ひめりんご & 平蔵 (Himeringo & Heizo)

自己主張と喜怒哀楽の激しい女の子、チワプーの「ひめりんご」とおとぼけで甘えん坊のトイプー「平蔵」の日常を、親ばかのママと父ちゃんが記します。楽しい情報のご紹介だけでなく、あまり知られていないペット業界・医療の闇(と光)も明らかにしていきます。

ひめりんご & 平蔵 (Himeringo & Heizo)

自己主張と喜怒哀楽の激しい女の子、チワプーの「ひめりんご」とおとぼけで甘えん坊のトイプー「平蔵」の日常を、親ばかのママと父ちゃんが記します。楽しい情報のご紹介だけでなく、あまり知られていないペット業界・医療の闇(と光)も明らかにしていきます。

マガジン

  • 避妊・去勢手術のメリット、デメリット

    最近では、「当然のこと」のように考えられている印象の強い犬の避妊・去勢手術。そのメリットとデメリットを詳しく調査しました。

  • 混合ワクチンのリスクとメリット

    健康全般(避妊・去勢手術以外)についてまとめます

  • 狂犬病について考える:潜伏期間やワクチンの有効期間

    定期接種が義務とされている狂犬病ワクチン。「根拠」の中身を調べると、純粋な獣医療や科学以外の力が働いている印象を受けます。現在の狂犬病予防法では1年に1回のワクチン接種が飼い主の義務です。終戦直後の70年以上前の法律に、変更の必要性はないんでしょうか?

  • 動物愛護の色々

    日本の動物愛護法や海外事情など、社会ネタをまとめます

  • 幸せな「犬生」のために:無秩序な繁殖と遺伝性疾患

    大切な家族の一員である愛犬たちには、できるだけ健康で幸せに過ごして欲しいと願うのが愛犬家でしょう。モラルに欠ける繁殖業者の無秩序な繁殖によって、その願いが打ち砕かれることが少なくないようです。毎週末、1話完結で様々なエピソードをご紹介します。犬たちの幸せのために、考えるきっかけになれば幸いです。

最近の記事

犬に不妊去勢手術を行うリスク② - ガンの発症 -

前回は世界小動物獣医師会(WSAVA)が、犬と猫の不妊去勢手術に関するガイドラインを初めて発行したことをご紹介しました。今回は、手術後に女の子に発症リスクが上がると言われる病気の中で、悪性腫瘍、つまりガンに関する部分を日本語にしました。 皮膚に近い部分にできる"肥満細胞腫" "肥満細胞"と言っても、太り過ぎの"肥満"とは関係ありません。英語ではmast cell(マスト細胞)と呼び、主にアレルギー反応に関連しているそうです。皮膚や皮下組織、内臓など体中に広く存在している細

    • 犬に不妊去勢手術を行うリスク① - ひめりんごが手術を受けました

      先日、ひめりんごが手術を受けました。定期健康診断で受けたエコー検査で、水が溜まったような子宮の拡大(腫れ?)が見つかったんです。まったく症状はなかったのですが、進行して色々な問題が生じる前に子宮と卵巣の摘出に踏み切りました。 不妊手術のデメリットと病気のリスク このブログには繰り返し書いていますが、性腺の切除(いわゆる不妊去勢手術)には分からないことも含めてリスクもたくさんあります。100%の"正解"は世界一の獣医さんでも出せませんが、素人なりに最新の獣医学論文などエビデ

      • 羽田の事故で改めて考えた: わんこの命と健康は私たち次第

        「ペットは家族!」 JAL機の事故で2匹のペットが亡くなりました。痛ましいニュースを受けて高まったのが、「動物たちは家族だ!」という声。私も100%賛同します。前回書きましたが、この出来事が、事実に基づいた建設的で冷静な議論のきっかけになって欲しいと思います。それが、失われた2つの命を無駄にしない唯一の方法じゃないかな。 みんなが願うのは、シンプルに「この子たち」の幸せですよね。私も同じです。そこで改めて、わんこたちの命を守ることについて考えてみました。大切な家族の健康を

        • ペットを飛行機の客室に持込む是非

          「ペットは家族だ!」「動物は物じゃない!」 羽田空港で発生した飛行機事故で、JAL機の荷室に預けられていた2匹のペットが犠牲になったそうです。それについて、SNS上で意見が交わされています。犬や猫が、飛行機の客室内で家族と一緒に過ごすのを認めるべきだという意見が高まりました。同時に反対意見も多く聞かれるようになりました。 この機会に、ペットの客室内持ち込みについて整理してみました。色々誤解もあるようなので…。 事実を知る大切さ 様々な意見の中には、事実を踏まえていない

