「地罰上らば竜の降る」初見プレイと振り返り反省会を見た感想

はじめに

「地罰上らば竜の降る」(以下「地罰」)
初見プレイが終わり、反省会を見てきました。

結論から言うと、面白くなかった、が評価です。途中で投げました。
個人の感想にしかならないとわかっていながら引っかかる所、反省会を踏まえてそれじゃ改善しなくね?あたりを書いていこうと思います。

キャラの行動

まずはキャラ操作、多すぎ
PvPを目標にしているため読み合いの機会を増やしたい、上達の幅が大きく達成感や爽快感につながるという思惑は伝わりました。

ただ正直な話戦闘にスティック操作が絡む話が動画で登場した時点で(この人フォーオナーが過疎ゲーなの知らんのかな)とは危惧していて、その心配が裏切られることはありませんでした。
一つずつ見ていきましょう。

攻撃

武器種毎に連撃のシステムがあり、武器と相性のいい方向にスティック入力を行うことで初段が当たった相手はガード、回避を差し込むことができないというシステムです。しかも攻撃はコンボの途切れがないので相手が対応してくるまで攻撃し放題!

じゃあ初段ゲーじゃねえか!

正解!ただし初心者同士のPvPであれば。
こちらが差し込める行動にパリィがあり、パリィで対応していく形になります。これは後述。
ただ、チュートリアルが絶望的に不親切で、コンボについて教えてもらえるのは特定の場所のみ、そのタイミングでメモでも取っておかないといざ忘れたときにその場所まで戻る必要があります。
せめてメニュー画面で確認させて。

回避

これ、ちょっと厄介なのが無敵判定ないんですよね。回避が無敵だと回避ゲーになる可能性もあるためこれは製作者の好みでいいと思います。(私は嫌いですが)

相手の重撃(強攻撃)を方向入力してかつタイミングよく回避すると巧避発動!相手のスキを付いてチャンスが生まれます!こんなに難しいテクニックだからよほどの大ダメージが出るんだろうなぁ!
 
えー、一発攻撃当てられるだけです。
その後連撃、と繋げていくわけですが2発目以降は相手もパリィの選択肢があります。

後述するパリィでもそうなんですけどこのゲーム行動に対するリターンがなさすぎるんですよね…PvPで攻めている側が有利になり続けるのを防ぎたいのかもしれませんがあまりに弱行動すぎる。

もう一点、これは私の直感の話になるんですが、回避に無敵判定が無いゲームで上攻撃に対する巧避だけは相手に突っ込むようにスティックを倒して回避をしないといけないのがどうにも直感に反しているような気がします。それがOKならどの攻撃も相手とすれ違うように回避できない?と思いました。

パリィ

攻撃をはじく、アクションRPGではもはやおなじみの行動です。
回避と同じく方向入力とタイミングが必要になります。
もちろん問題点も回避と同じ、リターンなんてものはない。

ここでさらに面倒なのがNPCはほぼ確実にパリィを成功させてくるという点。アプデで多少改善されたらしいのですが、大体2,3段目でパリィされ、相手のターンがスタート。NPCは理想的なコンボを確実に実行する上、こちらは相手の武器のモーションを覚えていない。運と反射に任せたパリィをするかNPCが追撃の手を緩めるまでお手玉されます。

ソウルシリーズをはじめ、ボタン一つで行えるパリィには慣れている人が多いと思いますので、パリィの難易度を上げることについてはいいと思います。リターンがなさすぎる。リターンが。

ガード(澄眼)

戦闘中、ガードボタンを押している時に限り相手のHPとスタミナ、そして現在入力している方向を見ることができます。ここの問題点は大半がUI(後述)です。
このシステムを見たとき、このゲームは1対多を想定していないんだなぁと思ってしまいました。
澄眼中は足が極端に遅くなり、ロックオンしている敵の情報しか見られなくなる。これは対多人数戦において大きなデバフで、いちいちロックオン→澄眼をして相手の体力を確認、その遅い足で立ち位置を調整、など敵を一人増やすだけでも簡単に難易度が変わってしまう仕組みだと思います。

