誠意を尽くしても絶対に伝わらない相手もいる
人それぞれいろんな生育過程を経て今があるので、すべての人とうまく関わることができるとは限らないし、仕事が教育関係だとか言ってるけど、十分に限界があることを知っている。
とはいえ、若いころから今に至るまで、私はまるで自分の限界に挑戦!とばかりにいろんなところで頑張ってきたように思う。
最近、ああ、全然通じていなかったんだなあ・・・、と思われる故人のことを思い出した。
それは別に嫌なこととしてではなくて、そう認定してもいいのではないか?と自分に許可したいだけだ。
誰だって自分の人生を肯定したいので、自分の選択は間違っていなかったと思いたくて、人の思いまで変えようとするということはある。
おかしな話だけれど、お姑さんが過去に、自分の娘さんにおいて、認めたくないことをもっておられて、ずっと周りの人のせいにするのを聞いてきた。
嫁たるもの、最高の条件で、胎教ができるわけでもないし、また時代性もあり、あちこちで聞く嫁の話は、結構我慢を強いられてきたというものが多い。
不幸自慢をするかのように、私の条件が悪かったから、今○○なんです・・・、という人もいる。
お手伝いさんのいるようなご家庭でお育ちになって、中学受験もさせてもらって、そのまま系列の大学に入られた方は、ご兄弟との比較から、
母も私の受験の頃には年取ってて、あんまり力が入らなくて・・・。
とおっしゃるのを不思議な思いで聞いていた。
この年になって、自分が嫁として経験してきたことが、それはまあ、聞けばびっくりされてしまうようなことも多々あるにはあるし、今の時代に?と驚かれたこともたくさんあったが、親世代の女性はもっと忍耐だったろうし、その苦労をさせまいという奇特な人なら別だけれど、
私は我慢してきたから・・・。
とか、
私は言われてきたから・・・。
と自分が一番大変だったかのように語る人もいる。
大変?
大変さに気付いてあげられる人って、どれほどいるのだろうか?
誰かの環境が変わり、自分ならとてもできないようなことでも、自分で決めてきたんやから、という一言で片づけて、自分の子どもの苦労にだけ目を向ける。
でも、わが子だけを思ってやる行為って、経験上、たいてい破綻する。
親のわが子を思う執着心の前に、誰かの誠意など到底通じない。
相手が良い状態ならば嫉み、そして悪い状態ならば喜ぶ、というものであろう。
私は、ことさらわが子だけが可愛い人二人と一生懸命人間関係を良好なものにしようと努力してきたけれど、結局通じてなどいなかったということが嫌というほど分かったことがあった。
相手が誠意だというのも嫌な要素かもしれない。
なぜなら、自分の醜い所をあぶりだされるからである。
というのは、かつてあれこれ話していた人の言である。
大抵誠意ある人というのは強い。
弱いから誰かを攻撃するのだろうと思う。
自分は自分。人は人、と思っていたなら、攻撃も足を引っ張ることも、過剰に世話を要求することも必要がない。
要するに自立できていないのである。
子どもしか人間関係がない人もいる。
というか誰かと心つながろうという気持ちがなくて、自分の人間関係を子どもで完結させようとする人。
自分の言うことは絶対に服従させようという構えの人もいる。
最近、結構お金の問題って大きいのだなと思い始めている。
夫が職場で面白くなかったのだろうか?
いつの間にか、私には分不相応に思われる家を建てることになっていた。
義両親に呼ばれて、何でも援助をしてくださるとのことで、物入からお札の束を取り出された。私ときたら、
こんなことしていただいていいんですか?
お父さん、お母さんも旅行に行かれたり、楽しんでくださいね。
と言った。
帰りに夫が、
○○と言ってたのに、○○はひどいねえ。
と私に言った。
確かに、義両親が、○○援助するとおっしゃっていたのは聞いたことがあったような気がするが、そんなのスルーしていたし、なんで二人で建てる家に援助がいるのか?という考えだった。
しかも、どうも親戚の中では、私が都会出身だから、長男の嫁なのに家を建てたがっているという話になっていたようである。
つまりは夫がうまかったのだろう。
職場でうまくいかないのを、家を建てたり、車を買ったりすることで自分の値打ちを上げたかったのだろう。
私ときたら、マンションでもハイツでも、好きなことができたらいいという人間である。まあ、できれば本を買うことができて、本の収納ができて、ピアノが弾けて、便利でなくともお料理研究ができればよかった。
義母のおばあちゃんから電話が掛かってきた。
真弓ちゃん、あんた、お父さん、いくら出してくれたが?
と聞かれて、とっても変なシチュエーションだと思われたが、
たったそんだけ!?
