雨ニモマケズ

世の中の決め事にはどちらでも良いことが山のようにある。

それならそれぞれが好きなように選べばよいと思うけど、あらかじめ決めておかないといけない事情もあったりする。東京から大阪への出張に飛行機を使うか新幹線を使うかくらいどうでもいいことに、決め事をしなければならない組織もあったりする。

飛行機派もいれば新幹線派もいる中でどちらにするか。トップが決める。くじ引きをする。話し合いをする。話し合いがいちばん建設的な気がするけど、個人の好き嫌いに何を話し合う余地があるのかとも思う。

そこで、話し合いで有利になるようにそれっぽい「利点」を考えようとする。飛行機は事前に予約すれば安いとか。電車ならいつでもパソコンが開けるとか。でもそれはそもそも建て前で、相手を打ち負かすための「理論」だから利点が見つからなければ相手の欠点を挙げても良い。「飛行機なんて飛び恥だ」みたいに痛烈なやつ。相手を黙らせれば感情論でも構わない。

家族ルール、校則社則、国会論争に至るまで、そもそも決め事の大多数はそんな構造になっているような気がするなって、最近気づいた。人が言い争って揚げ足を取るような風景を見るくらいなら偉い人の独断で決めてくれた方が楽って考える人の気持ちもわからないでもない。原発の是非とか、軍備の是非とか、憲法改正とか、本当はどっちでもいいことなのかもしれない。

宮沢賢治くらいの慈悲と遠慮があれば争いは起きないのかもしれないけど、その決め事が人生を左右してしまう人と、そうでもない人の温度差もあったりするから厄介だ。相手がどうしてムキになるのか。自分はどうして譲れないのか。

一旦建て前を置いて、お互いがエゴを隠さず本気で話し合うことが大事なんだろうなあ。




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