基本相互作用とは何か?
【基本相互作用】
基本相互作用とは、宇宙を支配している基本的な4種類の力のことです。通常、力ではなく「相互作用」と呼ぶのが一般的とされています。その4つとは「強い力」「弱い力」「電磁気力」「重力」のことです。自然界に存在する力は、この4種類のいずれかだとされています。基本相互作用は、もうそれ以上基本的な要素には還元出来ません。宇宙の始まりには、もともと1つの力しか存在していなかったとされています。その後、四つに分かれました。それらを統一しようとする幾つかの理論が作られましたが、未だに完成していません。そのうち「電磁力」「弱い力」「強い力」を統一する理論を「大統一理論」と言います。大統一理論には、重力は含まれていません。
【重力】
重力は、私たちにとって最も身近な力です。広い宇宙空間では、物体は重力によって支配されています。重力は、どちらかと言えば、マクロな世界で働く力です。万有引力とも呼ばれ、物体が物体を引く力として働いています。ただし、地球上での重力は、地球の引力と自転による遠心力の合力です。重力は、常に中心部に向かって働いています。人間が宙に浮かず、地面に立っていられるのは重力のおかげです。重力は、宇宙空間の「星」や「ガス」など、素粒子から出来ているものに働いています。また、重力は、時空を歪ませる原因となるものです。太陽のような大きな重力があれば、時空は歪みます。惑星が太陽の周りを回っているのも、その歪みに沿って進んでいるからです。
【電磁相互作用】
電気と磁気力は、論理的に同じものです。それらを統一して「電磁気力」と呼びます。電磁気力も、私たちの身近にある相互作用です。その力は、現代文明の基盤をなしています。私たちが、日常感じている重力以外の力は、電磁気力です。ものを触るときにも、電磁気力は働いています。電磁気力とは、電荷が同じものなら反発し、異なるものなら引き合う力です。その力は、原子核と電子を結びつけ、原子を作っています。ちなみに、原子核がプラスで、電子がマイナスの電荷です。さらに、電磁気力は、原子同士を結びつけ、分子も作っています。
【弱い力】
弱い力は「弱い相互作用」とも言います。電磁気力より、はるかに弱く、約10分1くらいの強さしかありません。弱い力は、日常生活では、経験することが出来ない力です。ただし、ミクロの世界では、重要な役割を果たしています。弱い力は、素粒子レベルの非常に狭い範囲でしか作用しません。それは、核分裂の時、中性子と陽子の崩壊を引き起こす原因となる力です。崩壊の時には、放射線が放出されます。それ以外には、さまざまな素粒子を別の素粒子に変化させる力です。
【強い力】
強い力は「核力」または「強い核力」とも呼ばれています。基本相互作用の中では、最も強い力です。その力は、電磁気力の約100倍程度だとされています。ただし、原子核内という狭い範囲でしか作用しません。強い力は、クォーク同士を結びつけ「核子」を作っています。核子とは「陽子」と「中性子」のことです。さらに、その核子同士を結合させ「原子核」を作っています。原子核がバラバラにならないのは、強い力が、狭い空間内に核子を拘束しているからです。この強い力は、本来ならば反発するはずの中性子という電気的に中性の素粒子をも結びつけることが出来ます。
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