暇の嗜み

わがままな自分の居場所

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最近の記事

人生で初めてのクロワッサン

人生で初めてクロワッサンを作った。人生で初めてなんていうと大袈裟だが、パン作りをする機会がある自分の取っては、やっと手を出した部類であった。2日間じっくりと時間をかけてみてた。一次発酵後一晩冷蔵庫で生地を寝かせ、その後、冷凍庫で何回か生地を休めてとレシピ通りに焼いてみた。 形はまあまあだが、味はちゃんとクロワッサンだった。バターがたっぷりと入ったクロワッサンはこんなにも多幸福感に溢れるものだと知った。 まだこれでは未完成だ。ジャムもオレンジジュースも肝心のカフェオレに浸し

    • 無機質な自分に飽きました。

      どうやら感情的な文章いわゆる心のこもった文章というのを書くのが苦手らしい。 いつの間にか硬い文章しか書けなくなっていた。あった出来事を淡々と書く感じなんの面白みもない文字列。 感情をこめることができていない、淡々とすることがいいのだとも思っていたが、味気ない自分に退屈を感じる。 この前、小さい頃に可愛い紙と封筒で書いてたパパへというお誕生日メッセージの手紙が出てきた。 まだ文字の線もまっすぐに引けてないくらいの年頃の手紙。接続詞がおかしいが、そこには自分なりの思いが詰め

      • 共生関係

        初めて育てたピーマンに白い花が咲いていた。じっくり眺めていると、葉っぱに大量の黒い点々ができているのを見つけた。病気かと思い近づいてみると、それは大量のアリだった。 スマホで調べようと取り出したが、手を止めた。最近、安易に答えを知ろうと検索する癖がついてしまっている。知らないことを知ろうとして調べることは良いことだが、スマホで簡単に物事を終わらせてしまう自分には、どこか浅はかさを感じていた。 そこで、アリの行動をじっくり観察することにした。葉っぱには緑の虫がいる。カメムシ

        • 雨がやまない日に

          最近植えたハーブの種からは芽がポツポツと出ていた。今は土の色と目を凝らしてみないとよく見えない緑の小さな小さな芽。この庭に他の色づきや香りそして生物が寄ってくると想像すると少しワクワクする。新たな居場所空間を作り出せたようなそんな感じ。経過がすごく楽しみだ。 雨夜散歩は少し浮き足立つ。レインコートと長靴を履いて雨に打たれながら歩くと3歳児に戻ったように目の前の景色が新鮮に感じる。 雨音を聞きながら水たまりにあえて入ってみる。濡れ葉を手で触り、全身で雨を感じる。 古見屋羊羹

          ちょっと疲れた夜の日に

          ちょっと疲れたな この状況に疲れたという感情言葉を当てはめた最初の日はいつだったのだろうと考えてしまうほど疲れたという言葉の先をぼやぼやと考えてしまう。 悩むとまではいかない、自分は居心地のよい居場所の模様替えというかお片付けをうまくいかないのか、そっと最近の流れが変わっているような感じがする。 最近はどうやら気を使われていたということに気がついた。そんなに私は怖い存在だったのだろうか。みんな自由にすればいいのと思って自分が自由に行動していたが、どうやら癪に障っていたらし

          ちょっと疲れた夜の日に

          玄関で座って靴を履く

          玄関に座ったのは何年ぶりだろうか 普段は歩く時や扉の開け閉めは意識しながら動作をしている。 しかし、靴の脱ぎ履きは無意識で履くことが多い。なので、玄関に座ってみた。そこから今から履いていく靴を手元に引き寄せ両手で靴を持って、ゆっくり靴の中に足を入れる。両足を入れ終えた瞬間ゆっくりと立ち上がってみる。そこから扉を開ける。いつもより、玄関の扉が重く感じた。 家と外界の境界線を踏み越えて歩き始める。 些細な意識を宿せる瞬間はここにもあったんだなとしみじみと感じた。そんなこんな時間

          玄関で座って靴を履く

          6畳一間がダンスフロアに変わった。

          藤井風さんのライブ配信を観た。 イヤホンを装着して見ていたら気がつくと自室で踊っていて、若干の息切れをしていた。耳心地が至福だった。 風さんのライブには過去二回行かせてもらったことがある。そして、ライブ後は数日間の無の放心状態が続く。 ライブどうだったと聞かれた時があるが、何も言葉が出ないのである。観に行ったという事実はあるのに記憶はないのである。 この現象と同じようなことが起きたことがある人はいるのではないかと思っている。 最高、めっちゃ良かった!が感想であると同時に

          6畳一間がダンスフロアに変わった。

          欲望の模倣を超えて、自分が欲しいものを知ってしまった。

          わがままな自分の居場所にひっそりと低反発のソファーベットを置いてみる。 結論から言うと『族』である。 だらだらとこれからが長くなるが、わがままな自分の心情をここに書き記しておきたい。  自分が欲しいものを知ってしまった。 それは欲求的ではなく、願望的なこういう状態でありたいと願ってしまうものである。 それはお金を払えるものでもなく、真似することでもない、ましてや奪うことさえできない。造っていくことでしか自分をその状態の現実に身を置くことができない。 頭の中で妄想して心地

