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ウィキペディアンと永遠に完成しない知識の夢の国

ねほりんぱほりんの「ウィキペディアン」回を視聴する。ねほりんぱほりんは世間でタブーとされがちなことを、モグラの人形に扮した聞き手が根ほり葉ほり聞いていくトークショーのこと。

Wikipedia-ウィキペディアは大抵の人が一度は使ったことがあるだろう、誰でも見て執筆できるウェブ上の百科事典。ウィキペディアンはその記事の執筆に膨大な時間とお金をかけて捧げていた。しかもそれにかかる経費は全部自腹。そして、どれだけ書こうとノーギャラ。完全なるボランティアなのだ。

校閲の仕事をするときに当然ファクトチェックをする。そうすると例えば渋沢栄一氏なら邸宅がどのような歴史をたどり、記念館はどこそこにあってといったように、一気に周辺知識が増える。

日常生活にも新しい視点が広がる。結果として何を見ても面白い、興味深いと感じられる。知っていることが増えるのはとってもおもしろい。

ただ、特定のジャンルを深く知ろうとすると進めば進むほど、踏み込めば踏み込むほど、自分が何も知らないことを突きつけられる。ぼんやりしていたものが少しずつ形になって、どれほど知らないのかを思い知らされてしまう。

浜辺を歩いている時に足元に波がくる。その時に目をつぶれば果たして足元の波が引いているのか、自分が後に移動しているのかわからなくなる。進んでいるのか後退してるのかわからない。私はそのわからなさにいつも居心地悪く考えていた。

けれど、ゲストの海獺(らっこ)さんやスワニーさんのウィキペディアンへの情熱は果てしなかった。永遠に完成しない知識が詰まった夢の国というスワニーさんの言葉が印象に残る。完成することがないから、どこまで追い求めたくなるんだろうな。どんなに経費をかけてもノーギャラなのをどう捉えるかはとっても微妙だけど。

世の中は果てしなく広くて、追い求めようとすることはどんなに急いでも永遠に終わることはない。堂々と構えて追求したいことを追求すればよいのだと、2人を見て思う。波の先に広がる海は美しいと思ってズンズン進めば良いのだと勇気が出た。

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