を気にしてしまうクセがある人は、牡羊座の生態を知ってまねてみるところから始めるのはいかがでしょうか。
皆さんが新月の願いを叶えられるよう祈りながら、今日はここでお暇しようと思います。