【超ショートショート】(30)~ビーズの指輪~☆アルプスの少女☆(麻丘めぐみさんの名曲・1973)
スイス生まれで育ちの帰国子女の女の子が、
今日、ボクの学校に転校してきた。
(先生)
「じゃあ、あの空(あ)いている席に座って。」
ボクの前の席に座った。
女の子の長くてストレートできれいな黒髪、
「なんていい香りがするんだろう。」
ついつい見惚れていたら、
(女の子)
「あの~、これ!(困)」
学校のお知らせの紙が前から流れてきた。
「あっ!ごめん!(汗苦笑)」
女の子は、
お父さんの仕事のため、
生まれる前にスイスに行って、
そこで生まれたらしい。
スイスのお家は、
アニメの「アルプスの少女ハイジ」のような、
自然の中にあったという。
お休みの日には、
家の近くの牧場(まきば)に遊びに行って、
お花を摘(つ)んだり、絵を書いたり、
牧場(まきば)のオーナーの手作りのブランコで、
よく遊んだと話す。
その牧場(まきば)には、
セントバーナードの犬がいて、
女の子は一人っ子だったから、
いつも姉弟のように一緒にいたという。
女の子のスイスのお話を、
みんなが知るほどに、
名字から名前で呼びはじめ、
「アルプスの少女ハイジ」の話をした日には、
アダ名が「アルプスの少女」になった。
なぜ、「ハイジ」って呼ばなかったかというと、
スイスの学校のアダ名が「ハイジ」だったから、
日本の学校では、違うアダ名が良いと、
女の子がリクエストしたのだ。
放課後、
教室にはボクと「アルプスの少女」だけ。
「あの~、(緊張)」
(アルプスの少女)
「うん?何?(恥笑)」
「ボク、アルプスの牧場みたいな所、
知ってるから、今度一緒に行かない?」
(アルプスの少女)
「・・・・・(困)」
「・・・・・(焦)」
(アルプスの少女)
「じゃあ今度のお休みに、みんなで(笑)」
「・・・・・うん(落胆)」
日曜日、
朝8時集合で、ボクらは、
ある牧場の草原に向かった。
本当は、
ボクだけのヒミツの場所だったが、
みんなにバレてしまい、
今日は、ちょっとガッカリしている。
「アルプスの少女」は、
麦わら帽子に白いワンピース。
風になびくスカートの裾が、
絵を見ているようできれいだった。
別の日曜日、
ボクはひとりで
ヒミツの場所だった牧場に来た。
ただ草原に寝そべって
ちぎれ雲を眺めて、うたたねをした。
さらっさらっ・・・・・
「クシュン!(鼻水)」
(アルプスの少女)
「うふふっ!(笑)」
この日から、
ボクと「アルプスの少女」の
ヒミツの草原デートがはじまった。
クリスマスの日に、
「アルプスの少女」が手作りした
ビーズの指輪をボクにくれた。
(アルプスの少女)
「私とお揃い!(嬉笑)」
「・・・・・(恥嬉)」
ボクは、
この時、いつか本物の指輪を、
「アルプスの少女」にあげると、
心に決めた!
(女性)
「それで、どうなったの?」
「何だよ!(困)」
(女性)
「両思いになったの?付き合ったの?
あっ!初めての彼女?(笑)」
「・・・・・(怒)」
(女性)
「ハッハッハ(笑)。
何怒ってるのよ!(笑)。
むかしの話なんだから、
聞いてもいいでしょう?(笑)」
「聞くって、本当は焼きもち焼いてるくせに(笑)」
(女性)
「ムッ!(怒)」
「・・・・・(笑)」
(女性)
「だって、私が産まれる前の話されて、
なんか悔しいじゃん!」
「何で?」
(女性)
「だって、初恋でしょ?(怒)」
「だから?(笑)」
(女性)
「そんなふうに、
あなたに好きになられる女性(ひと)が、
なんだからとてもうらやましいなって。(哀涙)」
「しょうがないだろう?
子供の頃なんだからさ。(苦笑)」
(女性)
「・・・・・うん(落胆)」
「・・・・・(笑)」
子供の頃の初恋は、
しばらくして終わった。
「アルプスの少女」には、
もうすでに、
スイスに彼氏がいたのだ!
ボクは子供心に、
「あのビーズの指輪は何だったのか?」
と、何度も自問自答した。
するとある日の学校、
「そのビーズの指輪、どうしたの?」
(同じクラスの女子)
「あっ!アルプスの少女からもらったのよ!(笑)」
「えっ!?」
(同じクラスの女子)
「クラス全員にって作ったみたいだよ!(笑)
女子はピンクで、男子はブルーでね。」
「・・・・・(落胆)」
「アルプスの少女」は、
ボクの学校に1年も居なかった。
すぐにスイスに戻る予定だったという。
ボクは、
あのビーズの指輪を、
「アルプスの少女」と草原デートした、
あの場所に埋めてある。
いつか再会したら、
一緒に掘りに行く約束をして。
(制作日 2021.7.4(日))
※この物語はフィクションです。
今日のお話は、
ASKAさんが中学生の頃に好きになった
「麻丘めぐみさん」のシングル曲
『アルプスの少女』を参考に、
お話を書きました。
ASKAさんが中学生の頃に、
当時の地元北海道に、
「麻丘めぐみさん」がラジオの
公開収録で来たらしく、
もちろんASKA少年も見に行ったそうです。
その時に、いろいろあったという、
CHAGE&ASKAのファンクラブ会報の記事を、
今日、たまたま読んでしまいました。
その出来事が、
あまりにも面白すぎて、
今日のお話を考えるのに苦労しました。
ASKAさんのノンフィクションな日常は、
まるでフィクションで、
見るもの、聞くもの、
みんなを笑いの渦へ誘う、
ネタの宝庫っプリは、
天性のものなんだと、
今日、強く確信しています。
今日のお話では、
ASKA少年の恋心の暴走を
テーマに書いたつもりですが、
本物は、
もっと、もっと、もっと、
凄いんですよ!(笑)。
(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/
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参考にした曲は
麻丘めぐみさん
『アルプスの少女』
(1973.10.15発売)
作詞 千家和也
作曲 筒美京平
編曲 筒美京平
※麻丘めぐみさん6枚目のシングル曲
https://m.youtube.com/watch?v=tyk52C38mks
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ASKA ニューシングル
『笑って歩こうよ』『プラネタリウム』
(20201.7.14発売)
☆先行配信中
「ハイレゾ&通常音源」
〈e-onkyo〉
https://www.e-onkyo.com/music/album/ddlb0018/
「通常音源」
〈iTunes Store〉
https://music.apple.com/jp/album/1574434757?app=itunes
〈amazon music〉
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〈mora〉
https://mora.jp/package/43000033/PA00088964-0-1/
〈レコチョク〉
https://recochoku.jp/album/A1017892552