契技と地罰

契技はスキルです。方向指定とR2の単押し長押しで8種類の技が出ます。使いすぎると「地罰」を受け、地面から突如生えてくる氷柱に突き上げられます。
契技は悪くないシステムだとは思うのですが、いかんせん数が多い。装備にも言えることではありますが、いくら種類が多くても状況やプレイスタイルによって使う技の選択肢は限られます。4つセットできれば十分じゃないでしょうか。
契技では攻撃の時にはなかった問題が発生します。スティック+R2を使う関係上、スキル選択のミスが起きやすい。攻撃はまだ攻撃が出るのでいいものの、契技は隙も消費も移動方向もすべてが違うスキルが簡単に暴発します。
地罰を受けないようにリセットである「地契」を行うことで地罰を回避することは可能ですが、地契を行う際にも契技が暴発→地罰が多発します。敵から離れて即使いたい行動でスティックから手を離さないといけないのはキツイ。
さて、お仕置き担当の地罰ですがこちらにも問題が。
いつ氷柱が生えてくるかわからん!
一応自キャラの周りにあるびりびりエフェクトの濃さで大体はわかりますが目安でしかなく、そして見誤った時の罰が大きすぎる。そして超反応ができるNPCは速攻でその氷柱を壊してくるため地罰→爆破のコンボが確実に入ります。氷柱の爆破に関してはオブジェクトを利用した読み合いというコンセプトより壊したもん勝ちのイメージしか感じませんでした。

戦闘システムの総評

この行動で共通するのは反射神経と暗記能力任せすぎるという点。
入力するべき方向は相手の攻撃の瞬間までわからず、武器のモーション(強弱攻撃×4方向)を覚えていなければ回避orパリィの選択が完全に反射任せになってしまいます。
もう一つはリスクに対するリターンが無い点。
スタミナが多いため防御のデメリットが少なく、ダメージをもらう可能性のある回避とパリィのメリットも少ない。

開発者と同じくらいゲームシステムに慣れることができれば爽快感も生まれてくるのでしょうが、そこまでやりこむ人だけを選別するゲームを製作するんですか?という感じです。

UI

澄眼中に見ることができる相手のステータス表示について、HPスタミナ、相手の入力方向、そしてロックオン表示
HPとスタミナは非常に見づらいサイズをしており、スタミナ回復のためには澄眼をやめる必要があることを考えると見えていない時間のほうが多く、ほぼ表示なし状態でした。

HP表示が色だけなのも引っかかる所で、戦う際の目安にすらなっていないと感じます。
ソウルシリーズにおいて初見の敵と戦うとき、相手との力量差を測る一番の方法は一発殴ることです。相手に対して今の武器がどのくらいダメージを与えられるのか、それが相手HPの何割くらいなのか。これがわかるだけで今自分が進めている状態が相応か一目で確認できます
もちろん「地罰」も数発殴って色の変化を見ることで確認はできますが、数発殴ることすら難しいゲームでそれはちょっと無理がある。
アクションRPGということは装備やレベルによってHPが変化するだろうということも加味すると相手の状態を早い段階で確認できないのはデメリットでしかありません。

HP表示と同時に表示されるロックオン表示もわかりづらいポイントで、澄眼しないとロックオンしているかどうかすらわかりません。ロックオンの追従性能がそこまで高くないのも相まってちょこちょこロックオンを外す必要が出てくるのですが、これと非常に相性が悪い

HPの表示は製作者のこだわりでもあるはずなので簡単にバーにしろとは言えないものではありますが、結局相手のHPを色で確認しなくてはいけないなら「リンク感を切らない」は達成できていない(それが見づらいUIならなおさら)ため、総見直しレベルが必要であると感じました。

NPC

NPC超反応過ぎ!
製作者の動画を見る限りではシステムに慣れればNPCとの戦闘は快適になる。同じ行動を繰り返すとNPC側が学習して反撃されやすくなる。等々、強行動擦りをとがめる仕様になっていそうなイメージを持っていました。

