【ポケモンUNITE】ザシアンが全てを破壊していく
過ぎ去りし2月27日、この日はポケモンUNITEを遊ぶプレイヤーにとっても忘れられない日となった……。
2月27日、ザシアン実装。
ザシアン、それは剣の王。
時にソード/シールドの対戦環境で、時にカードゲームのデッキの一つとして猛威を振るいまくり、関わる者たちにトラウマを植え付けた存在。
それでも暴れたりなかったのか、少しずつバランスが整えられようとしていたポケモンUNITEの環境をぶっ壊しにやってきた……。
2月27日~3月3日、「せいなるつるぎ」ぶっ壊れ期間
最近の追加ポケモンの例に漏れず、特殊な操作や要素が盛り盛りでポケモンUNITEへ参戦することとなったザシアン。
本来ゴールをする際にしか使用しなかったエオスエナジーを特性により消費することで、一時的にワザや通常攻撃を強化するという要素。
慣れない内はゴールポイント消費のデメリットの方が目立つし、従来のプレイスタイルからは離れたものになるため考え方を改めなければならないなど戸惑うことも多かった。
これだけなら上手く扱える人が使えば強くて、不慣れなら他のポケモンにしたほうがマシという、「しんそく」ルカリオみたいな評価がなされていたはすだ。
しかし本編の対戦環境とカードゲームでその名を轟かせたガラルの剣王は格が違った。
そんな不慣れさやデメリット等を吹き飛ばすほどのもの……。
そう、圧倒的なキャラパワーをその身にしっかりと携えて参戦していたのだった……。
その圧倒的なパワーとは「せいなるつるぎ」。
本来であれば15%防御を無視してダメージを与えることができるというもの。
だが戦場の王にはエオスの神が微笑んだのか、参加の祝いだと言わんばかりに、防御を100%無視する効果に変わってしまっていた。
不具合すら味方につけてしまう、これが王という器なのか……。
当然、そんなことになっているなど一般プレイヤー達はつゆ知らず。
どれだけ固い体躯を誇るポケモン達も紙切れ同然と言わんばかりに、「せいなるつるぎ」を2連続で決め葬り去っていくその姿に、『ぶっ壊れ』という評価がつくのは当然のことであった……。
結局、防御を無視する値に不具合が出ていると噂されるようになったのが3月1日頃。
公式からアナウンス、そして修正が行われたのが3月3日。
この5日間でどれだけのプレイヤーがザシアンに翻弄されていったのか、想像するのも恐ろしい。
3月3日~現在、平均勝率脅威の56%超え
不具合修正がなされたとはいえ、ザシアンの強さは「せいなるつるぎ」だけにあらず。
そもそもの基礎ステータスの高さ、無駄のない技構成、待ってましたといわんばかりに少し前に強化がなされていたキュワワーの存在、これらはザシアンを絶対的な存在として完成させるためのピースとして完璧に噛み合った。
それまでのバランス型達が歪だったと思わせるほどにバランス型として(高すぎる水準で)バランスの取れたステータス。
時にはアタック型よりも高い攻撃力をほこり、異なる役割のポケモン達の存在意義すら奪う。
ステータスが固くて早くて攻撃力が強いのに、なぜか「なんでもなおし」+「だっしゅつボタン」の機能を兼ね備えた「こうそくいどう」。
かつて同じように固くて早くて攻撃力の高いポケモンがガラルからエオス島へ来て暴れていた。
そのポケモンに全く引けを取らず、その時の悪夢を再び呼び起こそうとしている、それがザシアン。
そうした結果、実装から一週間以上が経って出たザシアンの総合勝率は56%オーバー。
片方のチームだけにいる場合は破格の60%超え。
ザシアンを使わないということはザシアンに蹂躙をしてほしいという降伏の合図だといっても過言ではない。大人しくお腹を見せて置けば慈悲をもらえるかもしれない。
またそれに伴いザシアンと役割の被るポケモン達の勝率が軒並み50%を切るという異例の事態に。
今、ポケモンUNITEではザシアンという唯一無二の存在を頂点にすえたピラミッドが形成されているのである。
ザシアンかそれ以外か。
ザシアンでないものは、従わないなら斬り伏せられていくのみ。
ザシアンの行く道にはエオスエナジーすら残らない……。
春の訪れと共に現れたザシアンによって、それ以外の多くのエオス島のポケモンにとって冬の時代が逆行して訪れている……。
ザシアンの弱体化できそうなところ
基礎ステータス。
体力も防御・特防も攻撃力も高すぎる。
序盤から終盤まで上位に君臨できるステータスは多いに問題あり。
最も強くいられるレベル帯を決めてそこからそれ以外のレベルのステータスを2~3割減したほうが良いと思う。
「こうそくいどう」の弱体化。
流石に効果を盛りすぎている。前述では「なんでもなおし」+「だっしゅつボタン」と書いたが、実はさらに「スピーダー」の効果もついているのが今の「こうそくいどう」。
やりすぎ。
攻撃力の高いポケモンに妨害無効は絶対に組み合わせてはいけないと思う。
というかなんのために少し前に「なんでもなおし」を弱体化したのやら。ザシアンを頂点にするためか?
