喩えの効用
言葉による表現に彩を添える工夫の一つに喩えがあります。特に文芸の領域では、これを抜きには語れなことでしょう。
ですが喩えには、少なくとももう一つ、大きく活躍する領域があります。それが宗教的な領域です。宗教は、時によって、不可知なものごとを物語る必要に迫られることが少なくありません。そんな時に、聞き手の理解を助けるためにメタファー(隠喩、あるいは暗喩)は有力な武器となり得ると考えられています。
あくまでも“助け”なので、完全ではありません。しかしながら、アウトラインを描くことができるか否かは、大きな違いとなります。
ただ気を付けなければならないのは、メタファーはあくまでもメタファーであり、実体ではありません。メタファーを“文字通り”に受け取ることには、慎重であるべきでしょう。