始まってみたらなんですかこの最強NPCは…
まず学習前ですら反応が異様に早い。学習されます!と言われても正直差がわからないレベル。
NPCの成長速度が異常なゲームとして「エイリアン アイソレーション」が有名で、詰みがあり得るレベルのゲームも存在はしています。ただ、このゲームはホラーゲームであり、倒すことは目的でない。さらに言うとエイリアンは同一個体であるのに対し、「地罰」のNPCは初対面のはずなのにこちらの行動を学習している、というちぐはぐ感もあり違和感が生まれています。
PvPの実装も予定しているゲームなのでオフラインにおけるNPCはボスや他のプレイヤーと戦うための練習台にもなる相手のはずなのにこの強さは少々重たすぎるかと。

反省会メモへの感想

反省会、見ました。せっかくなのでメモに沿って思ったことを書いておこうと思います。

・タイトル
特に変更もいらないと思う。変わったとしてもそこまで。
・直感的な操作への変更
歓迎。モーションの用意が多いので操作数を減らしてもスタイリッシュさを残すことはできると思う。
・行間を読ませるチュートリアル
今回の体験版におけるチュートリアルの失敗はそこではなく、練習の場がなさ過ぎたところ。ソウルシリーズにおける折れ直亡者的な存在や案山子のような練習相手がいるだけで大きく緩和されるはず。
・システムの見直しと要素のそぎ落とし
全体的に必要だと思う。やらないとハメ殺される、からこんな手段もあります、にシフトされると期待してます。

・対人戦の切り捨て
これ、今回の反省会で一番このゲームを腐らせるなと確信した部分です。
後述のシステムの改修案で出てきますが、方向指定やコンボは残るような予定があります。これが何を引き起こすかというとPvEで修練を積んだプレイヤーのみが蔓延るPvPサーバーが誕生します。今のシステムのままで想定すると全員が2段目パリィ→1段確定からの2段目パリィが延々と続き、ミスをしたら負け、という餅つきゲーになる未来しか見えません。そうなれば新規を獲得できるコンテンツにはなり得ません。
もちろん、オフライン側が支持を受けてPvPで加速、となればいいですが、PvPを実装しないことすら視野に入れるべきだと思います。

システムの再構想

全体的に変更点が多すぎると思います。ここまで変えてまた不評だった時にどう修正を加えていくつもりなんだろう、と心配になる内容です。

・パリィと回避
リターンが大きく、方向入力の難度が多少下がるだけで十分だと思っていたので方向指定なしへの変更はやりすぎかなと感じます。個性の排除にしかならないような気が…

・HPとスタミナ
表示さえ見やすくなればいいと思います。ただ自キャラの足元ってあまりに特殊でモンハン、ソウルシリーズ、ブレワイ、どのゲームも左上なのはやっぱり見やすいから。UIを画面の四隅に配置する手法は使い古されたテンプレートのように見えますがそれが覆されないのは完成してるからだと思うんですよね。
澄眼の廃止は大歓迎です。ぜひ。

・方向UI
キャラの外側360°囲う円があるってリンク感損ないませんか?主張の強いデザインへの変更で十分で、猶予を増やすほうが優先されると思います。速撃重撃は確かに現状あまりにもわかりづらいので歓迎。

・地罰
地罰の発生から破壊までのテンポが速すぎてコンボの要素の一つにしかなっていなくて、発生してからしばらく破壊不可オブジェクトにするなどの変更がなされないと読み合いの発生には至らないかと。

・契技
クールタイム。個性無くなります。
地罰システムは地契という大きい隙のある行動の強制、MPシステムはMP回復アイテムの使用による隙、などのデメリットのある行動を起こすために距離をとったりパリィしないといけなかったりと積極的な撤退をさせるから読み合いに深みが出るのであって、クールタイムではガン盾ダッシュ逃げが横行するだけじゃないでしょうか。

・超必
他の戦闘システムに磨きがかかれば要らないです。というか前述の要素のそぎ落としから始めてください

最後に

体験版のアップデートで変更が続いていくと思いますので、今後の変更に期待しています。
動画を追ってきた人間としてはこだわりを捨てて今Steamにあふれている量産型ソウルライクになることだけは避けて欲しくて、でも既存のゲームがなぜそのシステムを使用しているのか、主流のゲームには「地罰」にあるシステムが含まれていないのかは考え続けて開発をしてほしいと思います。

以上、ソウルシリーズファンの戯言でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?