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ねんがんの ANDROGYNOSチケットをてにいれた
前回の摩天楼オペラの記事を書いていたときに飛び込んできた、ANDROGYNOS開催のニュース。
人生三度目(ぼっち参戦二度目)のライブがこんなにも早く訪れるとは思いもよらなかった!
ANDROGYNOS(アンドロジナス)とは
ANDROGYNOSとは、DIR EN GREYとPIERROT、デビュー当時とても勢いと人気があったヴィジュアル系の2大バンドによる対バンである。「交わることのなかった」と謳われているように、両バンドはそれほど絡むことはなかったそうだが、当時のファンのほうはバチバチだったようで、2017年に初めてこの対バンが実現したときは「丘戦争」などと言われていたほど(笑)。
バンドメンバー同士は今も昔もまったく敵対していないのに、ファンのほうが熱くなっていたのは、それだけ人気がすごかったということだろう。自分の”推し”にはやはり一番になってもらいたいというもの。その際にDIRファンにとってはPIERROTが、PIERROTファンにとってはDIRがそれぞれ障害になるわけである。さすがに20年近くが過ぎ、しかもPIERROTのほうはすでに解散状態ということもあり、今はファン同士バチバチやり合うことはなく、2017年の丘戦争も平穏無事に終演したそうな(笑)。そのときはそれが最初で最後のお祭りと思っていたが、まさか2024年に再び開催されるとは思いもよらなかった。
そしてこのたび開催されることになった「ANDROGYNOS THE FINAL WAR」。"FINAL"と謳っているあたり、今度こそ本当に最後のお祭りなのだろう。2017年のときは、まだライブというものが私にとって縁遠いものだと思っていたので、DVDを買っただけでライブには行かなかった(行けるとも思っていなかった)が、ライブぼっち参戦デビューを果たした今ならもう抵抗はない! ありがたいことに、プレイガイド先行というよくわからない方法で申し込むことができ、無事当選した。
今回の会場は国立代々木競技場・第一体育館。調べてみたら、スタンド席だけでも8,636席、トータルだと12,000以上の収容人数らしく、この間行ったLINE CUBE SHIBUYAの倍以上の規模だった。しかもそれが2日間。さすが、かつてV系界において栄華を誇った二大バンドである。チケット代もビックリ価格で、最安値のB席でさえ12,000円、VIP席になると10万円超え。しかし今度こそ本当に最後かもしれないと考えると、VIPの10万円は決して無駄ではない。「奮発してVIPいっちゃうかー?」とも考えたが、両バンドの曲は知っていてもライブそのものが初心者レベルなので、さすがにVIPはやめておいた。
今回ゲットしたチケットは、1日目(金曜)のB席。いちばん外側のエリアの真ん中くらいの位置だった。さすがに2日連続で申し込む余裕はなかった。
ANDROGYNOS -THE FINAL WAR - "under the Blue Moon"
ANDROGYNOSは2017年のときも2日間で、日にちによって演者の出番が前半・後半とで入れ替わる。今回の初日はPIERROT、DIRの順だった。
棒を持ったキリトさんが登場すると会場内が一斉に沸き立った。そして流れてきたのは『*自主規制』。「初っ端から攻めてるな~」と思った。そして『Adolf』やファンが待ち望んだであろう『ドラキュラ』とライブで盛り上がりそうな曲が続く。私の特に好きな『REBIRTH DAY』『Human Gate』『セピア』なども聴けて嬉しかった。また、PIERROTの曲はだいたい知っている(馴染んでいる)ので、ある意味安心した。まだまだライブ初心者なので、知らない曲があると「私はここにいていいんだろうか」という妙な負い目を感じてしまうのである。
前回のANDROGYNOSのときに「ピエラーさんたちの一糸乱れぬフリがすごい」というような感想を目にしていていたので、客席にも目を向けてみたら、本当に息ピッタリというぐらいにまとまっていた。隣の隣の人は全曲見事にフリをこなしていて、正直「フリ教えてください」と聞きたいくらいだった。
そんな周囲を見ながらフリをまねてみようかとも思ったのだが、それはやめた。それをやると注意がフリにいってしまい、肝心の演者や演奏に集中できなくなってしまうからである。私は観客を第一に見に来たのではなく、演奏を聴き、演者を観に来たので、演奏に集中することにした。
DIRのほうは、京さんの声が本当に楽器のようで、生で聴くとびっくりする。ボイスチェンジャーかと言わんばかりに、器用に声を変え、使い分ける。その声が単純に「歌」という感じではなく、一つの楽器、あるいはその歌の世界に存在する登場人物の声として加わっているような感じで、曲や曲のもつ世界観に深みと幅を与えている。
そして笑ってしまったのがMC。
もしかして皆さん、私たちを怖いバンドだと思っていませんか?
