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思いがけないしあわせ・・・。

 大学受験指導、高校受験指導をしていて、とかく実績と言えば、どこに合格したか?ということに、私たち講師も生徒さんも保護者の皆様も、目が行きがちだし、正直、志望校に合格していただくという意味で、全戦全勝を目指していることに変わりはない。

 昨年の春の実績に納得のいかなかった私は、大学受験としての実績としてではなくて、その過程に、どうしても納得がいかなくて、しばらく新しい生徒さんを受け入れる気持ちにならないでいた。その結果が、どうして納得できなかったのかは、あとでわかることになるのだけれど、今年は、それを踏まえて、とにかく後悔しない指導をしたい、と切に願っていた。

 今年は、本当にみんな成長したなあ、と思っている。冬に合宿をしたときに、生徒さん一人一人の顔が、より鮮明に見えたような気がした。今まで、成績が振るわず、いつになったら本気出すのよ!と思っていた生徒さんが、思いがけずリーダーシップを発揮してくれて、この子、社会に出たら、ものすごく活躍できるタイプだなあ、などと発見があった。そんな、人を見る、という点において、私は今年は騙されなかったと思っている。昨年は、成績や、本人が言っている言葉を表面的に私が受け取ってしまって、その奥にあるものをつかみきれなかった。それに比べれば、今年の私は、一人一人の奥にある、何かを見つめることができていたような気がする。


 ある大学受験生だった生徒さんのお父様が、言ってくださった。「合格は副賞みたいなものです。それよりも、この一年、頑張ったことが何よりです。あの、根性なしの子が・・・。」

 私は、これが聞きたかったのだ。ちゃんとうちの子、成長したんですよ、先生。って。

 形の上だけで、○○大学くらいは受かってくれよ・・・、と親御さんのために、ではなくて、うちの子、こんなに成長したんです。という言葉が聞きたかったんだ。

 今年、スタッフになってくれる学生さんは、最初は、入塾したころには、自称コミュ障だったし、1人は、あれこれ理屈を言っては私と言い合いしていた。今は、なんでも言い合える?関係である。そして真面目な努力家Aちゃんは、本当に逃げなくなった。過程からも結果からも。それから、受験直前に10年分の、苦手な過去問を解いて、学校に入って、上位層にいるという強者もいる。ほかの人から見たら、個性的な生徒さんかもしれない。でも、それが普通になるのがチェリー・ブロッサム。誰もが個性を出していいのがうちなんだ、と思えた結果だった。

 前年度までもそうだったけれど、どれほど面談を重ねたことだろう・・・?でも、今年は、なんだか建設的に思えた、お子様の人生を、いかに充実したものにするか、ということを一番に視野に入れておられる親御さんが多かった。もちろん、親のため、なんて感じは全くなかった。だから、私も、安心して、指導できた。

 明日、一つだけまだ合格発表が残ってる。でも、きっとその結果も、みんなで、教室全体で受け止めていくんだろうな、と思っている。

 かつて手伝ってくれていた先生がおっしゃっていた、「チェリーでは、問題があっても、固まらずに、柔らかく発展していくのが不思議でした。」

 昨年までの私は、生徒さんの数が増えるのに、対応するのに精いっぱいで、いつしか事柄に対応し、ときに固い気分になっていたような気がする。今年の私は、じっくり面談をし、合うか合わないかをしっかりと見極め、一人一人をじっくり見つめていたような気がする。

 今年はもう少し生徒さんを受け入れようかな。だって、頼もしいスタッフが増え、それに最近のU先生の頼もしいこと。なんのせ、出張にまで着いて来てくれそうな勢いだったのだから。

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櫻井真弓/国語大好き!(&数学)
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