見出し画像

めずらしくイケメンが好きになった理由

私の信条というか、好みに、イケメン嫌いで、ブサメンが好きというのがある。
できればワイドで、小さい目。人のよさそうなお顔が大好きなのだ。
これは昔から。
息子が生まれて、生まれたての時には、立派な不細工だったのに、生まれて2~3日して、妹に、

お・と・こ・ま・え・・・。

と評されたときには、正直、

こいつ~!裏切りやがって!

と思ってしまった。

別に私が不細工なのとは関係がないと思う。
ただただ好みの問題。
彫りの深い、いわゆるイケメンで、スラーッと背が高いとなると、もう拒絶反応に近い。

なのに、最近、私はイケメンが好きである。
惹かれている。

それは、

岡田将生!


なんやらチャラそうなイケメン若手俳優だと思っていた。
しかし、

昭和元禄落語心中

を観て、主人公の菊比古に、私は、心底ほれ込んでしまったのである。

おせーてやろーか?死神だよ。

と怖ーいおどろおどろしい表情で語るところなど、老いることも含めて思い切り演じている。

それを観たのは、今年前半のNHKの朝ドラ「虎に翼」で、私の予想を反してヒロイン寅子の再婚相手の裁判官を岡田将生が演じるということが理由であった。

岡田将生って、どんな俳優?

と思っていたのである。

それから「大豆田とわ子と三人の元夫」や、「ゆとりですが何か?」や、そして「トラベルナース」を続けて観たのである。

正直、「虎に翼」の、ヒロインの夫役は、もっと面白い人にしてほしかった。
二人が結局お付き合いすることになるその夜のキスシーンこそ、うぶでかわいくて、この身長差も行けると思ったけれど、どうも航一さんから寅子への愛は感じられても、寅子からの航一への愛に、どうも必然性を感じることができなくて困った。
それに、優三さんなら、

こんな旦那様素敵だなあ・・・。

と思えたけど、そう羨ましくもなったけど、航一さんを

こんな旦那さん、ええわー。

と思ってしまったのである。

このええわ、というのはいらんという意味である。

私はどうも人間臭い人が好きなようである。
小さいことに心を揺らしたり、繊細に自分の周りの人を見つめていたり、別に出世とか名声とかどうのというよりも、人が、その人の内面が好きになってしまいがちなのである。

裁判官なのにね・・・。

かたや司法試験を何度も失敗し、かたや裁判官だというのにね。
だから、関係ないって、そういうの!


どうも何本か作品を観てみたけれど、当然に、ビジュアル的なものを超えようとしている俳優さんのように思えてならない。でも、この人、不器用な面倒くさい人を演じさせたら天下一品だなと思い始めた。

ご本人がご自分のルックスをどう思っておられるかは知らないし、それを迷惑だと思っていることはおそらくないであろうとは思われるけど、まあ、それも可能性としては否定しきれない気もする。(笑)

ドラマの中で、

ルックスと背の高さはばっちりなんだけどねえ・・・。

と何度も言われているのが逆におもしろくなってきて、途中、

そういや、この人イケメンだわ・・・。

と思い始める。
ネタにされ、十分にいじられ、ふてくされてほっぺを膨らませ、十分にかわいい。
これが息子だったら、かなり可愛い、かもしれないかな?いやわからん。(笑)

要するに、ビジュアルから来る制限をとっぱずして、性格俳優になりつつあるのだろう。
その点、「虎に翼」の中では、そうそう不器用でも、いや不器用かな?面倒くさい人でもなかったような気がする。いや、慟哭もしていた。でも、その対象は妻もいるとはいえ、国家レベルの悩みである。
私はもう少し、生活上の小さなことに心を揺らす姿を見ることのできる人が好きである。

もっともっとこだわって、不器用さが現われるとき、もしかしたらちょっぴり母性本能もくすぐられるかもしれない。(笑)


それにしても、「トラベルナース」は、脚本が中園ミホだからか、とっても面白い。何気に脚本家のもう一つの専門でもある占いも出てくる。
もちろん岡田将生の演技もそうであろうけれど、相棒役の中井貴一演じる九鬼の存在なしに、このドラマは語ることができない。

ナース版、あしながおじさんだなんて、素敵すぎる。
それも、主人公歩をずっと支えてきた張本人だったのに、歩みをそばで育て、そして、名相棒としても存在する。

中井貴一は私たちのちょっと上の世代である。
お姉さんの中井貴恵さんが、札幌に住んでおられた同時期に自分も札幌にいた経緯もあり、お姉さんの方にの方が関心がある時期もあった。

でも、中井貴一の、

男の子は父の背中を見て育つというけれど、自分にはその父がいなくて、と気にされているのも知っていたし、大学時代、あまりに女性から安心されていて、女の子が帰りが遅くなっても、中井貴一が着いていると聞けば親御さんが安心された、などというエピソードも知っている。