        マガジン

        • 避妊・去勢手術のメリット、デメリット
          9本
        • 混合ワクチンのリスクとメリット
          4本
        • 狂犬病について考える:潜伏期間やワクチンの有効期間
          17本
        • 動物愛護の色々
          17本
        • 幸せな「犬生」のために:無秩序な繁殖と遺伝性疾患
          17本
        • ペットショップというビジネス
          8本

        記事

          狂犬病をまた考える⑥農水省を批判した獣医さんたち

          前回は、犬以外の動物に対する狂犬病予防の必要性を考えてみました。一方、犬に対しては、今はもっと安全で確実な方法があります。必要ない注射で体調を崩したり命を危険に晒したりするのも、ワクチンが効かない体質で病気に感染するのも、全部避けられるのに…。 さて今回は、狂犬病予防を検疫という観点から考えます。毎年のワクチン接種のみをSNSでことさら強調する獣医師(を名乗るアカウント)が、同じような熱量で農林水産省を批判したことがありました。口々に「エビデンスを示せ!」としていたのが印象

          狂犬病をまた考える⑥農水省を批判した獣医さんたち

          狂犬病をまた考える⑤ノーガードの動物は放置?

          前回は、アメリカの状況をご紹介しました。あの国では、狂犬病を人間にうつす動物は、ほとんどがコウモリです。また、イヌだけでなくネコも狂犬病ワクチン接種の対象です。この病気は、すべての哺乳類が感染するからです。 でも、日本ではイヌだけにワクチン接種が義務付けられ、ネコをはじめ全てのペットはノーガード。野生化した愛玩動物や、野生動物への対策も行われていません。 イヌへの狂犬病ワクチン接種はとても強く訴える一部の獣医師からも、この状況に関する意見はほとんど聞かれません。今回は、イ

          狂犬病をまた考える⑤ノーガードの動物は放置?

          狂犬病をまた考える④イヌからの感染はゼロ

          前回、「99%までがイヌからの感染」という表現について、WHO(世界保健機関)などの文書やデータを基に考えてみました。この表現は、狂犬病がまん延している地域に向けた象徴的な意味合いが強いと感じます。今後、疫学や感染症、医療統計などの専門家を探して、論理的な検証をしてみます。 さて今回は、同じ話題を別の視点からご紹介します。アメリカでは、狂犬病による数名の死者が毎年報告されています。医療体制や衛生環境、経済、動物との関わり方など様々な観点から、前回のタンザニアのケースよりも私

          狂犬病をまた考える④イヌからの感染はゼロ

          狂犬病をまた考える③"ほとんどがイヌから"?

          前回は、狂犬病予防の選択肢として、抗体検査による免疫力のチェックを加えるべきだと考える理由をご紹介しました。発症した場合の致死率がほぼ100%という怖い病気に対して、もっと効果的で、かつ、愛犬にとっても安全な予防につながるはずです。   今回からは、イヌに限定したワクチン接種が、現在の日本で本当に妥当で充分なのかを考えてみます。 「ほとんどがイヌからの感染」という表現 世界保健機関(WHO)や国際獣疫事務局(OIE)などが発行する文書に、人間が狂犬病に罹る場合「ほとんどは

          狂犬病をまた考える③"ほとんどがイヌから"?

          繁殖を禁じられたブリーダー⑩心強い味方現る!

          犬の福祉向上を求めた裁判についてご紹介しているノルウェーから、明るいニュースが届きました。心強い味方が現れたそうです。今回は、ブルドッグとキャバリアの繁殖に関する裁判の最新情報をご紹介します。 おさらい:犬を苦しめる無秩序な繁殖 NSPA (Norwegian Society for Protection of Animals≒ノルウェー動物保護協会)は、長年にわたり動物福祉向上のための努力を続けています。どの国も同じで、課題は山積みだそうです。その中でも、無秩序な繁殖が

          繁殖を禁じられたブリーダー⑩心強い味方現る!