          欲望の模倣を超えて、自分が欲しいものを知ってしまった。

          ベトナムコーヒーに叩き起こされる

          3時間前のことだ。ベトナムのハノイで買ってきたベトナムコーヒーをマグカップ一杯分淹れた。 本場のようなコンデンスミルクではなく豆乳を注いだ。砂糖は入れてない。 寝る前の30分、今日は本を読んでから就寝しようと思い入れたコーヒーだ。 本を読んでるとうとうとしかけ飲みかけのコーヒーを飲み干して布団に入った。 なのに今だ。 寝ていたのにこの時間に目が覚めたのである。 いきなり目がぱちと開いた。  眠れないのではなく、起こされたのである。 普段はカフェインによる影響はほぼ

          ベトナムコーヒーに叩き起こされる

          海辺で本を一冊読む

          三連休の最終日の15時ごろ、本一冊と冷蔵庫から冷たいほうじ茶を500mlのペットボトルに入れて、自転車に乗って海辺に行った。  夏休みだろうか、学生が海から帰ってきてたり、親子連れで釣りをしていたりした。 海辺の岩場にしゃがみ込んで推理小説を読み始めた。  この日は、風が強く、海も穏やかではなかった。視線の遠くで軽トラが行ったり来たりしているが風と波の音の影響であまり聞こえない。文庫本の小説のページがパタパタと動きながら、バシャーンと岩場に打ち付ける波の音がする。クルーズ

          海辺で本を一冊読む

          ベトナムハノイ一人旅③

          最終日 今回はあえて細かく予定を立てないことにした。 ただただひたすら歩く歩く歩く。 ひたすら歩き 休憩のライチティーがびしょびしょの体を覚ましてくれた。 外国で飲むフルーツティーはとても美味しく感じる。 ただただ歩いた。バイクの勧誘やしゃべりかけてくる人もいた。それらもうまくかわせるようになり、自分なりに成長したななんて自画自賛しながら知らない街をひたすら歩いた。この行動は私の中の何かをなくすと同時に満たしてもくれる循環的な働きがあるように感じた。五感で感じるこの行動は

          ベトナムハノイ一人旅③

          ベトナムハノイ一人旅②

          2日目、 ツアーに予約していたので一人でツアーに参加した。少ない人数での参加だったため交流があった。  道中、遠くに見える高層マンションや高層ビル、そして郊外にある高級住宅街として開発された、洋館もどきの敷地、道路の反対側は農地が広がっている。そんな景色を車の窓から眺めていた。 ハノイの旧市街から車で2−3時間ほどで到着した。がっつり観光地化された場所だった。何台もの船がハロン湾を遊海しており、なんだか海賊になったような気分だった。ここで大砲撃や隣の船に飛び乗ろうとまででき

          ベトナムハノイ一人旅②

          ベトナムハノイ一人旅①

          どこか遠くにふらっと行きたいな そう思い飛行機とAirbnbを予約した。 場所はベトナムのハノイ ホーチミンか迷ったがハノイの方が飛行機代が1万円安かったのでこっちにした。 2泊4日の予算7万 受託手荷物なしの弾丸バックパック旅行が計画された。 三年ぶりの一人旅 タイに長期で行った時以来だった。 海外には4月にオランダとベルギーに行った以来の4ヶ月ぶりこんなに早く外国に行けるとは思ってなかった。 関空ーハノイ行きに乗る。航空会社はべトジェットエアー 受託手荷物なし、事前指

          ベトナムハノイ一人旅①

          トトロに憧れて

          わき水で冷やしたきゅうりの丸かじりは幼稚園の頃に見ていたメイへの追体験の記憶を呼び起こしました。

          トトロに憧れて

          廻向堂 第三話

          影響 ひと段落といっていいのだろうか。気だるそうなアオイは管理室の屋上にある木に登り、街全体を見渡していた。 「あら 久しぶりじゃない」とパーマのかかったロングヘアーを風になびかせながらレイカがやってきた。 そう俺はこの管理室に1ヶ月ぶりにきた。例の白い本の像でずっと外出していたからである。 「うまくいってるの?」レイカはコーヒーをアオイに渡しながら聞いてきた。 「何をもって上手いかどうかはわからん 送信者が仲介者に対しての要求は果たせたよ。受信者が送信者の『像』にどういう

          廻向堂 第三話

          廻向堂 第二話

          願い 「うわー、座る場所ないな」 「マジで、タイミングずれたなぁ」大学のお昼休み時間、校内どこのフリースペースは人で混雑しており昼食難民になってしまっていた。 「おっ、あそこ空いてる」と隼人が指を刺した先にはソファータイプの椅子と机があった。 「よかった 無事に座れて」「うん、ここいいな 意外と穴場スポットなんかな」「なぁ そんな感じする。 知る人ぞ知る的な 座りごごちも最高」とお気に入りのスペースを見つけることができた凪と隼人は満足そうに昼食をとり始めた。 「ちなみに

          廻向堂 第二話