そんなことは、まったくありません。
ヴィジュアル系一、優しいバンドじゃないでしょうか。
首を求めたことなど一度もありません。
ですから、今日はおとなしく座って聴いていただいて……
なんて言うわけねえだろ! 首もってこぉぉい!!
京様ご乱心!? と思わせるようなトークに、会場内からも笑い声が起こっていた。DIRといえば、『I'll』と見せかけて『残』というドッキリライブがあったという話を知っていたので、今回のANDROGYNOSにもそんな展開を期待していた私にとっては大満足だった。そして流れた『激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇』をノリノリで堪能した。
DIR EN GREYという存在が世界一PIERROTをやめさせてくれない
2日目は参加できなかったので、Xの投稿を追った。Xを開いた瞬間からANDROGYNOSの話題がタイムラインに流れてきた。そこでPIERROTが来年2月にワンマンライブを開催するという衝撃の発表を知り、まるでライブ会場にいるかのごとく「おぉぉぉ~!!」と興奮した。
しかし、私を熱くさせたのはそれだけではない。
「DIR EN GREYという存在が世界一PIERROTをやめさせてくれない」
ワンマンライブ発表の際に告げられたらしいこの言葉は、まさに少年漫画の胸熱展開のごとき至極の名言である。
事前のANDROGYNOS告知配信の際に、キリトさんが同世代のバンドが活躍しているのをみると「いやぁ……」という言葉しか出ないというようなことを言っていたが、まさにそんな感じの「いやぁ……」が思わず出てきた。「いやぁ……」の「……」には語り尽くせないほど複雑でさまざまな感情が込めれていて、下手に言語化できないのである。この言葉を現地で聞いたファンは涙したことだろう。
こうして多くのファンを感動させたANDROGYNOS -THE FINAL WAR-(通称「月戦争」)は、ライブ終演の翌週でもXのタイムラインを熱くさせていた。「アンドロジロス」という言葉がトレンド入りするほどであった。
いくぞ、2月!
この記事を書き始めたのは10月だったのに、私の10月はイベント続きでせわしなかったことや、その他いろいろあってすっかり投稿するのを忘れてしまっていたが、2月のPIERROTワンマンライブには申し込んでいる。SNSの情報を見ると、すでにS席は完売してしまっているほど盛況なようだ。
しかもこのライブ、超特価(3,300円)のU18席なるものまであるという。単純にファンが親子で楽しめるようにという狙いか、はたまた若年層も取り込もうという狙いがあるのかはわからないが、もし若年層の取り込みを見据えてのことだとしたら、もしかしたらPIERROT復活の可能性もあるのではなかろうか。激安価格で若者が初めてPIERROTのライブに来て気に入ってくれたとしても、これが最後だなどと言われたらせっかくの熱も冷めてしまいかねないからである。あるいは、最後だからこその大盤振る舞いと考えられなくもないが、最後なら若年層にサービスする必要もないように思う。その答え合わせは2月。まだライブ初心者の域から抜け出せてはいないが、今から楽しみである。