          狂犬病をまた考える②もっと安全で効果的な予防法があるのに…

          前回、狂犬病ワクチン接種のタイミングは慎重に判断する方が安心なことをご紹介しました。毎年、少なくとも30頭ほどが注射の後で体調を崩し、約10頭が亡くなっています。愛犬の健康と命を守れるのは、私たち家族だけ。 さて今回は、できてから73年も経っている「狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)」(以下、法律)についてもう少しご紹介します。現代の科学に基づけば、単純に毎年ワクチンを打ち続けるよりも安全で効果的な方法があるんです。人間にとっても、犬にとっても。でも、それは認め

          狂犬病をまた考える②もっと安全で効果的な予防法があるのに…

          狂犬病をまた考える①春のワクチン接種は "目安"

          春ですね~!桜の開花宣言も聞かれるようになりました。日も長くなり、わんことのお散歩には絶好のシーズン。ウチはこの時期、早咲きの河津桜を見に行きます。柔らかい日差しのもと、かわいいピンク色をたっぷり楽しんできました。 この時期のあんまり嬉しくないモノ ステキな季節ですが、この時期、わんこたちにはあんまり嬉しくないものがありますよね。 注射! 「狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)」(以下、法律)によって、わんこ(だけ)に毎年ワクチンを打つことが義務付けられてい

          狂犬病をまた考える①春のワクチン接種は "目安"

          繁殖を禁じられたブリーダー⑨:ペットショップに期待したいこと

          前回まとめたように、“不適切な”生体販売やそのための繁殖はなくしていくべきです。残念ながら現状では、多くのペットショップや繁殖業者、それから競りあっせん場に改善すべき点が見られます。でも、“命”を扱う重さをこの業界が理解してくれれば、「みんながハッピーで利益も増えるしくみ」が作れると思うのです…。   ということで、今回はあえてペットショップのメリットについて期待を込めて整理してみました。出会いの場と業界を変える可能性という2つの役割が思いつきます。みなさんは、どう思いますか

          繁殖を禁じられたブリーダー⑨:ペットショップに期待したいこと

          繁殖を禁じられたブリーダー⑧:「欧米では…」???

          前回は日本で行われている犬の生体販売について、改善して欲しいと思う点を改めてまとめました。繁殖や飼育管理、さらに販売システムにも課題は多いと感じます。現状では、子犬の販売やそのための繁殖を、「法律で禁止すべきだ」という主張にも感情的には賛成です。   でも、世の中のほとんどがそうであるように、この問題もシンプルではありません。特に個人や企業の活動を国が法律で制限する場合、慎重な検討と運用が求められます。その点で、ノルウェー動物保護協会(NSPA)の論理的で理性的な議論に学ぶこ

          繁殖を禁じられたブリーダー⑧:「欧米では…」???

          繁殖を禁じられたブリーダー⑦:今、私たちが見ている生体販売の問題

          そんな姿勢から、私たちが参考にしたいことを考えてみました。特に“生体販売”の是非や“保護犬”のお迎えについては、論理的で理性的に、丁寧な議論が大切だと思う今日このごろ…。 現在、日本で行われている生体販売には問題が少なくないことは以前もご紹介しました。ただ、よく聞く「生体販売禁止!」という主張には疑問を感じるケースがあります。そこにいく前に、まず今回はペットショップや繁殖業(≒生体販売)の課題を改めて整理しました。 問題が多い生体販売 犬を中心に、愛玩動物(ペット)の販

          繁殖を禁じられたブリーダー⑦:今、私たちが見ている生体販売の問題

          繁殖を禁じられたブリーダー⑥動物福祉向上のためには?

          前回は、ノルウェーで行われた犬の健全なブリーディングに関する控訴審(第2審)の結果をご紹介しました。第1審の判決が覆されてしまったブルドッグについては、今後の議論に注目したいと思います。 今回は、この裁判を起こした組織が動物福祉に取り組む姿勢を少しご紹介します。その上で、動物愛護法など日本の状況についても振り返りつつ、私たちが参考にしたいことを考えてみます。 論理的で理性的な姿勢 以前も書きましたが、目的を明確にして論理的かつ理性的に活動するノルウェー動物保護協会 (N

          繁殖を禁じられたブリーダー⑥動物福祉向上のためには?

          繁殖を禁じられたブリーダー⑤画期的な判決から10か月。犬の福祉が後退?

          ブルドッグとキャバリアのブリーディングに関する裁判がノルウェーで行われています。第一審では、この2犬種の繁殖が違法であると言い渡されました。画期的な判決でしたが、先ごろ開かれた第二審ではその一部が覆える結果になりました。   今後、裁判は最高裁に持ち込まれるのか?その場合、結論はどうなるのか?愛玩動物の福祉に関する国レベルでの裁判に、引き続き注目したいと思います。今回は、これまでの経緯と、そこから改めて学びたいと感じることについて何回かに分けてご紹介します。 これまでの経緯

          繁殖を禁じられたブリーダー⑤画期的な判決から10か月。犬の福祉が後退?