きょう

朝から胸焼けのする話をひとつ。

今日は元々受診の日で、変更になったのでぽっかり空いた。

昨夜、正月中閉じていたマッチングアプリを開いた。ある人とチャットで話が盛り上がり、都合よく明日休みとの事だった。夕方から遠方の友人が来るとの事で、昼間ちょっとお茶しに行くことになった。

いつも直接会う前に電話してみることにしている。案の定というかチャットとは違う印象を持った。曰く電話が苦手とのことで時間決め等の少しだけすることにしたのだが、話し出しから漫談でも始めたのかというような勢いで、笑ってしまった。しばらく話したが少しずつ勢いが衰え、(話しやすくなってきたな)と思ったと同時に(疲れてきたのか)と気づいた。
「そろそろ寝ましょうか。明日寝坊しないためにね。」と言うと、ありがたいというふうにうなづいてラジオDJのように挨拶され終わった。

遊び目的だよ、それでもいい?と初めに確認された。大丈夫、恋人探したかったら他のアプリにしてると答えた。

貞操観念は今やさほど働いていないが「ホテル代を払ってくれること」「ちゃんと避妊具をつけること」「前後で態度を変えないこと」を条件にしている。

ピルを飲んでいることは基本隠している。変に安心する男がいるからだ。妊娠しなくても病気は伝染りますし、100%の効果じゃないし、そのために飲んでるわけじゃないのよ。

カフェのあとホテルに行こうという話になった。いいよ、と言った。

性欲はあるんだかないんだが、自分でもよく分からない。求められること、欲しがられることが嬉しい。私からすると美しくないこの身体はその点では需要が高く、ならば利用しようという程度だ。

帰る時間も、目的も、内容も、あらかじめ伝えてくれるのは、やりやすい。

でも、そんなふうにして出会った元恋人のことをまだ思い出す。今は、まだ好きだと思うことを認めている。なんの繋がりもなく拒否され、はじめから好きではなかったと言われていても、好きでもない相手をあんなに幸福に思わせて大切にしてくれたなら、心から好いたならどれだけ人を幸せにできる人なんだろうと思う。

そう思うからか、今日の予定は気が重い。
あの喋りまくりの声についていけるかな。
彼の声は柔らかい低くさで、分かりやすく楽しそうに話した。

病気にならなければ、
妊娠しなければ、
別にただの行為だと思っていた。

こんなに気が重いのはなんでだろうな。
便秘だからかもな。

解散が早いことだし帰りに何かご褒美を買おう。
映画を見てもいいし、洋服を買ってもいい。
写ルンですが欲しいんだった、それもありだ。
かかとを擦るやつがこの家には無いので、買っておきたいと思っていたんだったな。

事後の自分がどれくらい元気か知らない
どうせ明日は素知らぬ顔でバイトに行く


だれか好いて
わたしのこと