譲歩して妨害耐性などにしたりもせず、多少の移動とスピードアップ効果だけで良いと思う。
というかそれだけでもまだ充分に強い気がしてしまうが……。
とくせいの最低消費ポイントと発動時間および再使用時間
現在は消費するポイントの量によって三段階までとくせいを発動した後の持続時間が変化する。
これの最低発動ラインが5ポイント。
序盤はやりくりに困難しそうだが、中盤辺りからはフィールド上に他のポケモンが持ち切れなかったポイントが落ちているなんてことが珍しくない。
よってとくせいの一段階めを発動するのはそんなに難しいことではない。
なによりこのとくせいの問題点は、消費するポイントによって変化するのが持続時間のみということ。
つまり律儀に三段階めまで貯める必要がなく、最低発動ラインだけで存分に強さを奮うことができる。
また一段階めを使用する際にはボタンをポンと押すだけ。溜め込む時間などほぼ無いに等しい。
よって5ポイントさえ所持していれば、欲しいタイミングで迅速かつ正確に発動できてしまう。
さらに再び使用できるようになるための時間はわずか7秒。
ポイントを消費して使える「プラスパワー」と考えれば破格すぎる性能だ。
長くなったが、まず発動のための最低消費ポイント。
8で良いと思う。こうなれば序盤のレーンでの野生ポケモンの倒し方とかの工夫が必要になると思われる(かなり適当)。
中央で運用された場合はレベル5がザシアンの最も輝くタイミングだということで目をつむってもらうしか……。
次に発動するために貯める時間。
現状、いわゆるポン押しで一段階めが即座に使えてしまっているが0.5秒ほど間を増やすべきだと思う。
いくらポイント消費のデメリットがあるとはいえポン押しで再使用までが7秒というのは「プラスパワー」の存在意義がますます消えていく……。
ということで再使用時間。
10秒位がまずは妥当……?
というかとくせいがあってないようなポケモンもいる中で、有用かつ回転率が良いというのは優遇されている以外の何者でもない。
ほとんど使用していなくても思いつける位に強いなと思った点はこんなところか。
正直、「せいなるつるぎ」自体は今のままで問題無い気がする。それに伴う周りの機能がイカれているだけで、その辺が調整されればこのワザ自体はアマージョの「ふみつけ」的な感じではと思っている。
強さも大概だが最も問題だなと思う点
それは今のザシアンがPay to Winであるということ。
ゲーム内で無料で手に入れるには早くても17日間必要で、即日欲しい場合は課金しか方法がない。
そして強さについてはここまで書いた通りだ。
ゆえにPay to Win。
ゲームのサービスを続けていくにはお金が必要なのは分かるが、こうまで露骨にされるとなんだかなといった感じ。
というかいわゆるMOBAというジャンルで課金によって強さに差が出てしまうのはいかがなものかと思う。
普通こういうゲームでの課金要素はスキンのようなキャラクターの見た目の部分だけなのでは?
今回のザシアンでの売上をみて今後も同じような方式を続けていくようになるのだろうか……。
あと、テイア蒼空遺跡へステージが変更される際に強化されたバリヤードが勝率54%位を叩き出した時は3日ほどで弱体化されたのにザシアンは未だ不具合修正のみであとはノータッチというのはいかがなものか……。
最後に
今の環境はとてもつまらない。
課金していないからザシアンを使えていないというのもあるが、単純に○○一強という環境が好きではない。
これはヨクバリスの時もすごく思ったことだ。
より強いヨクバリスが全てをめちゃくちゃにしていくあの時の環境はつまらなすぎてしばらくポケモンUNITEを辞めていた。
今のザシアン環境はもしかしたらそれより酷いかもしれない。
ザシアンとその強さを増幅できるポケモン、そして多少は相手のザシアンに抗えるポケモンだけが輝きそれ以外は総じて消えていくのみ。
ヨクバリス環境の時は、ヨクバリスかそれ以外かというだけで正直ヨクバリスを使わないなら何を選んでもあんまり変わらないみたいな状況だった。
ある意味他のポケモンを自由に選べるといえば選べるみたいな。
けど今のザシアン環境はそうではない。周りのポケモンも含めてザシアンを中心に最適化されていくためあまりにも自由度が低いというか多くのポケモンがUNITEに参戦している意味が無くなっている。
あー、早く弱体化して数ある選択肢の一つになってくれないだろうか……。
もしくは他のポケモン達をもれなくぶっ壊れにして、世紀末の戦いみたいな状況にしてほしい。
そしたらそれはそれで楽しめるだろうから。