久保建英が好き

私は久保建英選手が好きだ。元から好きだったが、東京オリンピックを通じて益々好きになった。

予選リーグでの3試合連続ゴールは圧巻だった。A代表では「最年少ゴール」を期待されて久しいが、この年代では得点力を遺憾なく発揮してくれて嬉しく思う。

サッカーの実力はもちろんのこと、私は彼の人柄(メディアを通しての一部分でしかないが)に強く惹かれてしまった。


YouTubeでインタビュー前の吉田選手とのやり取りを何度も繰り返して見てしまった。彼は年長選手にはリスペクトを持ちつつも、コミュニケーションを楽しむことは忘れない。慇懃無礼な態度でなくしっかり関係性を築こうとしている姿勢は素晴らしいと思う。

彼が飄々と冗談を言う雰囲気はとても良い。インタビュー後の「お疲れ様でしたー」と語尾をだらけて伸ばすところも愛嬌があってとても良い。

とんでもない肩書きと実力を柔和な人柄で和らげるのが本当に上手いと思う。彼のことを詳しく知る前は、きっと周りの日本人選手は自分より格下と捉えているのだろうと邪推していた。しかし、彼の周囲との信頼関係を見て、そんなことは一切無いのだと分かった。

また、インタビューでの受け答えも実に謙虚で好感が持てる。無観客での開催となったオリンピックだが、「応援してくれるサポーターのために全力を尽くします」という言葉はサポーターをより惹きつける一言だった。


メキシコ相手の3位決定戦に敗れた日本代表の姿は、未だかつて見たことの無いものだった。チーム全体が目標が叶わなかったことに深く落胆していた。そこに「仕方がない」という雰囲気は無かった。

その中でも一際目を引いたのがタケの号泣だった。その姿は彼が何としてもこの試合に勝とうとしていたことを伝えた(試合中の気迫も並々ならぬものだった)し、心底自分自身に悔しさを感じているのだろうと思わせた。

その姿は強く私の胸を打った。これほどまで本気でサッカーに向き合うプロサッカー選手を今まで見たことがなかった。実力以上に、国際大会で結果を残すのが当たり前という彼の持つレベル感が、ものすごく頼もしく感じた。

もちろん彼の言うように、今回のオリンピックでは何も残せなかったし、彼の目線では目指す所には程遠いのだろう。しかし一サッカーファンの目線では、このような意識の選手が現れたことが既に喜ばしいことであり、彼の存在が今後の日本サッカーを高い所へ連れて行ってくれると強く期待させてくれる。

堂安選手も言っていたが、メダルを取れなかったことで誰に何を言われようと、彼らはこの敗戦を糧にしてより強く成長していくことは間違いない。彼らの飽くなき向上心とその先に待つ輝かしい未来には嫉妬すら感じる。希望あふれる未来に向かって自己研鑽を続けることは、苦しい以上の快感に溢れていることは私も経験しているからだ(言うまでもなくそのレベルに大きな差はあるが)。

何はともあれ、今大会でしっかりタケのファンになったので、今後も彼のことをしっかり応援していきたいと思う。東京オリンピックのサッカーは2年前から楽しみにしていたが、金メダルはなくてもフルに楽しませてくれるものであった。最後まで全力で戦い続けてくれた選手達に本当に感謝したい。

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