強いプレイヤーはなぜ強くなれたのか?
どんなゲームにもその道を極めた上級者がいて、他のプレイヤーのお手本となり、ゲームシーンを盛り上げる中心にいます。この記事では、そのような上級者がどのような経緯で強くなっていったのかを分析し、ゲームの上達を目指して頑張っているプレイヤー達へのヒントとモチベーション向上への手助けができればと思っています。
ここでいう強いプレイヤーとは、基礎はもちろんのことゲームに関する多くの知識もしくは経験を有していて、段位やランクも上位のプレイヤーのことを指します。この記事では、以下の3点について考察していきます。
1. 強いプレイヤーはどんな特徴を持っているのか?
2. 強くなるまでのプロセス、なぜ勝てるのか?
3. 上達するために大切なこと
1. 強いプレイヤーはどんな特徴を持っているのか?
当たり前ですが、初めてプレイした時から強いプレイヤーはいません。格闘ゲームは一朝一夕には上達せず、強いプレイヤーは長年にわたる対戦経験と知識の積み重ねによってその実力を築き上げています。では、いわゆる人間性能の違いはどうでしょうか。人間性能とは、例えば反応速度が速かったり、初めて遭遇した場面でもいい選択を取ることができたりする能力のことを指しますが、現在バーチャファイターの第一線で活躍しているプレイヤー達が皆そのような人間性能で勝ち上がってきたということは、間違いなくありません。もちろん、人間性能は高ければ高いほど良く、全く同じ知識と経験を持つプレイヤー同士であれば人間性能が高い方が勝つのは明らかです。しかしながら、格闘ゲームの強さを構成する要素は多岐に渡り、人間性能はその一部にしか過ぎないのです。プレイし初めた時から対応能力があるプレイヤーはごく一握りであって、ほとんどのプレイヤーが何千何万という対戦経験の中で勝ち負けを繰り返して、少しずつ学習して強くなっているのです。
つまり、それぞれのプレイヤーが持つ能力やセンスで実力が決まるということはほとんどないということです。持っているものは、継続する力と反省する習慣です。
2. 強くなるまでのプロセスとは?
では、具体的に上級者がどのようにその実力をつけていったのかを分析していきます。前述した通り、上級者に共通して言えることは、継続してプレイし、試合の中での反省点や改善点を考えて、経験と知識を蓄積しているということです。例え最強と言われているプレイヤーでも、100点満点の完璧なプレイを毎回繰り返しているということはあり得ず、毎試合の中でミスや反省点が生まれます。例えば、ラウンドを落としたり試合に負けたりした後に独り言を言っている人を見たことはありませんか?もしかしたらあなたもその一人かも知れませんね、これももちろん反省の一つで、少しずつ前に進んでいる証拠とも言えます。何度もミスを重ねて、その度に反省をして、次回また同じ状況になった時に以前より少しいい選択ができるようになり、それが繰り返されることで場面ごとの相手と自分の選択肢が経験として蓄積され、その情報を元に最善と思われる行動を取ることができるようになっていくのです。
3. 上達するために大切なこと
上達するために大切なこととして、以下の3点を意識してみてください。
① 継続してプレイすること(毎日でなくてもいい)
② 毎試合で反省をすること(些細なことでもいい)
③ いい環境でプレイすること
① 継続してプレイすること
繰り返しになってしまいますが、継続してプレイすることは何よりも大切です。仮にあなたが極めて高い質の反省が可能で、天才と呼ばれるプレイヤーだったとしても、月に一回のプレイでは絶対に上達しません。とは言っても、全てのプレイヤーが毎日プレイできるわけではなく、また現在の格闘ゲーム全体を見渡すと30〜40代のプレイヤーが中心の層となっており、家庭や仕事など優先しなければならないことがあることも多いでしょう。その場合は、週1〜2回などできる限りでいいので、継続してプレイすることを心がけて欲しいと思います。試行回数というのは非常に重要な要素なのです。
② 毎試合で反省をすること(些細なことでもいい)
例えあなたが1日に何百試合もこなすことのできるプレイヤーだとしても、毎試合での反省が無ければ上達のスピードは一向に伸びません。ここでお伝えしたいことは、毎試合が終わる度にできなかったことを一つだけでもいいので口に出して言ってみてください。気をつけて欲しいのは、抽象的なこと(例えば、もっとコンボ始動技を打とうetc)ではなくて具体的なこと(例えば、リオンの◯◯という技をガードしたあとは、●●というコンボ始動技を打ってみようetc)を考えて欲しいということです。それが正しいか正しくないかは重要ではありません。反省をして実践をすることによって、自分の選択肢の幅が広がっていくのです。また、反省したことが次の機会で実践できなくても、過度に自分を責めないでください。何度も何度もできるまで失敗していいのです、繰り返すうちに必ずできるようになっていきます。
③ 質の高い環境でプレイすること
あなたがプレイする環境も大切です。①と②を実行しようにも、良い対戦相手がいなければ成立しません。強いプレイヤーは質の高い環境にいる、もしくはいたことが多い傾向にあります。では、質の高い環境とはなんでしょうか?それは一概に強いプレイヤーに囲まれることを指すとは限りません。強すぎて全然勝てない相手や、逆に実力差がありすぎて負けることがない対戦ばかりなのは、上達の観点からはあまり好ましくありません。自分の実力から上にも下にも大きくかけ離れていない対戦相手がいるプレイ環境が理想であると言えます。それは勝ったり負けたりすることによるモチベーション維持の意味もありますが、あまりに実力差がありすぎると、どこから反省すればいいかわからない、もしくは反省するところが見つからないということが起きるからです。しかしながら、どんなプレイヤーとの対戦でも吸収できることは必ずあり、色んなスタイルのプレイヤーと対戦することによって得られることも多いですから、対戦相手の実力が偏り過ぎないように気をつけてください。
結論
強いプレイヤーになりたい、と思うのであれば継続的に試合をこなしつつ反省の質を高めることが大切です。これだけ覚えれば強くなる、といったような近道は基本的に存在しません。また、自分の実力に近いプレイヤーを中心に、偏り無く様々なプレイヤーと対戦することを意識してみてください。
この記事で伝えたいことをまとめると、以下のような式になります。
試合数 × 反省の質 × 環境 + 人間性能 = 強さ
例えば時間がなく、試合数をこなせない人は反省の質・環境を良くしていくことを心がけてみてください。自分にあった方法で、焦らずに取り組んでいってほしいと思います。強いプレイヤーと呼ばれるまでの領域には、誰でも必ず到達することができるのです。
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