と言われて、もう私はいったいどうなっているのかわからなかった。
慌てたのは夫で、あれこれあたふた金策をしなければならないようで、学資保険まで解約させられ、私の方のお金も出さされた。
おかしな話だった。
でも、おそらくはおばちゃんは間違っておられた。
出してやりたいのはお父さんの方。お母さんが止めたに決まっているし、自動車の時もそうだった。
お父さんは普通車に、とおっしゃるのに、妹さんが軽自動車に乗っているのに、誰が私に普通車など乗らせるものか?という具合。
家に来た時も、
隣の土地くらい、お父さん、買うてくれたらいいがにねえ・・・。
と言っていたが、よく言うわという話で、いつまでも騙されてなどいない。
その後、家を建ててからもあれこれあった。
夫の予定とは違ったのである。
別にそのためというのではなかったけれど(いや、夫側からは十分そのため?(笑))、私が本格的に働きだした。
ある、特進クラスの合宿に行くとき、それが平日だったので、単身赴任中の夫が不在で、子どもたちの世話ができないということを知っていた義父は、
お前、電話掛けてやれ・・・。
とおっしゃったのに、お義母さんが頑として聞かなかったらしい。
夫が単身赴任先から帰り、次の朝、家からそこまで出勤したのを聞いたお義母さんが、
そやろと思ったわ・・・。
と言っていたらしい。
おまけに働くことが嫌いではない私のことを、
あの子、私に、「お義母さん、お義母さん」言うて頭下げたらいいのに、自分で苦労しとるんや・・・。
と恐ろしいことを言っていたらしい。頭を上げたことなどない。
おそらくは、夫がそれなりに大変だということを話したのではなかろうか?
お義父さんのお葬式の後で、夫が言っていた。
俺、全部お前が悪いと思っててん。違うみたいやねえ。
誰かに諭されでもしたのだろう。
世の中には上手な人がいらっしゃる。
誰かを信じさせて、思い通りに動かす。
その第一の人物は子どもである。
そして、そういうことをする人って、たいてい弱い。
精神的に弱いけれど、結局、それを下支えする能力の問題もあるのかもしれないと思う。
見ていても、その時代に、そういう形で嫁に来て、それまできれいだと言って立てられていて、プライドだけは高いところに、能力的なこともあって、あれこれ言われてこられたのだろう。弱いから、我慢するしかない。
その我慢の記憶が、倍増して、自分が耐えることもできなくて、自分の娘がされたら到底乗り越えられなさそうなことまで嫁に要求する。
そういうのも仕方がないことなのかもしれない。
わが子が一番苦労している。だからできない、と思いたい。
そういう人に、どれだけ誠意を尽くしても無駄だったのだということに気付いた。当然、わが息子はとうに懐柔済みである。
それに息子にとっては優しい母である。
誰かに向かってひどいとも思えない。
でもわからない。
私は唖然としたことがあった。
義母の弟さんの家にお嫁さんが来られて、その叔母さんは、これ見よがしに家にお嫁さんを連れてこられて、仲の良い所をお見せになる。
今度、○○に招待してくれたのよねえ・・・。
とおっしゃっている。
私の出した洋ナシのタルトを、
おいしいさねえ。このアップルパイ。
いやいや、
それはデパートまで行って、わざわざ探して買ってきた明治屋の洋ナシなんです。
とは言わなかったがちょっと寂しかったけど?
そこに私の友人が来てくれたということもあった。
その話をすると、夫は、
いや、わからんで。○○子さんが子どもでもできて、もう出ていかんわ、となったら、○○子さんの性格やったら、いびり倒すて・・・。
おおこわー!
と思った。
いびりたいの?いじめたいの?
誰かが幸せになるのが嫌なの?
それに、そのことをあなたは知ってるの?
その時まで嫁いびりが、自覚のあるものだということさえ知らなかった。
あれほど驚いたことはなかった。
つまりは、嫁いびり確信犯!?
ということは、自分の母親が妻をいびっているのはわかっているということか・・・。
そういうの、意外に強い人ってあっさりしているような気がする。
陰湿に陰険になりがちなのは、むしろ大っぴらではないし、周りからは見えないように隠蔽されやすい構造になっている。
それに、その構図をご本人たちは上手に使って、周りをだませていると思っているが、意外にバレているというものである。
というのも、そういうことを実行している人って、お付き合いの幅が極端に少ない。
あれほど大変な家ない、とか、どうせ、俺らのおらんとこでいじめたんやて言うてたんやけど、などとこっそりおっしゃった方もいらした。
誠意って何だろう?
疲れるほどの誠意って、それっていいのかな?
多勢に無勢でやりたい放題。
悲しくないかな?
と思いつつ、私も同じ立場になったら、やってしまったりするのかな?とそういう状況になったことがないので思ってしまう。
というのも、最近、ある先輩と出会った。
息子さんたちがお嫁さんをもらわれた。
お姑さんになられ、お孫さんもお出来になった。
どうも、お顔が今までと違って、ちょっとこういう表現、なんだけど、美しかったお顔が意地悪な感じになっている。十分に我慢されてきた方である。
内面って顔に出る。
もしかしたら?と思ってしまう。
この負の連鎖、ってどうにかならないものなのだろうか?
あああ、わたしにもそういうところ、あったりするの!?
誰かをいじめたくなったり?
いや、若いころ、職場で、親がえらいさんであることをいいことにサボりまくっている後輩にはガツンとやってことはある。いや、みんなの面前で。(笑)
裏に回ってというのは、性質に合わないとは思うけど、経験したことないことで、あまり人を咎めない方がいいかも。
ただ、誠意とばかりに努力ばかりするのでなくて、
こういう人ね!
と、やけに理想化して良い解釈ばかりするのではなくて、現実は現実。在りを在りとしてちゃんと見つめる勇気をもたなくちゃ!
とはいえ、このアホさ加減だから、何とかやってこられたとも言えるのだけど・・・。(笑)
思いっきり(笑)