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雑録:小説Aについて(4)

主人公と神々、そして巫女との関係は、まだ私の中でも曖昧模糊としていて、どうにも落ち着きどころが見つかりません。まだ幼虫が蛹へ移行する間のどろどろの状態で、機が熟すまで、もう少し待ってみようと思います。

それはそうと、肝心な登場人物についてのアイデアもほったらかしでしたので、それについて、少しばかり考えを進めてみることにしました。つまり、アマテラスに入れ知恵をした、フィクサーのような人物です。最初の人物についてはすでにはっきりとしているのですが、幕末・維新時のフィクサーについては、まだ目途がついていなかったのです。

ある程度、歴史上の人物を下書きにしようかと思ったのですが、調べてみると、これが、なかなかしっくりとくるモデルが見当たりません。こちらの要望は、一度は死にかけの危機に追い込まれながら、アマテラスへの傾斜を強め、後に国家神道へと至る道筋を拓いた人物―、ということなのですが、これが実は、ぴったりとしたモデルが見当たりません。政治的な意味でのフィクサーには事欠かないのですが、宗教的な次元では、実は一長一短なのです。

実際、維新までとその後では、宗教政策に一貫性がありませんし、国家神道もまた、色々な事情と要因が入り混じった結果のキメラの化け物として生まれ落ちたもの、なのでしょう。というわけで、こちらに関しては、少々作りこむ必要があるのかもしれません。

ただ、俄か調べの成果で、何人か、興味深い人物を掘り当てることができましたので、こちらもちょっと寝かせて、十分に発酵するのを待ってみようと思っています。