そんな清廉な感じの、昔お兄ちゃんの代表みたいだった中井貴一にも、どこかで、ちょっと人間としての闇というか、ドロドロしている部分も感じさせられた。
奇しくも、インスタだったかフェイスブックだかで、昔とはちょっと服装も違って、どうも違う様相で語っていた。

正義というのは、悪があってそれに対抗するために正義を描くことができるんです。最初に正義はないんです。

とのことで、ああ、この人に何があったのだろうか?と考えた。
昔の清廉なだけではない感じ。
きれいなだけではない人を演じることが可能になったんだなあと偉そうに上から目線で考えてしまった。

自分の中に、ドロドロしたものを抱えてみたいと思いながら、なかなかできない私の憧れかもしれない。

バブル絶頂期に大学生だった。
そうそうバブルの恩恵を受けたタイプでもなく、まったく違うところで生きていたと思う。
でも、親元から離れたわけでなくとも、過干渉な親から離れた場所に通学して、やっと親から解放された気分だったことを思い出す。
高校時代からちょっと真面目な素朴な自分から、脱皮したくて、ちょっとワルをしてみたかったが、私がやろうとしてもたかが知れている。(笑)

その頃、中井貴一さんは、純粋な青年を演じがちでいらしたのではないだろうか?

久しぶりに見る、中井貴一は、「記憶にございません」にしろ、「大河への道」にしろ、ちゃんと年を重ねて、ちゃんと清濁併せ呑むことができ、それも悪への理解もありそうである。
いいおじさんから初老の紳士というよりも、そうでないところも垣間見せつつ演じている。

「トラベルナース」でも、ときに本気になったときに、広島弁ですごむところなど、なかなかいろいろあった人物に思える。こういう役をおやりになることができるんだなあ・・・、と感嘆する。

ちなみに、私がアマプラで観たのは、2022年版のドラマの方だけれど、その何回目かに、安達祐実演じるナースの吉子の元旦那として登場する、漫談し五反田役の松岡諭は、大変に私の好みの男性である。
若ければ、ああいう人と結ばれたい・・・、と思わせるタイプである。
初めて見たけれど、初めてでない親近感のある方である。
なんと、兵庫県出身!
(それに安達祐実ってとんでもなく美しい。眼鏡をかけたナース役は、知的であまりにもきれいで、私は何度も見とれてしまった。)

関係ないけど?
こういう、アメフト体型というか、キャッチャー体型というか、こういう肩幅あり系の感じが好きである。これは好み。
安達祐実と岡田将生が並んでいると、慎重さ、30センチ以上ありそうで、何か打ち合わせでもあって、話さなければならないときに、安達祐実からは相当頭を上に向けなければならず、大変そうだし、岡田将生の声も、どこかに飛んで行ってしまいそうである。
まるでキリンさんとお話しているみたいである。
こういうの、恋人のうちはまだいいかもしれない。
でも、もし家族に・・・、というのなら、実質的に不便そうな気がする。

あなた~!

と呼ぶたびに、相当上にある夫の顔に向けて首を思い切り傾けて、大きな声で話さなければならない。

だけど、イケメンだけど許してあげる💛
岡田将生が隣にいたってかまわない。
しゃべるのに、思いっきり首が痛そうだけど。(笑)

おばさんの妄想は続く・・・。

それから、この、寮母さん、私、ちょっと憧れる。
この、あまりお料理上手でないけど、みんなのことを考えて、時には占ってあげて、酷いときには、

長風呂ボーイ!

とかって、歩が入っているお風呂に侵入する。
それをされてしまう、本当はイケメンな歩ちゃんが面白過ぎる。

それからそれから・・・。
もう一つ、憧れている仕事がある。
とってもときめいているのだけれど・・・。
生徒にも打ち明けている。

そ、そ、それは・・・。
結婚相談所の仲人さん。
誰かと誰かのマッチングをして、誰かと誰かのおしあわせに貢献するのって、しあわせではないかしらん?

それも人を見る目がなければならないものだし・・・。

とおよそ実現しそうにないけれど、どうしようもなく不思議な縁である、男と女の出会いについて、自分の人を見る目を信じつつ、あれこれやってみるのも面白そうである。

吉子と五反田は、復縁しないのかな?
吉子を愛する五反田の気持ち、可愛かったなあ。
吉子は、とんでもなくかっこよく、情があって美しく、こんな女性なら、女の私だって

惚れてまうわ・・・。


いいなと思ったら応援しよう!

櫻井真弓/国語大好き!(&数学)
もしもサポートしていただけましたら、そのお金は文章を書いて人の役に立つための経験に使います。よろしくお願いいたします。この文章はサポートについて何も知らなかった私に、知らないうちにサポートしてくださった方のおかげで書いています。